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最後の妖恐の復活!!


三魔王を相手に法子達はどう戦うのか?


そして逸れた仲間達は?


私は法子


私は合流した孫悟空と八戒、沙悟浄と地下城の中を進んでいたの。


「フォンさんと三妖仙、それに百獣王さんとも合流しないとね?少しでも戦力は必要よ!それにフォンさんはまだ傷が癒えてないと思うし心配だわ」


「獅駝王は心配ないぜ?アイツは殺しても死なないからな」


「沙悟浄?フォンさんの気は探れそう?」


「フォンさんの気が弱まっている事と、魔王達の気が充満して見分け出来ないです。三妖仙達なら見つけ出せるかもしれません」


「そうなんだ。だったら三妖仙達を先に探さないといけないわね」


「だったら、何とかなるらよ?妖気は探れないらけど、怪我した奴等の血の匂いなら嗅ぎ分けられるらよ」


「本当に?初めて役にたったんじゃない?あんた?」


「ショックらぁ~」


私達は八戒を先頭にして先を急いだの。とにかく今は八戒の嗅覚が頼りだしね。


「それにしても百獣王さんに似た魔王の正体は何者なんでしょうね?瓜二つで双子と見間違うほどですからね~」


沙悟浄の疑問に孫悟空が答えたの。


「あんな化け物馬鹿が二人もいて、たまるか!兄弟もいるなんて聞いた事ないし、あの馬鹿げた強さは本人その者だった。奴の強さは義兄弟の俺様がよく知ってるから間違いない」


「化け物過ぎるらよ!」


八戒は二度と遭遇したくないとビビっていた。


「それに大鵬金翅鳥も気にかかる。奴は過去に死んだ鵬獄魔王の肉体を奪って力を手にいれたと言っていたが、三百年も前に死んだ肉体が今も残ってるはずがない」


「保存していたとかは?」


「鵬魔の一族は不死でしたよね?だったら肉体は滅びなかった可能性もあるんじゃ?」


「いや、不死の一族でも魂が消滅すれば肉体も滅びる。鵬獄魔王は間違いなく死んだし、肉体も消滅したはずだ!間違いない!」


私と沙悟浄の問いに孫悟空は自信持って返答する。


「それに…」


「それに?」


孫悟空は最後に現れた魔王の存在を懸念していたの。


「あの妖気はどちらかと言えば恐気に近かった。しかしまさかな…」


「恐気?恐気って何?」


恐気とは妖怪とは違う進化を遂げた化け物の持つ破壊的な気の事らしいの。


「お前達も知ってるだろ?以前、感じたもんな?」


「えっ?」


それは白骨乙女さんを守護する恐竜の姿をした化け物の持つ特殊な気だった。


「あれね!確かに厄介だったよね。まさかあんな化け物がまだ残ってるの?」


「う~ん?他の妖恐は前世で全滅させたはずなんだが…わからん!」


「まぁ、今考えても拉致あかないわよね?だったら無駄よ!とにかく奴等を倒す策を一番に考えましょ?」


私達は考えたけど、あの三体の魔王を倒す策は一向に浮かばなかった。


「仕方ない。なるようになるしかないわね」


私達はどんだけ考えても解決法が浮かばないから諦めたの。って、あの馬鹿げた強さを目の当たりにしたら策なんて浮かばないったら!マジに!


「…でも本家百獣王さんの存在は大きいですよ!孫悟空兄貴とのタッグで撃破出来ませんか?」


「けど、相手は三体らぞ?もう一体を引き離さないとらめらよな?」


私達は「う~ん」と悩み込む。

本来なら私達が囮になるべきだけど命懸けよね?やっぱり?


「良いわ?私達が囮になるから、孫悟空!命令よ?あの鳥野郎を倒してきなさい!そして直ぐに戻って来て私達を守りなさい!」


「任せろ!奴は俺様が今度こそぶっ倒してやるぜ!法子の事は任せるぜ?」


「オゥラ!」

「はい!」


八戒と沙悟浄も真剣な顔で答える。


私達は八戒の後を付いて行きながら地下城の通路を進んでいた。この先には味方がいるのか?それとも敵が待ち構えているか?


「あっ?」


私達の前には道が二つに分かれていたの。すると沙悟浄が何かを感じて私に報告する。


「皆さん!左の通路から薬の匂いがします」


「薬?そうね…フォンさんの身体のために薬をくすねても文句言われないわよね?」


私達は薬剤庫へと進路を変えたの。


「沙悟浄は薬には敏感だからな?」


「はい!東西南北の地の薬草から天界の薬草まで全て把握してます~」


たまに思うのだけど沙悟浄ってドジなだけで、実は知能指数高いんじゃないかしら?少しでも役に立つなら必要な才能だわ!


私達は沙悟浄の案内で通路の奥にあった部屋を見付けたの。大きな扉があって孫悟空と八戒に開けさせる。


「ここに薬あるの?」


「そのようですが…これは一体??」


その部屋には薬草だけでなく奇妙な霊薬が置かれていたの。更に難しい文字で書かれた巻物に、霊石。


「何かの研究実験?」


石板に描かれた絵からそんな感じがしたの。それを見た孫悟空が気付く。


「これは錬魂魔王の研究じゃねぇか?」


「錬魂魔王って白骨乙女さんの守護霊さん?」


「あぁ。まさか奴が絡んでいるのか?」


「でも改心したのよね?私には悪い人には見えませんでしたよ?少なくとも白骨乙女さんと一緒にいた二人は幸せそうで悪い事を企むようには…」


孫悟空は積み上げられた巻物を見て、間違いなく錬体魔王の資料でないと確信した後に改めて回答する。


「多分だが、ここにあるのは数百年前に錬体魔王が残した資料で間違いないだろう」


「なら錬体魔王さんが?」


「いや、別の誰かが錬体魔王の残した遺産に加えた形跡がある。しかも錬体魔王がやり残した事を完成させた奴がいたみたいだ!」


「どういう事?」


孫悟空が説明するには錬体魔王の実験とは、死者を甦らす禁術だったの。それは失った家族を再び甦らすためと一概に責めにくい理由だった。しかしそれは叶わなかった。


やがて叶わぬ実験に絶望した錬体魔王は村人を拉致しては人体実験で鬼人を作ったり、最強の化け物を太古の骨より特殊な妖気液で培養させて「妖恐」を生み出したの。


「何となく整理出来たぞ!何者かが錬体魔王の遺産を使って、過去に死んだ鵬獄魔王の肉体を再生させて、新たな妖恐を生み出したに違いねぇ!」


「でも獅駝王さんは?」


沙悟浄の問いに悩む孫悟空に私は未来の知識から答えたの。


「複製じゃないかしら?」


「複製?」


「そうよ。死者の肉体を再生させて作り出すのではなくて、生きている者と同じ存在を作り出したって有り得る話じゃない?」


全くもって映画か漫画の世界よね?本当にこの世界でそんな未来妄想話を現実に出来るのかしら?


「現れた奴等を目の当たりにしたら、有り得ない話じゃないかもな。とにかくぶっ倒す事にはかわりないぜ!」


「そうね」


新世代の三魔王の正体、取り敢えず謎解きは終わったわ。つまり奴等は全員、作り出された化け物ってわけよね!


私達は必要そうな薬を沙悟浄に選別させ、再び三妖仙のいる道へと向かったの。


「不味いらよ…」


八戒が足を止めると私達に止まるように警戒させる。


「どうしたの?」


「三妖仙の匂いの先に別の誰かが近付いているら。この匂いは…最後に現れた魔王らと思うら!」


「このまま見て見ぬふりは出来ないわ!最後に現れた魔王がどんな奴か分からないけど、とにかく倒さないといけないなら早いか遅いかよ!」


私達は三妖仙と謎の魔王が近付く方向へと急ぎ足で向かう。


「やっぱり恐竜みたいな奴なのかしら?」


「わからねぇ…過去の妖恐には頑丈な奴や飛ぶ奴、とにかく狂暴な連中で、蜥蜴みたいな連中ばかりだったのは覚えてる」


私達は広い場所に出ると既に三妖仙が何者かと戦っていたの。


「法子殿!」


現れた私達に危機的状況だった三妖仙達が気付く。


「待たせたわね!」


私を残して孫悟空と八戒、沙悟浄が飛び出して魔王に攻撃を仕掛ける。


「如意棒ぉー!」


「肉体強化・拳!」


「爆発術札!」


孫悟空の如意棒と八戒の拳が同時に直撃するが、ビクともしない?直ぐ様孫悟空と八戒、三妖仙達が散るように離れると沙悟浄が爆発術札を投げて爆発させた。

私達は警戒しながら様子を見ると、爆発の中から最後の魔王がやはり微動だにしないで立っていた。すると孫悟空を見て口を開く。


「オマエ、美猴王だな?」


「今は孫悟空と名乗っているが、美猴王は昔の名前だ!俺様を知ってるのか?」


「私はオマエ、コロスために存在する。そしてオマエの仲間もコロス。それが私が生まれた理由」


「つまり俺様に用があるんだろ?だったら仲間には手を出すな!」


「オマエに関わった全てをコロス。変わらぬ」


「そうか、なら俺様がお前をぶっ倒せば問題ない。その前にお前は何者だ?」


「私か?ワタシは…」


すると魔王の身体から恐気が噴き出す!間違いなく妖恐と呼ばれる太古の化け物に間違いないわね。妖恐は恐竜の姿に変化するって話だけど、どんな化け物になるのかしら?


「グヌゥフゥオオオオ!」


恐気が部屋中を震わせると私達は立っていられずに膝をつく。先の地震もこいつの仕業だったのね?


「見てください!」


私達の目の前で恐気を纏い姿を変えていく化け物は、着ていた衣を破るように筋肉が盛り上がり、白い体毛が覆う。また特長的に鋭い牙が顔面から二本と鼻が長く伸びたの。


「あれは象?ち、違うわ…恐らく、あれは私も初めて見るけどマンモスだわ!マンモス!!」


妖恐の魔王は太古のマンモスの化け物なの?


「ワタシ、黄牙白象と申す。美猴王並びにその関わりある者達、分け隔てなく土と返そう!」


突如、放たれた覇気が私達を吹き飛ばす中で、孫悟空だけが立ち構えていたの。


「てめぇ!お前の相手は俺様だ!俺様を倒すまで他の連中に手を出すな!」


孫悟空もまた気合いの覇気を放って黄牙白象の覇気を消し去ったの。


「フゥオオオオオ!」


孫悟空は特攻すると雷の如く黄牙白象に攻撃を繰り出す。連続攻撃は止む事なく黄牙白象に命中するけれど、傷一つ付かないでいた。しかし孫悟空もまた無謀な攻撃を繰り出しているだけじゃなかったの。


「これが私が倒すべき美猴王なのか?弱い弱い弱い弱い弱い弱い弱いわぁー!」


振り回す象鼻を孫悟空に向けると、孫悟空は黄牙白象の象鼻を登って顔面を蹴る!よろめいた黄牙白象

に、着地した孫悟空は妖気を拳に籠めると石化する。


「砕けろ、華王石拳!」


孫悟空の拳が黄牙白象の腹部に直撃すると、爆発したかのように破裂したの。


「ぐぬぅ…」


膝をつく黄牙白象だったけれど直ぐに立ち上がる。見ると傷付いた腹部が再生されていく。何て再生力なの?あの獅子の魔王と同じ?


「やはり白虎変化で戦うしかないようだな?直ぐに片付けてやるぞ!」


印を結び再び白虎変化する孫悟空は白虎の鎧を身に纏うと、振りだす拳から雷の爪が伸びる。


「俺様の前に跪け!」



孫悟空と黄牙白象のバトルに私達はただ見てるしかなかったの。でも、いつでも加勢するからね!孫悟空、頑張ってよ?


そんなこんな。




次回予告


孫悟空と黄牙白象の一騎打ち!


男を見せて戦え!


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