表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
118/711

今度の敵は獅駝嶺の三魔王?


法子一行を救ったのは孫悟空達の知り合い?


謎の若い僧侶の正体は?


私は法子。


私達一行の前に現れた彼は私と同じくらいの若い僧侶だったの。しかも国の兵士達を説得出来る程の高僧みたいだけど?何者?


しかも孫悟空達を知っているような感じなんだけど?


「まさか、こんな場所で皆さんにお会い出来るなんて本当に驚きです!お久しぶりです!」


挨拶をする彼に孫悟空達は誰か分からずに悩みこむ。


「う~ん?えっと~誰だったでしょうかぁ~?」


「嗅いだ事のあるような匂いなんらけろよ?」


「駄目だ!無理。思い出せん!お前、誰だ!」


孫悟空が名を名乗るように命令すると、若い僧侶は坊主の頭を掻きながら照れ笑いする。


「そうですよね~。もう暫く会っていないし、自分も成長したから気付かないのも無理はありませんよね?髪も剃ったし…あはは」


彼は孫悟空達に一礼した後、改めて名乗ったの。


「自分、フォンです!昔、皆さんに助けていただいたフォンです!」


その名を聞いた後、孫悟空達は目を丸くして驚いてフォンと名乗った彼に近付いていく。


「マジかぁ~??お前、あのフォンか?」


「マジに久しぶりらな?元気らったらか?」


「立派になって~」


感動の再会に私だけが取り残されてしまったの。


「ちょっと!私を蚊帳の外にしないでよ?その人が何者か紹介してよね!」


するとフォンさんは、


「あの?この美しい乙女はどなたでしょうか?」


「へっ?」


今、私を美しい乙女って言ったの?


するとフォンさんは私に近付くと、私の隙をついて手を握って真面目な顔で言ったの。


「この自分と結婚してください!乙女!」


「ひゃあ!」


私は突然のプロポーズに驚いて、目の前のフォンさんを合気道でひっくり返してしまった。


「あいたた…何て技のキレだ?この自分が受け身を取れなかったなんて…腰が痛い…」


「何を言ってるのよ!あんた!」


私は赤面しながら怒ると、そこに孫悟空がフォンさんに近付いて耳元で何かを呟いたの?


「!!」


フォンさんは真剣な顔で驚きながら私を見ていた?


「成る程…どうりで…」


その後、フォンさんは孫悟空達にこれまでの経緯を聞いて膝を付いて愕然したの。しかも涙を流して地面を殴っていたの。


「そんな…あの方が…」


フォンさんは立ち上がると、一人言を呟く。


「本当に…あの日に見た記憶通りだ…出来るなら夢であって欲しいと何度も願った事か…しかし、これも自分に与えられた運命への道のりなのだろうか…」


フォンさんだけが何かを知っていたようだけど、今の私には分からない事ばかりだった。それから孫悟空達にフォンさんとの出会いを聞かせて貰ったの。


幼少時代のフォンさんは特異な力を持った人間だったの。凶悪な化け物に最愛の姉を殺された事で力が覚醒し暴走した彼を、孫悟空達が鎮めた事で真っ当な道へと歩けたのだと。


「そんな事が?」


「はい。今の自分があるのも皆さんのお陰だと思っています」


「フォン君は確か三蔵様の紹介で武闘寺院に出家したのでしたよね?」


「はい。どうも自分には才能があったらしく、今では最高位の称号を与えられております」


「マジらか?まぁ…あの力を見たら納得らけれどもな?」


そんなこんなで語り合う私達は、大事な事を忘れていたの。


「あの~?私達、大事な事を忘れてはいませんか?」


「何よ?」


「大魔王退治ですが…」


「あっ!忘れてたわ!五人で参加しないといけないのよね?だったら孫悟空が分身すれば良いのよ!」


「そんな事をしなくても自分を入れては貰えませんか?実は自分も一人だったので参加者出来ずに、何処かに入れて貰おうとしていたのです」


「えっ?そうなの?だったら即決で決定よ!」


「有難うございます」


そんなこんなで私達は討伐隊に参加出来たのでした。驚いた事は、集まった人数が兵士を合わせても2千人近くいた事!


「大掛かりね?」


「それだけ大魔王退治には意味があるという事ですよ。不安と恐怖の中で生きてきた人間達がこの地に生存出来るかどうかの命運がかかっていますからね。自分が組する武闘寺院からも私以外に何人も参加しています」


「だけじゃねぇみたいだぜ?」


見ると僧侶と言うには野蛮な連中もいたの。彼等は破壊僧!能力を持った僧侶が外道に落ちて、お金や欲求のためだけに生きる連中。


「ふぅ~でも、やっぱり私達だけで良かったかもね?そうでしょ?孫悟空?」


「まぁ…どうだかな?」


「何よ?いつもの自信はどうしたの?」


「いや、もしも俺様が知る奴が目的の魔王なら、ちょい厄介だと思ってな…」


「えっ?知り合いなの?」


「いや、アイツに権力って願望はないから別の奴だと思う。気にするな?どんな野郎も俺様がぶん殴る!」


「それでこそ孫悟空だわ」


私達は行列の中で魔王の本拠地である城に向かう。


目差すは魔王の本拠地がある獅駝嶺って場所!


そこは深い森の中だったの。


「砂漠の真ん中に森なんかあものなのね?」


長い移動で討伐隊の軍は陣地を作り休憩を取る。人間である以上、体力は限りあるし、万が一襲われたら戦う力も残らないから仕方ないわね?それに比べて私は今日まで孫悟空達のような体力馬鹿と一緒に旅をしていたから余裕だったの。


「こんなんじゃ筋肉付いちゃうわよ…」


私は二の腕と脹ら脛をつまんで確かめてみる。そんな私を離れて見ていたガラの悪い連中がニヤニヤして近付いて来たの?


「何ですか?」


私を見下ろした数人のマッチョな連中は私をやらしい目で眺めると、


「お姉ちゃんよ?俺達と遊ばないか?」


と、腕を掴んで来たの?


「ごめんなさい?私、連れがいるから無理です」


「はぁ?構わねえょ?放っておけ!俺達はこれから命懸けで化け物をぶっ倒してやるんだぞ?俺達の相手をして…頼ませてくれたら守ってやらんでもないぞ?」


「結構です。自分の身は自分で守れますから」


「生意気な小娘!黙って俺達の慰み者になれ…ぇ」


瞬間、マッチョな男は私の前でひっくり返り、他の連中が驚いた顔で私を見る。


「テメェ!何をしやがったぁ?こらぁ!」


「煩いから寝て貰っただけよ?」


すると男達は私を囲んで捕まえようと襲って来たの。


「もう。孫悟空達は何をしてるのよ?こんなか弱い私を残して、用心棒が聞いて呆れるわよ!」


私は仕方なく自分で連中を片付けようとした時に、フォンさんが顔を出す。


「お取り込み中、申し訳ありませんが?その彼女は自分の連れなんで返して貰えません?」


細身の若い僧侶の姿をしたフォンさんを見て、屈強な男達は笑い出す。


「お前、彼氏か?怪我をしたくなければ黙ってろ!」


「そうはいきませんよ?自分は貴方達の身を心配しているのですよ?こんな場所で怪我をしたら討伐に向かえなくなりますよ?」


「はぁ~?坊主は黙って上手に坊主の絵でも描いてやがれ!」


「何か腹立たしいですね?やはり迷惑だから少し寝ていて貰いますか?一緒にいたら和が乱れますからね」


瞬間、フォンさんは霊気を掌に籠めると、まるで伸ばすかのようにして何かの形を造る?


「あれは!?」


それは金色に光輝く霊気で構成した錫杖だったの!


霊気を凝縮して固形化しながらイメージしたモノに形作るなんて…


「さて、自分の金の錫杖は少し暴力的ですからね」


直後、フォンさん振り払った金の錫杖から超音波の如く鈴が響き渡る。


「えっ?」


同時に一人一人男達が白目を向いて気を失い泡を吐いて気絶していったの。


「自分の錫杖は覇気を籠めた振動。力無いものには全身を揺さぶられたような感覚になり、耐えられずに意識を奪われるでしょう」


私をチラリと見たフォンさんは、


「法子さんには害がないと思っていましたよ?あはは」


「って、害があったらどうしてたのよ!」


正直、私もまたフォンさんの実力を見計らっていたのだけど、今ので確信したわ!フォンさんは私と同等近くの実力者なんだと。


そこに孫悟空達が戻って来たの。


「おっ?何かあったか?」


「あんた達!私が危ない時に何をしてるのよ?フォンさんが助けてくれなかったら危なかったのよ?私!」


孫悟空達は近くに倒れている連中をじっと見て、


「確かに…」


「でしょ?もっと私を心配しなさい!」


「いや、フォンが代わりにやったんだよな?良かった…法子が手を出してたら、この連中の命の保障出来ないからな?」


「本当にそう思うら…」



取り敢えず私は孫悟空と八戒の頭を殴っておいた。


「そんな事より食事にしませんか?この森には意外と食べれる食材が沢山ありましたからね~」


「食材探してたの?物資とかあったんじゃないの?」


「それをよ?八戒の奴が一人で食いやがったんだ!」


「えっ!?」


だから森に食べれる物を調達に出ていたのね?


「まさか全員の分とは思わなかったら…一人分かと思ったんら~」



私は兵士達が食べている食事を見たけど、確かに質素だったの。この西の地では食材を調達するのも困難だと気付かされた。


「愛音さんの村はまだ恵まれていたのね…」


「だからこそ追い詰められた人間達は戦う気になったのでしょう。正直、私の属する武闘寺院も手を子招いていましたから」


「フォンさんの実力なら魔王でも一人で退治出来るんじゃないの?その魔王はそんなに強いの?」


「それは何とも言えません。それに獅駝嶺の魔王は三人いますから私一人では敵いませんよ!」


「魔王は三人いるの?」


「はい。だからこそ皆さんとの再会は神の与えた好機であり、助けだと思っています」



魔王が三人?


聞いてないわよ…


まぁ、これだけの人数ならまだ勝ち目あるかな?


私達もいる事だし、心配はないのかも。



そんな時、突然騒がしくなったの?


「何かあったのかしら?」


私達は騒がしい方向へと駆け付けると、そこでは…


「な、何なの?」


何処から現れたのか?


無数の化け物達が休んでいた人間達を襲っていたの。武器を手にする暇なく人間達は脅え恐怖していた。


「皆!行くわよ!」


私達は突然現れた化け物達から人間の討伐隊を救助するべく戦場の中に飛び込む。


どうやらもう戦いは始まっているようね?


そんなこんな。



次回予告


いよいよ獅駝嶺の三魔王討伐の開戦!


どんな戦いが始まるのか?


でも、その前に??

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ