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隔世異伝・転生記~神を導きし救世主~  作者: 河童王子
女子高生救世主編!
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女子高生に課せられた過酷に重い予言?


ヒュプノス神を撃退した人間達。


しかし失ったものは大きかった。




私は法子…


う~ん


私は布団の上で目が覚めたの…あれ?ベッドじゃないの?


私のベッ…


そこで思い出す。


私のベッド…じゃなくて家自体がヒュプノス神によって、押し潰されてしまった事を!


「ああああ!」


私はショックで涙が流れ落ちる。


私の部屋は?私のコレクションは?


溜めていたハードディスクはまだ観ていなかったのに…


私は落胆する。


そして、自分自身の無力さも痛感した。


私は生きているけど、守れなかった…


私を庇うように身代わりになった太子君…


彼に対して、私は最後まで嫌悪していた…むしろ優しく出来なかった。


うん。だって…


最初に彼の記憶を覗き見た時に、夢術師になったばかりの彼は、その力を使ってやった事が女子高生の夢に忍び込み…夜這い?


「夢だから無礼講~」


と、何かヤラシイ女の敵だったの。


うん。解っているわ?それが思春期の男の子の願望だって…男って、皆が皆、獣だって!


でも見直したりもしたのよ?前世からの純愛…少し羨ましく感動したのも本当。


だけど、最初の印象って大事よね?


それでも私のために命を落とした事に、罪悪感と、もう少し優しくしてあげるべきだったと後悔もした。


「本当にごめんなさい…そして有り難う…」


私は涙した。


…でも?


どうして太子君が私をあんなにしてまで助けてくれたのかが最後まで解らなかったの。



私は部屋の中を見回すと、ここが何処なのか察する。ここは私が子供の時にお世話になり、陰陽師として修行をした師匠の寺だったの。


私は起き上がると、私を助けてくれた師匠のもとに挨拶に向かう事にした。


助けてくれた事と、挨拶は礼儀よね?


私は部屋を出て外に出ると、そこは広い土地で、前方に見える山を見上げる。


あの山の頂上に師匠がいるのよね?


私は頂上までの階段を登り始めた。


本当に広い土地よね…


私が階段を登っていると前方に盛り上がって喋る男の子達の声が?見ると階段を箒で掃いている三人組がいる事に気付く。


あの三人は確か?


彼らは私がヒュプノス神と戦っている時に、ヒュプノス神の手下の神を撃退した三人よね?神を相手にして勝つなんて…何者なのかしら?やっぱり師匠の弟子?


私が三人に声をかけようとした時、三人は階段を上って来た私に気付いて急に黙り混み黙々と掃除を続け始める。私は話し掛けるタイミングを逃して、そのまま通り過ぎてしまったの。


「何よ?感じ悪い!」


私は機嫌悪くなりながら師匠のいる頂上を目指す。


そして、私は大変な事に気付いて落胆する。


「数えていた階段の数が…また解らなくてなってしまったわ…」


昔、この寺にお世話になっている時に、私は幾度と挑戦したけど最後まで数えきった事がないの…師匠曰く、集中力がないと言うのだけど?違うわ!


雑念や横道に好奇心旺盛なだけよ!


私は肩を落として、階段を上りきろうとした時、その頂上に私くらいの歳の女の子が三人達と同じく箒で掃いていたの?


あの娘も確か?あの三人と同じく神を撃退した女の子よね?私は思い切って話し掛けてみたの!さっきみたいに無視されたり逃げられたりされる前に。


「ねぇ?貴女、昨晩私を助けてくれた娘だよね?」


すると、その娘は私に気付いて箒掃除の手を止めると、私をマジマジと見る?


えっ?何?何?


もしかして睨まれてるの?それとも喧嘩売られた?何で?私、何かした?


すると、その娘は懐から眼鏡を取り出してかけると、再び私を見直す。


って、視力が悪かったのかぃ!


不安を感じて損したじゃないのよ~


でも、その娘は私に気付くなり振り返り、私に気付かないフリをして立ち去り始めたの??


何?何?


私は急いで階段を駆け上がると、彼女を追ったの!


「ちょっと!無視って酷いんじゃない?待ってよ!」


私は彼女に追い付き、肩を掴む。すると彼女は一息をついた後に私に答える。


「ごめんなさい。何て話したら良いか言葉が見付からなかったから、悪く思わないで?」


「えっ?あ、ごめんね?私も突然声をかけたから…」


言い終える前に彼女は私の話も聞かずに立ち去ろうとする。


って、ちょっと!それは酷いんじゃない?



「ちゃんと話くらい聞いてよ?私に何か文句あるの?さっきの三人も私を無視するし、何なのよ!」


「三人に会ったの?」


「階段の途中にいたわよ!」


「貴女に失礼な事をしなかった?」


「したわ!って、あんたもよ!」


「ごめんなさい。彼らには私から注意しとくわ?」


と言って、また立ち去ろうとする。



「だ・か・ら!あんたもよ!失礼でしょ?返事したら、それで良いわけ?」


「それもそうね?悪かったわ…ごめんなさい」


「えっ?まぁ…謝る程の事でもないし…」


「で、私は貴女に何をすれば良いの?」


「何をするって…そういう意味じゃなくて…だからね?もう、意味解らないわ?取り敢えず貴女とお近づきになりたかっただけよ!」


「私と?貴女が?」


「そう。良かったら友達になりたいなって…もう、私が恥ずかしいじゃないの!」


「ごめんなさい」



へっ?


もしかしてフラれたの?



「私は貴女と友達にはなれません。それでは?」


と言って彼女は私の前から去っていったの…


私はショックでそれ以上何も返せないで、固まってしまったの。


ヘコむわ~


私は我にかえると彼女はもう近くにはいなかった。


仕方なく、一人で頂上にある寺に入って行く。



寺と言っても、私の前に見えるのは五重の塔なのよ?何か以前あった塔が崩壊して、三年くらい前に再び建設された新しい寺なの。


私は入口の門に霊気を籠めると開門する。ここは決められた者しか入れない事になっていて、私も昔許可を頂いたわけなの。


そう、ここは特別な場所。日本だけでなく世界中の力有る術者の総本山なのよ!


私は一礼して中に入る。


何年ぶりだろう?


昔、お父さんの紹介で晴明師匠に教えを学び、ここに来て色々な事を学んだ。


絶対に普通の女の子が学ぶような事じゃない。この世界の事から、人外の者達の存在。更に、その災いから身を守るすべを学んだ。



それは私の未来のため…


私は知っているの。


私の未来の行く先の事を…



幼少の私はここに連れて来られた。


ここに来たばかりの時の私は記憶喪失だったらしいの。で、この寺に預けられ、ようやく日常生活を送れるようになったばかりだったの。そんな私が一人与えられた部屋で眠っていると、何か寝付けなくて目が覚めてしまったの。


私は部屋を出て、外に向かう。そこで私は他の部屋から聞こえて来た話し声から悪いと思いつつ何故らか離れる事が出来なかった。


そこには晴明師匠と、誰か別の方が二人で会話をしていたの。


二人は対峙した状態で正座をしていたの。



「僅かな期間で漸くここまで再建出来た。これも全て晴明よ?お前のお陰だ?」


「何を仰有りますか?座主様。私は己に出来る事をしただけです」



座主様?


座主様とは確か、日本を裏で統括している最高責任者で、その権限は世界中の寺院や権利者にも広がっていたの。そもそも日本って小さな国が近隣の大きな国から対等に扱われているのは、この座主様の力が及んでいるからなんだって?


政治や情勢なんかは表の国のトップが動かし、この地球規模の人類の危機から世界中の裏の者達を率いている。その危機とは人類を滅ぼさんとする人外の者達から!それが出来る唯一の集団であり、その統治者なんだって。


座主様すごぃわ…


そもそも何者なのかしら?


幼少の私は、座主様と師匠の会話を外で聞いていたの。その会話の内容が私にとっての人生を変える事になるなんて…



「世界は今正に人類滅亡の危機が迫っている。我々人類の災いとなる者…人外の者達。悪霊や鬼、妖怪に魔物、異界の悪魔達や神までが人類の災いとなろう」


「それに人であって、特殊な力を持った人間までもが災いを招いています」


「能力者の存在か…」


能力者って?



「それにあの日、この地より頭角を失い野放しになった蚩尤鬼神の行方も気になりますね…」


「我々人類の未来は八方塞がりだな?しかし…間に合わせるのだぞ?」


「はい。百輝夜行を!」


百輝夜行とは?


それは安倍晴明師匠が率い集めている、人類の希望たる百人の猛者達。


かつて、この総本山は一度滅ぼされたの。


しかも、魔物達の軍勢によって…


その時、座主様と、この総本山の二本柱とされていた巫女様も襲われたの。


その日、絶望の噂が世界中に広まった。



だけど、


巧妙の光が!


その魔物襲撃にて襲われた座主様と巫女様は奇跡的に生存されていたの。


しかし二人を守護していた四人の明王守護者は全員命を落としたの。それは打撃であったのだけど、二人の生存が人類唯一の希望。


その失った力を補うために安倍晴明師匠が新たな守護者として任に入ったの。


だけどそれだけでは力が不足。


そのために師匠は新たに人材発掘に自らが選抜し、世界中を歩き回ったの。


それが百輝夜行?


すると座主様は拳を握り締め、畳を殴り込み上げる感情をぶつけるようにいったの。



「だが、俺にとってそんな事はどうでも良い!」


「………」


「俺は…アイツを守り抜ければ…運命の日を凌ぐ事が俺の成すべき役目なのだからな!」


「ざ…座主様…」


「やはりあの未来は変わらぬと言うのか?どの予言者も違う未来を探せぬのか?人類の未来を考える俺達が…あの娘の未来すらも変えられないと言うのか?」



…何の話をしてるの?



そして二人の話の内容が何を意味しているのかを知るの…



「俺は…守りたい…世界よりも、あの娘を…法子を!」


えっ?


私の名前?何?私の事を話してるの?



「彼女の運命の時までの猶予は僅か六年…十六歳の誕生日より先の未来が…」


「法子に何が起きるかは解らない。どのような未来が待ち構えていようと俺達が法子を守り抜く!例え絶対なる神が相手であろうともな!そのために俺達は戦っているのだから!」



話の内容は難しくも幼い自分には意味が解らなかったけれど、解った事があったの…



そっかぁ…


私って、十六歳の誕生日になったら…


死んじゃうんだぁ…



それが私の背負った予言。


必ず訪れ待ち構えている絶望って言う未来なの。



突然聞いてしまった幼少の頃の私は耐えきれずに、その場から走り出してしまったの!


私は涙を流しながら寺の中を、目的もなく走り続けたの。


ただ、じっとしていられずに…


そして、辿り着いた場所は神殿のような聖域だったの。そこで私は走り疲れて倒れかけた時に、抱き抱えられるように助けられたの?



「大丈夫ですか?」



それは美しい女性。


まるで天女か女神様のような方でした。


そこに二人の付き人が声をかけて来たの。



「卑弥呼様?その娘は?」


…卑弥呼様?このお姉さんの名前なの?



私は卑弥呼様の顔を見る前に意識を失ったの。




私は再び目覚めると、そこにはお父さんが涙を流しながら私を見守っていたの…


目を覚ました私を、お父さんは抱き締める。


強く!熱く!そして感情が流れ込んで来たの。


深い愛情…


私はお父さんに言った。



「私、どんな未来が待っていようと…絶対に負けないから…」


「!!」


その日より、幼い私は未来を見据えたの。私の未来は私が決めるの!どんな未来が待ち構えていようとも、私が必ず変えて見せるわ!


その日を境に、私は安倍晴明様の下で陰陽師としての修行を始めたのよ。



その日を生き残るために!


そんなこんな。


次回予告


次話、あの気になる話の続編?


※今回の物語は転生記シリーズ・神を導きし救世主の、その後になります。



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