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隔世異伝・転生記~神を導きし救世主~  作者: 河童王子
女子高生救世主編!
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女子高生の実況??物語の転生者?


ヒュプノス神の力を消した法子の覚醒した力?


しかし、そこで力尽いた法子の前に現れたのは?


私は法子…


あぁ…


私は目の前で太子君をヒュプノス神に殺され、怒りが爆発したの!


私の力はヒュプノス神の力を打ち消したのだけど、私は急激な力の解放で力尽きて倒れてしまったのよ。


絶対絶命の迫るヒュプノス神の魔手だったけれど、そこに助けが入ったの?


それは私の陰陽師の師匠!


安倍晴明さん!


安倍晴明さんは、その名の如く、あの過去に実在した安倍晴明の生まれ変わり…つまり転生者で、太子君が聖徳太子の転生者だってのもそれがあってこそ直ぐに理解力があったわけ。


更に私を幼い時から陰陽師の術を教えてくれた師匠なのよ!


でも、このタイミングで師匠が現れるなんて?


私は視界がボヤけた状態で耳に入って来る状況を聞いていたの。



ヒュプノス神は現れた師匠に対して攻撃の手を止めていた。


いや?違うわね?攻撃が出来ないでいたの!


晴明師匠の放つ威圧感に!?


「お前は本当に人間か?」


ヒュプノスの淡々とした問いに師匠は答える。


「どうですかね?貴方、神に対しては私は弱い人間側の者である事には変わりありませんが?」


「その人間が神である私の邪魔をするつもりか?」


「その通りです。その娘は私の弟子でしてね?手を出される訳にはいきません。それが例え神を相手にしてでも!」



その直後、二人を中心に火花が散り覇気がぶつかり合う。


次第に大地を震撼させ壁にヒビが走る。


「私の目的はその娘を始末する事だ。邪魔をするのであれば、この土地一帯を消滅させる事も容易いのだぞ?それとも、その娘と引き換えに巻き沿いを望むか?」


それは脅しでもなく、恐らく返答次第で次の瞬間には、この一帯は本当に消滅してしまうと思う。


そして返答は?


「残念ですが、貴方にそれは出来ません。いえ?させません!」


「お前がか?」


その瞬間、突然周りに人影と気配が幾つも感じたの?


「いえ!私と、この…」


『百輝夜行が!』



ヒュプノス神を囲むように大勢の…実際には百人の猛者が現れたの!


一人一人から強い力を感じるわ?


百輝夜行って何?師匠は確かに並外れた陰陽師だけど、この組織は一体?



「ヒュプノス様?こんな人間の有象無象なんか消しちゃいましょうよ?」


「そうですね!我々神を前に足掻く人間がどれだけ無力か思い知らせなければ?」


「私達が片付けます。良いですよね?」



ヒュプノス神の背後の空間より、新たに三人の神が姿を現したの?


って、まだ仲間がいたなんて?


ソイツ達はヒュプノス神に従える神。


確かギリシャ神話だとヒュプノスの配下の三神と言えば、モルペウスにポベトール、パンタソスだったかな?豆知識。確かギリシャ神話の本で見たような?


新たな神四体に対し師匠は瞼を綴じると、今度は師匠の前に三人の人影が前に現れたのよ?



「ようやく初仕事だな?」


「うん」


「俺達の力を見せてやろうぜ?」



三人は神に対して怯む事もなく、意気揚々と前に出たの?って、神様相手に何でそんなに余裕なのよ?


最初に動いたのはポベトール神だったの。


突如目の前に悪魔のような獣へと変化し、襲って来たの!



「頭から喰らってやる!」


対して飛び出したのは、日本刀を持ったアロハシャツの少年。


「俺が相手になってやるぜー!!」


襲い掛かる化け物を素早く上空へと飛び上がり躱すと、日本刀を構えて落下しながら斬りかかる。




次にパンタソス神が両手を広げると、幾つもの四角いキューブが出現し宙に浮かすと、もう一人の少年に向かって飛ばす。


「潰れてしまいなさい?」


キューブは少年を上空から押し潰す。その重さは見た目以上に強度で重量があるのは地面の陥没具合で解る。呆気ない最期かと思われた瞬間、キューブが少年が潰された箇所から粉々になって粉砕したの?


「全然足りないぞ?もっと来いよ?」


「何だと!」


挑発したのはおかっぱ頭の少年。見た目は普通の体格なのに、物凄い力持ちと破壊力だわ!




最後に動いたのはモルペウスだった。モルペウスはまるで分身の如く数を増やしていく。しかも人種性別関係なく色々な顔をした一般人に姿を変えたの?


「本体を見破れまい?」


その相手をするのは細身の刀を持つ野球帽を被った少年。


「いく」


少年は襲い掛かる人間達の攻撃を紙一重で躱す。まるで能のような足捌きは全く無駄がなかったの?



この三人は一体?


そして、その最初の一人が自らを名乗り、何者かを告げたのよ!?



「俺は桃井剣太郎!」


『桃太郎の転生者だ!!』


へっ?


私は耳を疑った…今、何て?桃太郎がどうしたって?桃太郎って、あの桃から生まれた?あれ?


百歩引いて転生者は信じるわ?


安倍晴明師匠や聖徳太子さんがいたのだから…


だけど桃太郎はないでしょ?ツッコミ所しかないわ!




更に、怪力の少年が名乗り出したの?


「俺は金丸 剛!」


『金太郎の転生者だよ!』



……えっと、待ってよ?金太郎は確か坂田金時さんって方がモチーフになっていたんだよね?だから有りって言えば有りだけど…


冗談よね?


最後に、帽子を被った彼が静かに名乗る。



「一瀬 明希…」


『一寸ぼうしの転生者…』


うん。背が人並みね?あれ?物語では最後に背が伸びたから良いのかな?



…うん。良かないわよ!?


何なの?この勘違い三人組は??


だけど、その実力は本物だったの。パンタソスが上空にトラックくらいのクリスタルを出現させると、金太郎の転生者と名乗った金丸君に向かって落下させる。


「先程の十倍の硬度だぞ?今度は砕く事も出来まい?さぁ、潰れてしまえ!」


落下して来る水晶に対して金丸君は何を思ったのか?自らの指に傷を付けると血が垂れる?


何をとち狂ったの?


だけど、垂れたはずの金丸君の血が異様な動きを見せて、その形が大きな鉞(大斧)に変わったの?


えっ?血が武器に?


「さて?一刀両断にしてやるぞ?発揮良い…」


『のこったー!!』



その鉞から繰り出された一刀は落下して来たクリスタルを両断し、パンタソスの神気をも消し去り吹き飛ばしたの!!何て破壊力なの??



モルペウスは仲間の敗北に驚きを隠せなかった。


そして、その怒りを一瀬君に向けたの。


一般人の姿をした分身が一瀬君に包丁や鋏を使って一斉に襲い掛かる。


「さぁ?攻撃してみたらどうだ?ただし、その者達が幻術か何かだと良いな?」


えっ?つまり本物の人間が操られて混ざっているって事?それとも嘘なの?迷わせるためて攻撃させないようにするため?


すると一瀬君は刀を鞘に納め瞼を綴じたの?



「往生際が良いな?なら苦しまないように始末してやるぞ?」


だけど一瀬君は指先に傷を付けると、血が日本刀の鞘へと刀を伝って入っていたの?


「一瞬、一撃、一気抜刀!」


抜刀によって抜かれた剣は剣風となって分身達を消し去り、その剣はモルペウスの身体を真っ二つにしたの!


「アッガ!」


一瀬君は分身達の攻撃を全て躱しながら、既に本体を見破っていたの!


二人の仲間を倒され、地獄の魔獣と化したポベトールが牙を剥き桃井君に襲い掛かると、


「俺は強いぞ?」


桃井君もまた両手に爪を立てると服を脱ぎ去る。その肩には熊の爪で抉られたような傷痕があり、その傷痕に爪を突き刺し出血して全身に血がふりかかったの?


「見せてやるぜ?三獣鬼の変化を!!」


桃井君の筋肉が盛り上がり姿が変わっていく?まるで化け物のようなその姿は獣を纏った鬼の姿だったの?背に翼、胸から犬の頭、頭部には本体の頭とは別に猿の頭が融合し、額には角が生えていたの?



「醜いか?醜いだろ?俺もそう思うぜ?だが、俺は目的と誓いのために、この力を使うんだ!」



化け物と化した桃井君は襲って来た同じく地獄獣と化したポベトールの頭と顎を掴み受け止めると、力任せに引き裂いたの!!



神を前にして圧倒的な力を見せた自称物語の転生者三人組は自慢気にしてみせたの。そこに、女の子の声が三人を叱る?


「あんた達!調子に乗ってると怪我するわよ?」



その直後、三人の足下から硬質の鎖が伸びて来て三人の身体に絡み付き拘束したの?三人は身動きが出来なくなって慌て始める。


「何だよ?これは?」


それは金丸君に吹き飛ばされたパンタソスだった。虫けらと侮り傷を負わされたパンタソスは頭に血がのぼっていたの!


「バカめ!油断したな?そのまま締め付け、両断してやるぞ!虫けらぁああ!」



だけど、パンタソスの動きが止まり動けなくなる?


「何だ?俺の身体まで動かないぞ?」


そこに先程の声の女の子が音もなくパンタソスの背後に現れ、術札を貼り付けると、一瞬で距離を取る?


「ナァー?」


直後、爆発したパンタソスは重症を負うけど、次第に身体が治癒し始める。


「流石に神を相手に並の術では対抗出来ないわね」


だけど、その手には既にライフルが握られていたの?しかも、彼女の指先から出血した血が形を成して構成された!?


「終わりです」


彼女の指先がライフルの引き金にかかると躊躇なくライフルが発射されたの!


ライフルから放たれた弾丸はパンタソスに向かって行くけど、パンタソスは余裕を見せる?


「そんな玩具で神を殺せると思うなよ!」


「玩具じゃないわ」


その時、弾丸がパンタソスの直前で弾けて、弾丸が真っ赤な狼に姿を変えたの!?


「…えっ?」


直後、狼はパンタソスを飲み込んだ。


それは一瞬の圧倒的な勝負だった。他の三人もパンタソスの術から解放されて彼女に近付く。



「油断していたら死ぬわよ?もっと気を引き締めなさい!」


彼女の言葉に三人は言い返せずに、拗ねていた。



この娘は誰?


そして、最後に残ったヒュプノス神に晴明師匠がもう一度問う。


「これで貴方を守る者はいませんが、どういたしますか?」



ヒュプノス神は配下を倒されたにも関わらず、冷静に答える。



「面白い玩具を抱えているな?人間よ?その者達は人間ではあるまい?」


「彼らは人間で、玩具でも有りません。私達の大切な同志です」


「まぁ、良い…面白い余興を見せて貰った。今宵はこのまま引き下がってやろう」


「残念ですが、貴方をこのまま放置は出来ません。私達に同行していただけませんか?力ずくは礼儀に反しますが、要望とあれば?」


「人間風情が調子に乗ると怪我をするぞ?だが、私も暇ではない…」


「!!」



ヒュプノス神の姿が幻影のように姿が消え、その場から気配すら無くなったの?


「どうやら本体ではなかったようですね…」



えっ?嘘?あのヒュプノス神は本体じゃなかったの?あんなにリアルな存在感で私達を圧迫していたのに??有り得ないわ??



と、そこで私は実況を止めて意識を失ったの。


私を抱き抱える晴明師匠の胸の中で、私は悪夢じゃない夢を久しぶりに見たのでした。




そんなこんな。





えっ?


終わらない?



「神に抗う力を人間が手にしていた事を知れたのは大きな収穫。それに…ついに見付けたぞ?」


『神を導く救世主』



一人闇の中にいるヒュプノス神の背後に気配が現れる?


それは倒され死んだはずの三神だったの。



「しかしヒュプノス様?どうしてあの人間達を皆殺しにしなかったのですか?ヒュプノス様なら一人で出来たはずなのでは?」


「だけど、あのリーダー格の陰陽師からは人間とは思えぬ力を感じていた…それに我らの分身体を倒した連中も人間とは思えぬ」


「だが、ヒュプノス様が本来の力をお出しさえすれば!!」



その時、ヒュプノス神が三人に告げる。


「気付かなかったのか?あの場にいなかったが、離れた場所より、この私に殺意の覇気を放ち続けていた者の存在を?」


「そのような者が?」


「仮に私があの娘に対して本気で動いていたら、恐らくその瞬間私の前に現れていただろう。その力を探ったが私と同等…仮に倒せたとしても、他の人間達の手にかかっていただろう」


「ヒュプノス様にそんな?そのような人間が?」


「いや、人間ではあるまい。異界の神…」



ヒュプノス神を足止めした者は、金色の髪を靡かせたエメラルドグリーンの瞳をした若者。その瞳は離れた場所の少女…私に向けられていたの。


次回予告


法子が目覚めた場所は?


法子には隠された秘密があった。


幼少時に知った自らの運命、それは・・・

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