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湖でドキッ?危険な相手!?


三魔王討伐隊に参加した法子一行に


若い高僧フォンが加わる。


魔王退治はどうなる?


私は法子!


私達魔王討伐隊の本拠地に、休憩を取っていたタイミングで何処からともなく現れた化け物の襲撃にあったの。私と孫悟空、八戒に沙悟浄、それにフォンさんは化け物達から救いだそうと飛び込んだの。


「沙悟浄!あんたは怪我をした人の手当てを!八戒は右の連中、孫悟空は全面の奴等!フォンさんは出前の連中。私は左の連中を任されたわ」


素早い指図に全員が散って化け物の相手をする。


「あの方に似て的確で素早い指示ですね。それに孫悟空さん達とも連携が取れている」


フォンさんは感心しながらも目の前の化け物達を倒していく。


「ちょっと数が多いわね?まさか待ち伏せ?私達の動きを見透かしていたような襲撃ね?」


でも私達だけではなかった。他にも力のある討伐隊の猛者達が武器を手に戦いに参加する。


「少しは期待出来るかしら?」


何処もかしこも大混乱だったけれど、次第に連携が取れていく。化け物達は私達という予想外の相手に、戦意を取り戻した人間達によって返り討ちにされた。


「ふぅ~どうやら落ち着いたわね?」


「腹減ったら~」


「お前は飯を食ったろ?」


私は周りを見回す。既に討伐隊はこれから向かう魔王討伐に不安と恐怖を抱き、戦意喪失状態だったの。


「仕方ないわよね。普通の人間が化け物を相手にするなんて自殺志願者みたいなもんだわ」


私は疲れきった兵士達に向かって叫んだの。


「ここから先は私達だけで討伐に出ます!貴方達は全員、引き返しなさい!」


突然、私のような小娘に引き返すように言われた男達は怒りに奮える。まるで八つ当たりかのように私に向かって反論する。


「面倒!足手まといなのよ!あんた達!よく聞きなさい?私達は強いわ!あんた達は非力なの?だから怪我人を連れて帰って!今、直ぐに、さっさと戻る!」


私の精一杯の優しさだったのだけど、余計に憤慨する兵士達に、私は仕方無く孫悟空に命じたの。


「やってやって?」


「おぅ!仕方ねぇな?本当に猿使いの荒い奴だ」


孫悟空は八つ当たりの如く文句を言う兵士達に向かって、拳を見せた後に地面を殴ったの!すると轟音と共に地面が陥没する。


驚き黙り混む兵士達に孫悟空は自慢気に叫ぶ!


「俺様が魔王を絞めてやる!だからお前達は戻って来た俺様達への褒美の準備をしているんだな!」


何て言い草!そんな言い方したら余計にたちが悪くなるんじゃ?


けど、その場にいた討伐隊は孫悟空の桁違いの強さを称賛し、救世主と称えはじめたの!


「神が救世主をお寄越しになったぞ!」


歓声が上がり、兵士達のする歓喜が上がる。兵士達は王に命じられ討伐隊に参加したみたいなの。誰一人生きて帰れるなんて思ってはいなかったの。それでも討伐隊に参加したのは残して来た家族のためだったの。


「これから先は私達が受け持つわ!だから皆さんは戻ってください。生きて家族を安心させてあげて?」


そこに討伐隊の軍を仕切っていた将軍が私に話しかける。


「しかし…貴方達にばかりに危険な目にあわせるのは…及ばずながら私達を使ってください!」


「却下!」


「えっ??」


「傷付けるようでごめんなさい?正直、足手まといです!これから先は、さっきの妖怪なんかよりも桁違いの化け物が現れるのよ?はっきり言って、少なくとも普通の人間には無理よ!」


「貴方達は一体?」


「化け物退治のエキスパート…つまり専門家よ!無駄に命を落とす必要はないわ?後は安心して私達に任せて良いわよ!」



尊敬の眼差しが集中する。何かチヤホヤ感が半端ないわ!


それから怪我をした兵士を連れて生き残った軍は引き戻していく。


「あら?」


見ると、まだ残ってる者達もちらほらいたの。腕自慢なのか?命知らずなのか?

私達は残りの食料を多めに頂戴し、魔王のいる城へと向かう。


「将軍から借りたこの地図を見ると、まだまだ先みたいですね?」


「フォンさんは私達と行くのですね?」


「当たり前です。そもそも一人でも行くつもりで討伐隊に参加したので」


私はそれがフォンさんの力量からの自信かと思ったけれど、フォンさんもまた命懸けだったの。妖怪討伐の専門集団である武闘寺院の猛者達が一人も戻らずに、フォンさんが偵察に向かわせた部下も命を落としたから。フォンさんは大僧正の制止を振り切り、責任を感じて魔王討伐に出向いたんだって。


「まぁ…私達がいれば百人力よね?安心してよ?」


「それは、もう!それに自分は法子さんのために死ねます!盾になります!夫になりますから!」


「うん。最後のは余計よ?フォンさん」


と、私達は落ち着いた後にテントを作って野宿の準備をし、明日に向けて休む事にしたの。


「さてと…」


真夜中、私は皆が眠ったのを確認すると、一人森の中へと入ったの。


えっ?どうしたかって?


実は湖を見付けたのよ。


思ったより綺麗な湖だったから、うん。ちょっと水浴びをしたくてね。


でも、奴らがいたら水浴びも出来ないでしょ?だから深夜にこっそり入りに行くのよ。女子高生たるもの、自分自身の臭いには敏感なのよ!


私は枝に着ていた制服を脱いで一枚、一枚脱いでいく。そして片足を湖に入れると、


「冷たいけど、我が儘は言ってらんないわ」


私は肩まで浸かる。


ゴソゴソ…


森の中に人影が?それは八戒だったの。どうして八戒が?あの馬鹿!


「これはお色気シーンのご褒美らよ~オラに覗いて欲しいと言うアプローチらよ~」


「いやいや、八戒さん?これは自分に対して運命的な何かを感じます!」


気付くと、フォンさんまで覗きに来ていたの?


「お前も来たらか?好き者らな?」


「八戒さんこそ!」


二人はヤらしい顔で私を覗くために湖へと足を運ぶ。


そんな時?


別の何者かの気配がもう一つ、私のいる湖へと向かって来ていたの?誰?


人影は湖の中にいる私に気付くと、獣のように唸っていたの。


いや、実際大型の獣なのかも?


それが、ゆっくりと湖の中にへと入り、潜ると、ゆっくり私に向かって近付いて来ていた。


「!!」


突然、私の背後から何かが立ち上がり、私に掴みかかる?私は裸だった事で反応に遅れたけれど、背後に現れた何者かに向かって渾身の打撃をくらわしたの。


「どうよ!」


胸を隠しながら手応えを感じて私は相手を見る。


「えっ?嘘?」


目の前に現れた奴は全身マッチョの裸の男?顔を布で隠した化け物でケロッとしていた。私の攻撃が全然効いてないみたいなの。


「女、女?お前、人間の、雌?」


何を言ってるか分からないけど、私は理解する。目の前に現れた化け物は桁違いだと!寸前まで気配に感じなかったのは、相手が気配を消していたからじゃない。この広い森全体を覆う程の巨大な妖気が逆に私達に妖気だけでなく接近する気配すら気付けなかったの。だけでなく


「何なの??」


身動きも儘ならない姿の上に、尋常じゃない化け物の存在に流石に私も助けを呼んだ!


「私を助けなさーい!」


私は直ぐに湖に身体を隠すと、何処にいたのか?八戒とフォンさんが駆けつけたの!


「大丈夫らか!?」


「今、助けますよ!」


「あんた達が何故近くにいたかは今は問わないから早くソイツを何とかしなさい!」


二人は化け物を相手に攻撃を仕掛ける。


「爆砕玉印」


指を数回絡めて印を結ぶと、フォンさんの霊気が幾つもの玉になって浮かぶ。


「せぃやあ!」


気合いと共に無数の霊気の弾丸が化け物に直撃して爆砕したの。しかしフォンさんの攻撃は化け物に傷一つ付けられなかった。


「何て頑丈な!!」


そこに八戒が飛び込むと大刀を抜く。


「豚骨刀!」


八戒の刀が化け物の脳天に直撃した…が、逆に刀が粉砕して粉々になったの。


「お、オラの愛刀…豚骨刀が砕けたら~」


「危ないです!八戒さん」


「ぬぅ?」


涙目の八戒は隙を見せたと同時に化け物に殴られて大木に直撃しすら、一撃で気絶する。


「ウゥウウ…」


化け物が再び私に迫ると、湖の水が異様な動きを見せて蔓のようになって化け物の身体を拘束する。


「沙悟浄!」


「法子さん!早く逃げてくだぁ…あ、あぁ…!?」


沙悟浄は水仙鞭杖の先端を湖に付けると、湖の水を操り化け物の身体を拘束したのだけど、化け物は構わずに私に向かってズカズカと近付いて来る。私は胸を隠しながら構える。しかし私は腕を掴まれると強引に持ち上げられたの。


「うっ…」


ヤられる?そう覚悟した直後、凄まじい妖気が覇気を纏って向かって来たの。


「うおりゃああああ!」


私のピンチに孫悟空が飛び出して来て、化け物の顔面に向かって強烈な覇気を籠めた拳で殴ったの!


「ウグゥ?」


にも関わらず化け物は首を振らされただけ?孫悟空の攻撃ですら大して効いてないみたいなの。けど、その隙に私は胸を隠していた掌に霊気を籠めて私を掴んでいる化け物の手に放つ。痺れたように私を手離すと、その隙に私は脱出したのよ。


「はぁはぁ…」


直接攻撃しても効かないのは分かってる。だから私は化け物の神経の集まる手のツボに攻撃を一点させたのよ。少なくとも痺れさせる事は出来たみたいね?


けど?この後、どうする?

こんな頑丈な奴をどうやって倒せば良いの?


けど?


「がぅぅ?お前、何か嗅いだ事があるぞ??」


化け物は孫悟空を見て数回嗅ぎ直す。


「…お前、まさか?」


孫悟空も化け物に対して何か気付いたの。


すると化け物は、突然何か思い出したかのように上空を見上げる。


「俺俺、こんな事をしてる暇なかったぞ?俺俺、城に行かねば!」


「城に?ちょっと待てよ!お前はまさか?」


呼び止める孫悟空に対して化け物は名乗ったの。


「ん?お前、俺俺を知っているのか?俺俺、百獣王!地上最強の王様だぞ!さらば!」


えっ?


瞬間、百獣王と名乗った化け物が消えたの?違う!上空へと一瞬に飛び上がって見えなくなるまで移動したのね?


まさか、今のが私達の倒す魔王だと言うの?遥かに桁違いの強さじゃないの?しかも他に二人も魔王がいるって話よね?


私は今回の戦いを甘く見ていた事に反省し、緊張が高まった。




場所は代わり、魔王遠征より退却した軍に、別の軍が合流していたの?


「引き戻すのだ!我々人間には無理なのだ。悔しいがもう救世主様達に任せるしかない」


「何を弱気な。我々は主達とは違う。我が北の国の王の命令により我らは見事任務を果たすであろう」


「お前達は化け物の恐ろしさを知らぬからそう言えるのだ!北の国は我らが住まう西の地より平穏だと言うではないか?そのような地の者達に何が出来る?いや、私は主達を案じて忠告しているのだぞ!」


「心配御無用。私達は魔物とも戦える手段を持ち合わせているのだからな」


「何と!?」


見ると北の国から来た兵士達は見た事のないような大砲を幾つも装備していたの。


「ふふふ。それに私達は行かねばならぬ。この地の魔王に会わねばならぬからな」


「?」


西の地の将軍は意味深な言葉を呟くと、他に二人の将軍が揃う。西の地の三将軍率いる魔王討伐隊が私達の向かう魔王の城を目指していたの。


どうなる?魔王討伐?


そんなこんな。




次回予告


なさかの魔王の登場に気が引き締まる中、


ついに獅駝嶺の三魔王の城へと突入する!



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