真っ暗闇の優しい孫悟空?
フォンの成長も空しく敗れ去り、
孫悟空が絶対絶命の最中に登場する。
私は法子
フォンさんが私達を守るために決死の戦いを魔王と繰り広げる。しかし、魔王の力は遥かに化け物じみていたの。
一発で神格化したフォンさんを倒し、私はフォンさんを守るために飛び出したの。何とか魔王を得意の合気で倒したけれど、直ぐに起き上がって来ると思うわ!
私達は魔王の追撃に警戒した直後、天井が砕けて火炎放射が私達と魔王を分けるように壁を作ったの。
「うぉおおおお!」
それは残して来た孫悟空だったの。私達に合流した孫悟空に私は聞く。
「上の魔王は倒して来たの?」
「ん?」
すると天井から強烈な妖気を纏う大鵬金翅鳥が、この戦場へと降りて来たの?
「倒したわけじゃない。場所を代えて来ただけだ」
「見れば分かるわよ」
とにかく戦う強敵が二人になったわけよね?孫悟空が戻って来たからってどうにかなるってもんじゃ?
大鵬金翅鳥が私達が戦っていたいた獅子の魔王の隣に降りると、
「私にまで襲ってこないでくださいよね?貴方は見境ないのだから」
「グルル…」
二人の覇気が私達に向けられて足がすくむ。
「俺様が二人まとめて倒してやるぜ!」
「あんただって分かってるでしょ?力量考えなさいよ!」
「うっ…うむ。流石に今日は体調が宜しくないから二人相手はキツイかな」
「素直じゃないわね?とにかく全員でカバーしながら戦うわよ!」
「我々も及ばずながら」
そこに三妖仙も再び戦いに参戦する。沙悟浄はフォンさんの治癒でいっぱいだから、残るは八戒よね?
「お、オラは…何をしたら良いらか?」
「ちょっと静かにしていてちょうだい?作戦たてないといけないから」
「お、オラは…な、何でもないら…」
ショックを受けてる八戒は放って置いて、とにかく孫悟空を上手く使って私達が術でカバーするしかないわよね。
「ならば我々が三妖仙が炎の魔王を相手致します。時間稼ぎにしかなりませんがね」
「頼むわ」
「なら、俺様があの馬鹿の相手をすれば良いんだな」
そう言えば知り合いとか言ってたわよね?
孫悟空はの獅子の魔王に中指を立てて喧嘩売る。
「お前を相手にするなら朱雀変化は相性が悪いな?だったら見せてやるぜ!」
孫悟空は印を結び新たな変化を見せたの。
「聖獣変化唯我独尊・白虎!」
孫悟空の朱雀変化が解けるとヒヨコが抜け出して、今度は白気の子猫が飛び出したの。そして閃光が孫悟空の身を包んだ後、雷を纏った白虎の鎧を身に纏った孫悟空が姿を現す。
直後、飛び出して来たの獅子の魔王に合わせるように白虎変化した孫悟空が激突する。
「この俺を無視するなぁー!」
そこに金翅鳥が孫悟空に襲い掛かろうとするが眼前に弾丸が飛んで来て邪魔をしたの。それは私が弾いた数珠魔弾!更に三妖仙が囲んでいたの。
「今こそ我々の奥義を見せる時だ!」
「風雲雷雨を呼ぶ五雷法の術」
三妖仙達が仙術の印を結び奥義を発動させたの。
土・火・水・風・雷の術を同時発動させて攻撃をする三妖仙の最大奥義。本来一人持つ属性は一つだけど、近い属性の術なら半減ながらも使える。三人は得意不得意の属性をカバーする事で五行の属性を全て
使う合体技なの。
「己れ!雑魚がぁー!」
しかし三妖仙の奥義は大鵬金翅鳥の動きを止める力を持っていた。この三妖仙は雑魚だと思っていたけど、この地上界では指折りの大妖仙だったの。
「私達も戦うわよ!」
「オゥラ!」
私は金の錫杖を手にすると、八戒も拳を巨大化させて同時に攻撃を仕掛ける。
とにかく要は孫悟空が頼り。孫悟空が獅子の魔王を倒すまで私達で大鵬金翅鳥を足止めするのよ!
しかし孫悟空もまた獅子の魔王との激闘の中で苦戦していたの。
「お前、獅駝王だろ?俺様を忘れたのかぁ?こらぁ!また誰かに洗脳でもされたんと違うか?この馬鹿野郎がぁー!」
白虎と獅子の獣神バトル!
孫悟空の雷を纏った打撃が獅子の魔王の身体に直撃するが、フォンさんの攻撃をくらった時と同じく再生して構わずに攻撃して来る。
「あんまり時間ねぇからよ?少し眠っていて貰うぜ?お前頑丈だから死なねぇしな!」
孫悟空は神気を籠めると手の甲から雷の爪が出現し、獅子の魔王に向かって神速の如きスピードで間合いに入り、雷爪で無数に切り裂き続ける!
獅子の魔王は再生しながら孫悟空に攻撃を繰り出そうとするが、その再生力を上回る孫悟空の猛攻撃が許さなかったの。
「うぉおおおおおお!」
流石に動きが止まり始めるの獅子の魔王に、孫悟空はトドメを刺そうとする。
「死なずに眠れ!白虎・雷獣激!」
神雷が獅子の魔王の頭上に直撃して床に倒れる。
「ふわぁ~手こずらせやがって~次は大鵬金翅鳥だな?」
孫悟空が私達が戦っている大鵬金翅鳥に視線を向けた時、同時に私達が大鵬金翅鳥の覇気に吹き飛ばされた所だったの。
「今、助けにいくからな!」
孫悟空が向かおうとしたその時、背後から殺気が向けられ全身が凍り付く。
「!!」
振り返る前に孫悟空は飛び退くと、獅子の魔王が孫悟空のいた場所を殴りつけて床が陥没したの。
「しぶとい!」
が、立て続けに迫る追撃が孫悟空を押し退け、顔面を掴みながら壁に押し付けたの。
「グラァアア!」
獅子の爪が身動き出来ない孫悟空の額に迫る!
「孫悟空ぅー!」
私は孫悟空の危機に身動き出来ないでいた。
今術を解いたら今度は大鵬金翅鳥が私達に襲い掛かって来る。
どうしたら?
その時、突然孫悟空を押し付けている壁に亀裂が入ったの?すると反対側から孫悟空と獅子の魔王を吹き飛ばすかのように壁が吹き飛んだの?
「な、何?今度は何?」
「しかし今ので猿の奴は命拾いしたらよ?」
「そうね」
私達は身動き取れない状態で、爆発の起きた原因に意識が向かう。何故なら魔王は確か三人いたはずよね?もし最後の魔王が現れたなら、私達はもう戦うのは勿論、逃げる事も叶わない。
すると砂ぼこり舞う砕け散った壁側から人影が見えたの。しかも、とてつもなく強大な妖気を感じるの…
嘘、嘘と言って欲しいわ!この状況で私達にどう抗えと言うのよ?
と、集中力が欠けた私達に更に危機が迫る!私達の結界が大鵬金翅鳥の起こす灼熱の炎で消滅したのよ!
「きゃあああ!」
私達も勢いよく床に倒れると、自由になった大鵬金翅鳥が私達を見下ろしていたの。
「雑魚が調子に乗りやがって、跡形残さずに消し炭にしてやるぞ!」
前方に大鵬金翅鳥、更に後方から新たな脅威、そして倒れていた獅子の魔王も立ち上がる。
もう嫌ぁあああ!
絶体絶命の中、魔王は同時に私達に向かって来たの!
「うっ!」
流石になすすべなく、無防備に殺されるかと覚悟した時、予想だにしない事が起きたのよ。それは新たに現れた脅威が、獅子の魔王に襲い掛かって顔面を掴み、大鵬金翅鳥に向かって投げ付けたの??
「なぁ?何?何?何?」
私はもう状況掴めないで涙を流しながらパニクる。
すると三妖仙が口を開けて呟いたの?
「我が主…」
えっ?三妖仙の主って?
更に起き上がった孫悟空も現れた脅威に向かって叫んだの。
「獅駝王ぅー!!」
獅駝王って、孫悟空の義兄弟で、三妖仙の主よね?でも、それは今まで孫悟空が戦っていた奴じゃないの?
新たに新たに現れた方の獅駝王は、顔に袋を被っていたの?あれ?あの袋は湖で出会った奴と同じ?その獅駝王が孫悟空に向かって叫び返す。
「違う、俺俺の名は百獣王!最強の俺俺だぞ!お前は誰だぞ?」
「そのオレオレは間違いなく獅駝王に間違いないな?俺様は孫悟空!いや、昔にお前と義兄弟の契りを交わした美猴王様だ!忘れたか?義兄弟!」
「何?美猴王?誰だ?知らんぞ?そんな奴?」
「お前、マジに忘れたのかぁ?一緒に地上界、天上界を暴れたろ?」
「ん?おぉ?おぉ?何となく思い出したぞ!お前、美猴王兄貴か?マジに?」
「何となくかよ…」
「生きてたんだな?兄貴?あはは!良かったな?」
「それより…この状況は何なんだよ?」
すると思い出したかのように獅駝王…本人いわく百獣王が荒ぶり出す。
「そいつ達に用があるぞ!俺俺に喧嘩売った、そいつ達をぶん殴りに来たんだったぞ!」
つまり?
百獣王は私達の味方なわけなの?もしかしたら天の助けなの?
孫悟空が割り込むように百獣王に質問する。
「それより、あの野郎は何者だ?お前そっくりじゃないか?てか、そのまんまの強さだぞ?まさか兄弟とかか?」
あの魔王の正体が今、明かされようとしていたの。
「わからんぞ!」
あ、わからないみたい。
「とにかく殴って倒す!そのために来たぞ!」
突然現れた百獣王に対して二人の魔王も警戒していたの。二人は百獣王の事を知っていた。
その強さも!
「邪魔者が現れたようだな?かつての伝説の魔王が二人も揃い踏みしたのか?ならば俺達も本気を出して相手をしてやろう。この新世代の大魔王が過去の古びた伝説に幕を閉じてやろう」
大鵬金翅鳥と獅子の持王に対峙し、
孫悟空は百獣王の隣に並び立つと、
「久しぶりに暴れる準備は良いか?獅駝王?」
「俺俺、百獣王だぞ?いい加減名前覚えろ?兄貴!」
今、新旧大魔王対決が始まろうとしていたの。
だけど、またまた予想だにしない出来事が起きようとしていたの。突然、立っていられないくらいの地震が地下城を揺らしたの。
「今度は何よぉおお??」
私達は膝を付くなり、またまた感じたの。とてつもない妖気が私達に向かって迫って来ている事に!?
それは床下から?更に地下にいる何者かの発した馬鹿げた妖気が足下を揺らして崩れさせたの。
えっ?
きゃあああああああ!
突然、私達の足下が砕け散って、またまた地下に向かって落下する。
どれくらい経ったのか?私は暗闇の中にいたの?
どうやら私、生きていたようね?怪我は…ないみたいね?床下に落下して気を失っていたから着地出来ずに足の骨を折ってしまう心配あったけど、我ながら運が良かったみたいね?
私は暗闇の中で仲間がいないか手探りで呼んでみる。
「誰かぁ?誰かいないの?近くにいたら声を出して!」
私の呼び掛けは静寂の中に消えた。
「法子、大丈夫?」
えっ?今のは?誰かがいるのが分かる。けど聞いた事のない声だったの?でも私の事を知ってるみたい?名前を知ってるしね。
「誰?」
私は気を少しだけ指先に集中させると微かに明るくなって、視線の先に確かに誰かがいたの。
私は目を凝らして見てみると、その人物は?
「孫悟空?」
確かに孫悟空の顔だったの。けれど、あれ?何か雰囲気が違うように感じる?気のせいかしら?
「怪我はないようだね?大丈夫。他の皆の気を探ったけど無事にいるみたいだよ?」
「あ、そうなの?だったら直ぐに合流しないとね?孫悟空も怪我とかない?」
「有難う。僕は大丈夫。それより法子が無事で安心したよ」
あれ?何かいつもより優しくない?いや、いつもなら優しくない!軽口と乱暴な台詞で私を怒らせるし!それに口調も違うし、でも目の前にいれのは確かに孫悟空よね?頭でも打ったのかしら?
「どうやら八戒と沙悟浄が法子の気に気づいて、こちらに向かっているみたいだ」
「二人も無事なのね?」
「うん。そろそろ時間だ。目覚めるみたいだから代わるよ…でも安心して?法子に何かあれば必ず僕が守るから…」
えっ?
今の台詞にドキッとした私は再び孫悟空を見ると、
「イテテ…何だよ?頭打ったぞ~くそ!何が起きたんだ?この俺様に不意打ちとは許せん!」
「孫悟空?」
突然豹変した孫悟空に呼び掛けると、
「ん?法子、いたんか?」
「何なの??さっきまで会話してたじゃない?何を寝惚けてるのよ?」
「お前、頭でも打ったと違うか?顔でも洗って起きろよ!」
「ムカッ!」
取り敢えず孫悟空の頭を殴ると、意味が分からないで孫悟空は頭を擦っていたの。そこに八戒と沙悟浄が合流したの。
そんなこんな
次回予告
獅駝王が二人?三魔王揃い踏み?
何がどうなって、どうなるの?




