表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
117/711

お別れと再会?新たな敵?


炎狼族と氷狼族との長き争いを止めた法子一行。


さて、今回の物語は?


私は法子


私達法子一行は今、西の大地の中央地区に向かっていたの。


えっ?どうしてですって?

実は炎狼族と氷狼族の争いを終結させた私達は、再び愛音さんのいる村に戻ったのよ。


「そんな事があったのね?妖怪世界も大変みたいね?」


「うん。因みに狼族にはこの村の用心棒を頼んでおいたから、もう妖怪に襲われる心配ないからね?」


「何から何まで有り難うね?法子」


「うん…」


「?」


「実は愛音さんに話さないといけない事があるんです。少し時間良いですか?」


私はそこで、孫悟空達を買い出しに行かせて愛音さんと二人きりで話をしたの。

私は未来で出会った果心居士の話を愛音さんに話したの。未来の日本を滅ぼしかけた事は抜かして…


事故で泣くなり、自分が最期に立ち合ったのだと。


「愛音さんのお父さんは何年も何年も未来で愛音さんの事を思い続けていました。亡くなる寸前まで愛音さんに会いたがっていました。本当に愛音さんを愛していたんだと私は断言します」


愛音さんは黙って話を聞いていたの。

信じてくれてない?よね?

まさかこんな突拍子もない話を信じてくれるわけないよ…



「そうか。お父さんは最期まで私の事を…」


「信じてくれるのですか?私の話?」


「信じるよ。あんたが嘘を言ってるようには見えないしね?少なくとも本気の目をしてるよ?法子は」


少し胸が傷んだ。もしかしたら愛音さん?私の隠している事も見透かしてるのかもと感じるくらい。


それから、私達は一週間愛音さんの家にお泊まりさせて貰ったの。


「えっ?」


そこで私は驚いた。


「愛音さん、娘さんいたの??」


「そうだよ。今は旦那の母親に面倒見て貰ってるんだよ。うち食堂だろ?助かってるよ」


「待てよ?前に来た時はいなかったぞ?」


孫悟空の質問に、


「あぁ。私もまた自分に子供がつくれるなんて思ってもみなかったよ。けど、孫悟空が出て行って二年くらいしてからかな?確か」


愛音さんは過去に化け物に襲われ、子供を奪われただけでなく自分自身も瀕死の状態だったの。その時に二度と子供は出来ない身体になったの。


「何か特別な事でも?」


「う~ん?特別か…そうだね?紅孩児が私におまじないって言ってお腹を摩ってくれてたくらいかな?」


「おまじない??」


「あはは。神様の贈り物だよ!ねぇ?」


私は愛音さんが心から幸せを感じている事に、とっても嬉しく感じた。この世界で一人取り残され、頼る者も守って貰う事も出来ない中で見付けた唯一の幸せなのだから。


「で?娘さんに会いたいなぁ~」


「じゃあ、今から行くかい?私もそろそろ癒し充電しないとね」


「は~い!」


私達は愛音さんに連れられて、義母さんの住む家に向かったの。


「意外と離れてるんですね?」


「ちょっと訳ありでね」


「えっ?」


私達がやって来た場所は村の中央にある小さな寺院だったの。


どうして、こんな場所に?


「お母さん」


寺院に幼いいた女の子が愛音さんに向かって「お母さん」と呼んだの。

その隣には寺院の尼さんが一人?


「旦那方のお母さんよ」


「尼さんだったのですね」


寺院に住んでるって事だけでも少し驚いたけれど、それ以上に私は娘さんを覆う不思議な力に驚かされた。


「えっ?」


愛音さんは私を見て頷くと、理由を話してくれたの。

娘さんには普通ではない力を持っているって…


「最初の子も不思議な力を持っていたから、もしかしたらとは思っていたけど」


「最初の子も?」


愛音さんの亡くなった最初の子は驚異的な再生能力を持っていたため、化け物に狙われたの。だから二番目の子供には用心をして育てているの。


「確かに化け物に狙われる可能性はあるけど、もう大丈夫だと思うわ?」


「えっ?」


「この寺院よりも強い結界が村中に張ったじゃない?だから村の中にいる間は外から化け物に感づかれる事もないし、襲われたりもしないわよ!」


「法子!」


愛音さんは私を強く抱き締め涙を流したの。


そんな中で沙悟浄は愛音さんの娘さんを見て目を丸くしていたの?


「どうしたの?」


「あ、いえ、ちょっと知り合いの女の子に似ていたもので…あはは。でも他人のそら似ですよね~」


「だよな。確かに似てるが歳が全然違うしな?」


「それにもう彼女はおらんのらから…」


孫悟空と八戒が暗い顔をすると、沙悟浄が愛音さんに恐る恐る尋ねたの。


「あの~娘さんのお名前は何て言うのでしょうか?」


「名前?」


その後、三人は顔を青くして凍り付いたの?


「ファンだって??」


ファンちゃん?その名前が何か特別なの?


私にはわからないけど、三人は驚いた顔でファンちゃんを見ていた。


「まさか生まれ変わり…何てのはないよな?やっぱ」


「確かに…名前も同じで、見た目もどこか面影が…」


「ないらよ!あるわけ、ないらよ!そんな話!」


三人は答えを出せずに、ただ少女を見ていたの。


三人は以前、ファンと呼ばれる少女と出会っていた。彼女は妖怪に襲われて命を落とした悲劇の少女。


その娘の名前が「ファン」と呼ばれる少女で、目の前の少女がどこか歳こそ違うけど似ているみたいなの。


「まさかなぁ~」


三人は顔を見合せ笑って見せていた。悲劇の少女に似ていると話す事に気が引けたから。


そんなこんなで私達はファンちゃんを連れて寺院を出たの。


「私、出て良いの?」


「大丈夫!私を信じて?」


「うん」


ファンちゃんは私達に連れられて村中を冒険した。大袈裟かもしれないけど、小さな寺院から出た事がなかったファンちゃんにとっては大冒険に違いなかった。

普段、滅多に見ない娘の笑顔を見れて愛音さんも涙を流して喜んでいたの。


「これからは歳の近い村の子供達とも遊べるわね」


色々と一件落着した後で私達は愛音さんにお別れをする事にしたの。


「もう出て行くのかい?」


「うん。ずっといたいけど、私にはやらなきゃいけない事があって旅をしていたから」


「そうなのね。じゃあ、孫悟空?ちゃんと彼女を守ってやりなよ?」


「当たり前だ!任せろ!」


ちょっ? 何を当たり前のように答えてるのよ?


「彼女じゃありません!この三人は私の下僕ですから!」


「ヒデェ~」


三人は顔を見合せてヤレヤレ顔をしていた。


「ふん!」


私達は愛音さんにお別れすると、旦那さんの後ろに恥ずかしそうに隠れていたファンちゃんも手を振っていた。私達も手を振り返して新たな地へと旅に出たの。


とっ?


どうして急展開に旅を急ぐ事になったかと言いますと、実は狼族の長老から西の地の噂話を耳にしたからなのよ。今、この西の地の中央にある神殿に、この地を支配している大魔王がいるんだって?その大魔王が人間だけでなく弱小妖怪まで襲っては、地上制覇で勢力を膨らませているとか…


「つまりその大魔王退治をしなきゃ私達の旅がやりづらくなるし、人間もあんた達も安心して過ごせないわけね?」


「そうです」


私達を襲って来た妖怪盗賊達も、その大魔王への権上品として私を差し出すつもりだったみたい。それに炎と氷の長老には、愛音さんの村の用心棒を頼んでいるし、私達はその大魔王ってのを退治してあげる事にしたの。


「でも、どうしてそんな面倒くさい事するんら?」


「何よ?正義の女子高生のたてまえと義務よ!」


「あ、そうらか…」


「カッコいいです!法子さん!」


「沙悟浄、もっと私をチヤホヤしなさい!」


「はい!」


八戒と沙悟浄にチヤホヤされた私は気分良くなり、いざ西の地の大魔王退治にテンション上げたの。


そんな中で孫悟空だけは微妙な顔をしていたの?


「西の地の大魔王か…」


孫悟空の頭に過るのは獅子の大魔王の姿だったの。


誰?


それはまた後の話として、私達は旅の途中で中央の地に一番近い人間の国にやって来ていた。


その国は一際厳重な結界で守られていたの。当然よね?妖怪の巣窟の間近なんだから。張り巡らされた結界は重くのし掛かるように孫悟空と八戒を気持ち悪くさせていた。


「うげぇ~」

「まいるらよ~」


その中で沙悟浄だけがピンピンしていたの?


「あんたは大丈夫なの?」


「えっ?あ、はい。私、天界に住んでいたので免疫があるんですよ~」


「あ、そっ?だったら私と村の中で情報収集に行くわよ?」


「あ、はい!」


私は寝込む孫悟空と八戒を宿屋に残して、沙悟浄だけ引き連れて村を探索してみる。


はて?


「何か重々しくない?」


「そうですね~何かピリピリしてますよね~?それに恐い人が多いような?」


「確かに物騒な武器を持った人と何人もすれ違ったわね」


「あ、法子さん!きっとあれが原因みたいですよ!」


「えっ?」


沙悟浄が指差した方向には看板があって、そこにはこう書かれていたの。



《腕に自信ある猛者集まれ!魔王討伐に首を持ち帰った者には賞金にいとめをつけない。参加者は本日中に受付をし、明日の討伐隊に参加申し込むように。王より》


どうりで武装した連中がうろうろしていたわけね。つまり?大魔王に懸賞金がかけられているわけよね?しかも大金?


「ふふふ」


「法子さん?目が悪者顔ですよ?正義の女子高生が消えてますよ?」


「何を言ってるの?人助けよ?悪い魔王を退治するんだから、少しくらい良い思いしても良くない?」


「そりゃ~まぁ…」


「それに旅の軍資金だって必要じゃない?」


「はぁ…」


「とにかく私達も討伐隊に参加するわよ?受付お願いね?」


「わっかりました~」


しかし私達は四人のパーティーで参加しようとしたけれど、拒否されたの?


「何でよ!四人で十分よ?私達は百人力なんだから!」


「馬鹿を言うな!小娘よ?お前のような者に何が出来る?無駄死にしたくなければ早急に立ち去れ!」


「ムカッ!」


「それに五人のパーティーを組むように王様より申しつかされている。これはお前達が生き残るために王様からの慈悲なのだぞ」


「だから~私達には関係ないし、死なないし、慈悲いらないし、大丈夫だから気にしないでよ?」


「イカれた小娘だ!いつまでもお前のような者にかまっていられん!」


すると武装した兵士達が私と沙悟浄を囲んだの。


「私達とやる気なの?ちょっと痛い目みせなきゃわからないのかな?」


と、そこに


「喧嘩か?だったら混ぜろよ!」


「何をやってるからか?遅いから迎えに来たらよ~」


孫悟空と八戒が宿屋から出て来て私達と合流したの。


「あんた達、調子はどうなの?」


「あん?あ~妖気を消す薬飲んだら楽になったぞ?苦かったけどな?」


「あ、そ?だったらあんた達の力を少し兵士さん達に見せてあげて?」


「構わんぜ?」


と、私達は人間の兵士を相手に喧嘩を始めてしまったの。これも正義のためなんだから!


大金のた…じゃないわよ?


その大混乱の最中、私達を呼ぶ声がしたの?



「もしかして孫悟空さんに、八戒さん?沙悟浄さんじゃないですか?」


へっ?


それは私と同い年くらいの若いお坊さんだったの。


しかも孫悟空達と知り合いなのかしら?


お坊さんは孫悟空達と兵士達との混乱に入り込みに穏便に止めると、兵士達に証明書らしき木の板を見せると、仕方無しと引き下がったの?


「取り敢えず丸くおさめましたから大丈夫です。いや~お久しぶりです!皆さんお変わりないから直ぐに分かりましたよ」


けれど、孫悟空達は彼を誰らか分からない感じでハテナしていたの。


突然現れた彼は何者?


物語はどんな展開に進むのか?ハテナハテナよね?


そんなこんな


次回予告


転生記シリーズの第一部と、この5部の第一章を読むと話が繋がる物語。


次の話にも第一部の転生記を読んでいると、伏線が繋がります。


その登場キャラが次話から登場よ!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ