激闘!孫悟空と骨覇魅神!
骨覇魅神と孫悟空の一騎打ちが始まる。
勝つのはどっちだ!?
私は法子…
私は白骨乙女さんの意思を尊重し、成仏させる手助けをしようと決心した。
そこに骨覇魅神が孫悟空達を蹴散らして私に向かって襲い掛かって来たの。
「あの三馬鹿ぁ!時間稼ぎはどうなったのよ?本当に役立たずなんだから~!」
私は爆風で吹き飛ばされて、転げながら立ち上がり再び構える。
「どうなったのよ?」
周りを見ると白骨乙女さんは骨覇魅神に抱き抱えられていたの。
「この女を殺らせるわけにはいかない」
「離しなさい!私の命令に従いなさい!」
暴れる白骨乙女さんを無視し、骨覇魅神は彼女に覇気を放って意識を失わせた。
「まさか…」
裏切り?骨覇魅神と白骨乙女さんの魂の契約では、白骨乙女さんが死ねば魂で繋がっている骨覇魅神も死ぬって。つまり白骨乙女さんが死ぬ事を阻止するってのは、自分が生き残りたいから?
「許さない。お前、封印から解かれるために白骨乙女さんを騙していたのね!」
私は金の錫杖を構えると無鉄砲にも駆け出し骨覇魅神に向かって攻撃に出る。
「!!」
けど、私が飛び出すのを遮るように孫悟空と八戒、沙悟浄が前に出たの。
「ここから先は俺様達の仕事だ!お前は黙って見ていれろ!」
「法子はん。オラ達に任せておくらよ?」
「わ、私も頑張りますから応援お願い致します!」
って、ちょっと?私の出番が無くなるじゃない?
そこに鉄扇ちゃんが私の肩に手を置いて首を振る。
「あいつ達なりの意地だよ?この場は少しだけ奴らに任せてあげなよ?」
「鉄扇ちゃん…」
鉄扇ちゃん?貴女、面倒事を全て奴らにパスつもりなのが顔に出ているわよ?
「仕方ないわ!あんた達、男なら二言ないわよね?もし骨覇魅神に勝てたなら少しはあんた達を信じてあげても良いわよ?」
「その言葉、絶対だな?」
「女子高生に二言はないわ!」
孫悟空は背中越しに拳を握って了解と合図を返した。
「そんじゃあ、俺様達の本気を見せ付けてやるぜ!」
白虎の鎧を纏った孫悟空が中指を立てて勇む。
「俺様の前に跪け!」
同時に何の打ち合わせもなく八戒と沙悟浄が左右に散り、骨覇魅神を囲む形になる。
「お前達、何者か知らないが私の邪魔をするならば命がないと思え?」
「骨覇魅神!てめぇの事はよく知ってるぜ。思い出したくなかったがな?」
「私を知るお前は何者ぞ?」
骨覇魅神は孫悟空の事を知らない様子だったの。そもそも骨覇魅神は先ほどまで妖恐の魂に飲まれていて自我を失っていたの。それが突如目覚めたって事なのかな?
「俺様は孫悟空!かつて美猴王と呼ばれていた者だ!」
「!!」
目の前にいる金髪で尾のある人間に似た妖怪。
骨覇魅神は孫悟空の姿を見て、微かに残る片鱗に納得したの。
「因縁か…美猴王、お前と再び合間見るとはな?」
「俺様も会いたくなかったぞ!」
かつて孫悟空が美猴王と呼ばれていた時に、かつてなく憎み怒りを感じたのが骨覇魅神だったの。
「再び私の邪魔をするつもりなのか?」
「その白骨乙女は返して貰う。てめぇこそ邪魔はするなよ!」
「ならば、この娘をどうするつもりだ?」
「俺様達はソイツを成仏させる。それだけだ!」
「そうか。やはりお前とは平行線を辿るのだな?邪魔立てするなら容赦はせん!」
「こっちは最初からやる気満々だぜ!」
孫悟空の覇気が高まり手の甲に白虎の雷が鋭い爪のようになったの。
「白虎雷爪」
準備が出来たと孫悟空が骨覇魅神に向かって斬りかかる。
「邪魔立ては許さん!」
骨覇魅神の身体が再び骸骨の妖恐ティラノと姿を変える?すると素早い動きで動く孫悟空に太い尾を叩き付けたの。そう。さっきまでの暴れるだけの知能がない化け物とは違う。不死の身体に錬体魔王の知性を持った最強の化け物骨覇魅神となって私達の前にいるの。
「用意はオッケーら!」
「私もです!」
そこに八戒と沙悟浄が叫ぶ。彼等は気付かれる事なく罠を仕掛けていたの。
妖恐の足場に沙悟浄が大量の水を撒き散らし、八戒が水が抜けないように鼻水を噴き出しながら地面を固めていたの。
き、汚いわね!
完成と同時に孫悟空が雷爪を地面に突き刺すと、ありったけの雷を放電させたの。放電は水を伝わり、その中心で身動きを止められている骨覇魅神を感電させた。
「ウゴォオオオオ!」
三人の攻撃は効いてるわ!
「あんた達!そのまま押しきりなさい!」
私が叫ぶと三人は頷き、骨覇魅神に向かって一斉に攻撃を仕掛けたの。
「邪魔をするな!」
けれど、骨覇魅神は骸骨の尾を振り回して三人を近付けさせんと弾き飛ばす。
「しゃらくせー!」
孫悟空は飛ばされながらも身を回転させて着地し、大地を蹴って再び攻撃を繰り出したの。
「白虎・雷爪」
暴れる骨覇魅神の攻撃を素早い動きで躱す孫悟空。確かに骨覇魅神の攻撃は激しいけれど、先に仕掛けた放電で動きが僅かに鈍いみたいね?それを見越しての先手!あいつら馬鹿かと思っていたけど、やるわね?コンビネーションもだけど場数踏んでるのが分かるわ。
孫悟空の白虎・雷爪が骨覇魅神の身体を粉砕した。すると中から白骨乙女さんの身体が光に包まれて浮かんでいる。
「彼女を救って!」
私の指示に八戒と沙悟浄が白骨乙女さんに向かって飛び出すけれど、再び再生していく骨覇魅神から放たれる覇気が二人を寄せ付けない。
「くっ…物理的攻撃のあるが、白虎の力とは相性が悪いようだな?だったら俺様の別の力を見せてやるぜ!」
別の力って?
孫悟空は印を結び一気に解くと、その身の白虎の鎧が光となって散ったの。そして子猫が飛び出して孫悟空の中に消える。
「力を貸して貰うぜ?ミャアちゃん?」
今度は孫悟空の頭の上にヒヨコが姿を出して乗っかっていたの。
あら、可愛いわね?
「聖獣変化唯我独尊・朱雀!」
私は目にする。孫悟空の頭に乗っていたヒヨコが孫悟空の神気を得て炎を纏いながら巨大化して孫悟空を包み込むと、その中より再び姿を見せた孫悟空は炎の翼を持った朱雀の鎧を纏っていたの。
「朱雀の炎は魂をも浄化する…らしいんだぜ!」
って、確証ないの?
「何だか分からないけど、アイツ、凄いわ…」
私は朱雀変化した孫悟空の戦いを見ているしか出来なかった。孫悟空の翼から放たれた炎が業火となって骨覇魅神を囲む。
「骨は骨らしく火葬してやるぜ!」
「美猴王。邪魔をするな!邪魔をするな!私の邪魔をするな!」
「悪かなったな?俺様は美猴王じゃない。孫悟空様だぁー!」
炎上する戦場で孫悟空と骨覇魅神がぶつかり合う。互いに覇気がぶつかり合う中で八戒も沙悟浄も桁違いのバトルに近寄る事も出来ないでいたの。
「馬鹿猿!後は任すらよ!」
「孫悟空兄貴!」
孫悟空と骨覇魅神の覇気の差は骨覇魅神の方が上みたいね?けれど朱雀の炎は間違いなく骨覇魅神の力を浄化し、力を下げていたの。これって相性ね?
「ぐぅ!」
けれど、次第に妖恐骨覇魅神の凄まじい勢いに孫悟空の方が押され始めていたの。
「攻撃力はあるが白虎の変化で体力がかなり削られていたらからな」
「でも妖恐も最初より勢いが無くなってますよ!」
「消耗戦らな!」
八戒と沙悟浄の会話から私なりに孫悟空の変化の特徴が分かったの。
「あんまり時間かけてらんねぇな?だったら大技で決めてやるぜ!くらえ、骨覇魅神!」
『舞え、朱雀!朱雀双翼剣!』
孫悟空の翼の炎が双刀の燃え盛る剣となったの。
「うぉおおおお!」
孫悟空は急上昇から急降下して骨覇魅神に向かって特攻したの。双刀の剣が骨覇魅神を斬り裂いたと思った瞬間、骨覇魅神は飛び上がり躱す。そして孫悟空に向かって口を大きく開いたの?
「やべっ!」
直後、妖恐の開いた口から凄まじい破壊光線が放たれ孫悟空を飲み込んだの。
孫悟空が光に消え、妖恐は次に私達に向かって来たの。何?やる気?
私と八戒、沙悟浄は武器を手に警戒する。
「ウゴォオオオ!」
雄叫びが私達を怯ませ、その隙に巨大な尾が私達に向けて振り払われたの。
か、躱せられない?
避けるに間に合わず私は食いしばるように受け止める姿勢を取る。正直、あの勢いを受け止めたら全身の骨が砕けるわ~
南無三!
しかし、妖恐の尾は私に当たらずに止められたの。
「もっと退くら!」
「うぅぅ…」
向かって来た骨覇魅神の尾を八戒と沙悟浄が飛び込んで来て、身を呈して受け止めてくれたの。けれど二人は強烈な衝撃を受けて全身から血が噴き出す。
「ばかぁ!二人とも何故私を庇うのよ!?」
本当に?本気で?二人は身を顧みずに私を守ってくれているの?
「次は受け止められないら…法子はんは早く逃げるらよ!」
「は、早く!」
真剣に叫ぶ八戒と沙悟浄に私も真剣に答えたの。
「却下ぁああ!」
「へっ?」
二人の思いと予想を裏切り私は飛び上がると、ありったけの霊気を籠めて金の錫杖で妖恐の後頭部を殴り付けたの。強烈な一撃の爆発が妖恐を襲う。
その時、私も頭の中に何か強烈なイメージが入り込んで来て一瞬、ふらついたけど妖恐は頭を振ると何事もなかったかのように私に向けて口を開く…
まさか、また破壊光線??
「うわっ!」
私は危機的状況に今度こそ覚悟したの。けど、その破壊光線は上空に放たれたの?あっ!
見ると、孫悟空が寸前で妖恐の顎をアッパーし、破壊光線の軌道を変えてくれたの。
「お前の相手は俺様だと言っただろ?浮気すんじゃねぇよ!」
けれど、破壊光線の直撃を受けていた孫悟空もズタボロだったの。それでも…
「この女は俺様の命に変えても守る!」
えっ?
一瞬、胸がキュンと締め付けられるような感じがしたの。私は後ろから孫悟空の顔をドキドキと見つめてしまったの。
そんなこんな。
次回予告
孫悟空と骨覇魅神の最終決戦!
孫悟空はどうやって骨覇魅神を攻略するの?




