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解けないの?百眼魔王の催眠術?


百眼魔王の過去は全て、孫悟空を倒すための300年だった。


その因縁の戦いに法子が巻き込まれる。


私は法子


私達の前に百眼魔王が見下ろしている。


「余裕綽々ね?私達を相手に一人で?私達も甘く見られたもんだわ」


そう口で挑発してみたけれど、それだけ自身があるようね?


「百眼魔王!テメェは俺様がぶっ倒す!」


「孫悟空、それに仲間の者達よ?よく来たな?だが、お前達は私にそれ以上近付く事叶わず平伏すだろう」


「どうだかなぁー!」


孫悟空が飛び出して攻撃を仕掛けたの。


けれど百眼魔王を容易く孫悟空の攻撃を躱していた。


「あの眼で孫悟空の動きを見切っているのね?」


私は百眼魔王を分析していたの。


孫悟空の攻撃より僅かに先に躱しているみたいだわ?


あの眼で孫悟空の僅かな筋肉の動きから先読みしているのね?


そして孫悟空の視線の先から次の攻撃の場所が分かるのね?


次々と繰り出される孫悟空の素早い攻撃を躱していた百眼魔王の魔眼の瞳が真っ赤に染まると、

百眼魔王の筋肉が引き締まり、孫悟空の動きに付いていっているの?


「魔眼の肉体強化らな?」


自らの肉体に暗示をかけて最大限の力を発揮させていたの。


しかしそれだけじゃなかったの!


「ぐっはぁ!」


孫悟空の顔面に百眼魔王の拳が直撃したの。


「オマエ、体術も?」


「当たり前だ。オマエを始末するために弱点であった己の非力な身体を鍛えあげたのだよ」


何ですって?


孫悟空から聞いていた百眼魔王の唯一の弱点は魔眼に頼り体術がてんで駄目だって事だったの。


孫悟空と百眼魔王の拳と蹴りが交差し、孫悟空の蹴りに合わせるかのように百眼魔王の

蹴りと衝突したの。二人の覇気のこめた衝突の余波に私達は吹き飛ばされないように

堪えていた。


「どうだ?」


「うおおおおおおおおおおお!」


百眼魔王の言葉を無視して攻撃を仕掛ける孫悟空を容易く躱し余裕を見せる。


「どれだけ手数を増やしても無駄な事」


百眼魔王は孫悟空の隙を脇腹に見つけると、手刀を繰り出したの!


「先ずは肋骨を一本貰った!」


が、


「うぎゃあ!」


逆に孫悟空の拳を顔面にクリーンヒットされたの。


たじろぐ百眼魔王が怒りに身を任せ攻撃を繰り出すが、


その拳は空を切り、再び顔面に蹴りを当てられ倒れたの。


尻もちをついた百眼魔王は理解出来ずにいた。


「当たり前だろ?分らないのか?」


「分からぬ!私はお前の動きも見切り、速さも凌駕していたはず?なのに!?」


孫悟空は自慢げに答えたの。


「場数の経験だよ!」


「!!」


例え相手の動きが先読み出来ても体術の実戦経験は乏しい。


孫悟空は攻撃をパターン化させて隙を作り、わざと隙を作って百眼魔王の攻撃を誘ったのこうなってしまえば後はカウンター攻撃が面白いように決まるわけね。


「さて、そろそろ決着付けるぜ?俺様の前に跪けぇええ!」


孫悟空が飛び出し殴りかかる。


「えっ?」


突然孫悟空が攻撃を止め膝を付き身動き取れなくなったの?


「孫悟空、どうしたの?」


孫悟空は何かをされたようにも、ましてや攻撃されたようにも見えなかったの。でも立ち上がれずに苦しそうに床に倒れきたの。


「もしかしたら孫悟空兄貴は精神攻撃を受けているのかもしれません!」


「精神攻撃?暗示みたいな?だったら私達が術を解除しなきゃ」


「ただの暗示なら私達が外からそれ以上の暗示で解除出来るかもしれませんが…百眼魔王程の暗示を私達の力で解除出来るでしょうか?」


「じゃあどうするの?」


「決まってるら!術者を倒せば良いらよ!」


「八戒にしては正論よね?なら私達が百眼魔王を倒すわよ!」


「了解!」


私は八戒と沙悟浄に指示をすると同時に構える。八戒は肉体強化で筋肉を強化させて拳を膨らませて攻撃を仕掛け、沙悟浄は持ち前の武器である水仙鞭杖を床に突き付けると同時に水が噴き出して百眼魔王に向かって水の蔓が伸びて行く。


私は二人が百眼魔王に仕掛けている最中、数珠を掌に乗せて霊気を籠める。


「数珠連弾!」


放たれた数珠が弾丸のように百眼魔王に向かって行くけれど、百眼魔王は容易く数珠を躱す。それだけでなく同時に攻撃する八戒と沙悟浄の攻撃も躱していたの。


「何なの?」


そう言えば孫悟空が言ってたわね?百眼魔王の魔眼は強力な暗示能力の他に相手の眼を通して攻撃を予測するとかなんとか。


「目を綴じる?」


「見えなくて戦えません」


「オラには無理ら」


私達は考える。


「ふふふ。お前達は雑魚である事は間違いないが、油断すればとんでもない反撃をしてくる。だから私は決して油断せずに全力で始末してやろう」


「何よ?ケチ!油断して甘くして、調子こいて負けてちょうだいよ!」


「そうやって調子を狂わせる手立てであろう?その手には乗らん!」


すると百眼魔王の妖気が高まり、光の玉が幾つも浮かび上がったの?あの玉は何?私達は注意して見ると、


「!!」


驚く事に、その玉は私達を凝視する目玉になったの。しかも百眼魔王の全身にも眼が引っ付き、更に天井から壁に至るところに目玉が現れて見開く。


「何よ?気持ち悪い!目玉だらけじゃない?」


四方八方から見張られている感じがする。実際見られているのね?


「とにかく何もしなきゃ始まらないわよ!」


私と八戒、沙悟浄は無差別攻撃に切り換える。八戒は直接攻撃、私は数珠連弾を仕掛ける。


「無駄だ!」


「無駄かどうか今に分かるわ!今よ、沙悟浄!」


私の合図に沙悟浄が皿に妖気を込めて投げると閃光を放って拡散する。そのタイミングで私と八戒は瞼を綴じていたの。


「目が良いのも考えようね?それだけの目があれば目眩ましは有効でしょ!」


「法子はん!」


「えっ?」


八戒に言われて気付いたのは百眼魔王の瞼が全て綴じていたの。


「まさか私達が瞼を綴じると同時に綴じたの?」


私達の視界に入る情報を共有し、四方八方から私達の動き全てを見透かす百眼魔王にはトリッキーな攻撃は通用しない事が分かった。


「だったら直接倒すわよ!二人とも!」


「!!」


けど、私達の視界から百眼魔王の姿が消えて、殺気が背後からしたの。


「死ぬが良い?」


百眼魔王の掌から妖気の光線が私達に放たれると、私達は不意をつかれて無防備にくらってしまったの。


「ぐはぁ!」


私達は倒れると同時に合図をする。三人同時に百眼魔王に向かって突進躱してするする。


「小細工がダメなら正攻法しかないわよね!」


私達は三人で接近戦を試みる。やはり当たらない!しかし分かってるわ。けれど戦いながら打開策を考えるしかないと思ったの。


「無駄だ!」


百眼魔王の放った覇気が私達を吹き飛ばしたの。


「うっ…強いわ」


暗示だけじゃないわ!動きも力も桁違いだわ。やはり孫悟空が頼りよね?けれど孫悟空は百眼魔王の暗示から抜け出せないでいるし、どうしたら?


「とにかく暗示を解くには術者を倒す…これも無理ぽい事が証明出来たわ?これは前身よ!」


「前向きですね?法子さん」


「次は暗示の上書きよね?より強い暗示で今の暗示に勝てば良いのよね?」


「しかし百眼魔王の暗示より強い暗示なんて…」


「私達には無理だけど孫悟空自身で暗示に勝たせるのよ!」


「兄貴自身で??」


その時、孫悟空は?


「ぐぐぐっ…突然重力に押し潰された…百眼魔王は重力をも使うのか?ぐぅ…それに法子達の姿が消えたぞ?マジにどうなってやがる?」


孫悟空は今、押し潰されないように自分の限界の力で重力に抵抗していたの。まさか、この重力が暗示とは思わずに。この暗示は対象者が限界だと考えてしまった所まで負荷を負う感覚になり、それは脳を通してリアルにまでダメージを与えていたの。


私は孫悟空の近くまで接近すると、孫悟空の顔を両手で挟んで頭を上げさせる。


「良い?孫悟空?あんたの感じている重さは気のせいなのよ?」


私の説得に手を出さずに見ていた百眼魔王が大笑いをしていた。


「あはははははは!何をするかと思えば滑稽な!」


私は無視して続けた。


更に私はポケットから秘密兵器を取り出したの。


それは五円玉を赤い糸で結んだ物?


私は五円玉を揺らせながら孫悟空の瞳をじっと見ながら、


「あんたは重いなんて有り得ないわ!あんたの頭は軽くて軽薄で薄っぺらな猿なんだから!」


「何だとぉおおおおお!!」


孫悟空が頭に来て、私の胸倉を掴むと私は微笑みながら、


「いつまでも寝惚けてるんじゃないわよ!あんたの敵は誰よ?」


と、一発ぶん殴ったの。


「いてて・・・何か頭が痛くて逆にスッキリしたぜ」


「なら、もう一発殴っとく?」


「結構です」


そんな私達のやり取りを見て信じられない顔をしている百眼魔王る。


「ありえんだろ??」


「有り得た真実が全てよ?」


と、私達の二回戦が始まる。


そんなこんな。






次回予告


まだまだ先の見えない百眼魔王の力。


しかし意外性の法子が形勢逆転を見せれるのか?

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