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白骨乙女さんの真意?過去の因縁、孫悟空と骨覇魅神!


白骨乙女さんと妖恐に対して、


法子達は戦う決意をする。




俺様は孫悟空だ!


俺様は白骨乙女が呼び出した妖恐ティラノの中から現れた亡霊の姿に心当たりがあった。


奴の名は錬体魔王!


ソイツは俺様が美猴王と呼ばれた転生前に戦い、因縁のある奴だった。


人間を鬼人と呼ばれる化け物へと改造し道具としていたのだ。俺様も奴に大事な…大事な…奴を奪われた。

本来人間であった錬体魔王は病の妻子の命を救うために仙道に入った。大仙より霊薬を手に入るためだった。しかしそれは裏切られ、は妖仙へと道を外したのだ。


その後、地上界で美猴王であった俺様が巻き起こした征服戦争の中で、錬体魔王は地上界を支配していた72の魔王の頂点に君臨する十大魔王の黄風魔王の配下として俺様の敵として戦った。


俺様達水簾洞闘賊団の優勢に傾いた時、錬体魔王は瀕死状態の身体と怨みや憎悪の魂を糧にかつてより実験をしていた最強の化け物誕生を早めた。それは太古の恐竜の化石に妖怪の持つ妖気を注入し、強固で頑丈な肉体を与えたのだ。そして目覚めたのが『妖恐』と呼ばれる『妖怪』とは別種の化け物だった。


魔王級の俺様達の力を持ってしても、妖恐は桁違いに強かった。それでも俺様を筆頭に義兄弟であった魔王達と共に激闘の中で一体、一体撃破していった。


そんな時、撃破した妖恐ティラノの身体に異変が起きたのだ。死んだはずの錬体魔王の邪悪な魂が妖恐ティラノの肉体を奪い、再び甦ったのだ!


妖恐として甦った錬体魔王は正に最強だった。


骨覇魅神


それが妖恐と錬体魔王が融合した化け物


強靭な肉体を持った化け物に俺様は仲間と力を合わせ戦い、死闘の末に倒した…否!


不死の化け物となった骨覇魅神を倒すために、俺様が弱らせ力尽きた所を仲間であった砂塵魔王が自らの命を使い骨覇魅神を封じ込めたのだ。



「その骨覇魅神が再び甦ったなんて…まずいな?」


甦った骨覇魅神は無言で立ち上がったまま動かなかった。


霊体か?


俺様は警戒しながら奴の次の行動に対応出来るようにしていた。


「何なのよ?あれ?今のうちに仕掛けた方が良いじゃないのさ?」


鉄扇が俺様に無策な提案をするが、馬鹿なのか?と、ついに骨覇魅神が微かに動いたのだ。


「!!」


俺様と鉄扇の目の前から骨覇魅神の姿が消えたのだ!が、直ぐに気付き振り返ったのだ。骨覇魅神が向かった先は…法子達が戦っている方だと!?







私は法子。


私は白骨乙女さんと戦っていたの。彼女の使う奥義の『骨粗鬆掌』は相手の全身の骨を粉砕する恐ろしい技なの。一撃でも当たれば私の骨は体内で砕け散って御陀仏ね?でも、戦いなんてのは最初からそういうものでしょ?だってそうじゃん!銃で撃たれて当たっても、刀で斬られても死ぬだろうし、考えて躊躇してやられるくらいなら考えるのって損じゃん?


「要は割り切れば良いのよ!」


私は白骨乙女さんの突き出した掌を紙一重で躱すと、得意の合気で投げて倒したの。そして待機していた沙悟浄に指示をする。


「早く妖気を封じる術札を貼って!」


「は~い!」


沙悟浄が私が押さえ付けている白骨乙女さんに術札を貼り付けに走って来る。これで、こっちは一段落ね?その時、私は悪寒を感じたの。私の背後から接近して来る何かに危機的状況に私は振り向く。


「う、きゃあああああ!」


何か分からない妖気の塊が私に向かって迫って来ていたの!?


私は咄嗟に白骨乙女さんを抱き起こすと、腕を引っ張り駆け出しながら逃げたの。


「お前、何を?」


「黙って着いてきて!」


けど、白骨乙女さんは私の腕を振り切り、向かって来る妖気を受け入れようと振り向いたの。


「さぁ!来なさい!私がお前を受け入れてやるわ!」


けど、私は再び白骨乙女さんの腕を引っ張り、頬を叩く。


「あなた!いい加減にしなさいよ?いつまで自分を偽っているのよ!」


「何を?私が偽っているですって?お前に何が分かると言うの?」


「分かるわ!」


言い切る私に白骨乙女さんが戸惑いを感じる。そこに例の妖気の塊が寸前にまで迫って来ていたの。私は躊躇せずに叫ぶ。


「お前達!私は今大切な話がしたいの!だから時間くらい稼ぎなさいよ?それも出来ないならお払い箱よ!」


妖気の塊が私と白骨乙女さんを飲み込もうと迫った時、四方から影が飛び込んで来て妖気の塊から私を守るために壁になったの。


「はぁ~?何時間でも何日も稼いでやるぜ!」


「そんなに必要ないらよ?らけど、オラ達は使えるって事を見せてやるら!」


「だからお払い箱なんて言わないでください~」


「も~う。仕方ないわね?私は別にどうでも良いけど手伝ってやるわよ!」



孫悟空だけでなく、八戒と沙悟浄、鉄扇さんまで私を守るように妖気の壁で時間稼ぎになってくれたの。


ありがと


私は本題に入る。白骨乙女さんに迫り、私が感じた彼女の真意に訴える。


「白骨乙女さん。貴女は復讐をしたいんじゃないわね?」


「な、何を?私は!お前は部外者で巻き沿いになっただけのくせに何を?」


「関係ないわ。それに白骨乙女さんの殺気も偽りよ?悪女演じるなら最後まで演じきらないと女優とは言えないわ?今の貴女は二流…三流よ!」


「意味が分からない」


「つまり、本気で殺す気なら私はさっき死んでたわ?躊躇したよね?本気で殺す気なかったわよね?」


確かに彼女は私に骨粗鬆掌で仕止めに来た時に私に当たる寸前軌道が僅かに逸れたの。そこに私は賭けていたのだけど、彼女の目からも微かに殺意でなく安堵が見えたの。


「だったら次は必ず殺すわ!」


「偽りは不要よ?私には全部分かったんだから!白骨乙女さん?貴女は私達を殺したいんじゃないわね?私達に殺されたいのよね?」


「!!」


私は戦っている最中で彼女の心が見えてしまったの。そこで彼女の本心を垣間見えてしまったから…


私は思い出していた。


白骨乙女さんを含む姉妹は化け蜘蛛の妖怪に襲われて命を奪われた。肉体は食べられた後も魂だけは縛られ拘束された。その後は化け蜘蛛の妖怪に命じられるがまま操り人形として人間の男達を連れ込み、化け蜘蛛への餌にしていたの。逆らえなかった。逃げられなかった。心を閉ざすしかなった。そんな時、白骨乙女さんは彼等に出会ったの…


三人の妖怪を連れたお坊様達との出会い。彼等は白骨乙女さんを操っていた化け蜘蛛を倒し、姉妹達を成仏させてくれたの。


しかし…


白骨乙女さんは化け蜘蛛退治の途中で別の妖怪に眠らされてしまう。目覚めた時には全てが終わっていたの。彼女だけが取り残されて…


白骨乙女さんは放浪した。白骨乙女さんの身体は骨と皮だけの肉体。化け蜘蛛の妖怪は消えたのに彼女の身体は呪われたままだったの。もう彼女は人間ではなかった。けれど心までは化け物でもなかったの。


白骨乙女さんは自分自身で死のうと何度となく試した。死ねなかった。旅の途中で知り合った蠍の妖怪に彼女が死ねない理由は肉体への呪いだけでなく、未練が理由だと知らされた。


未練?


白骨乙女さんは彼等に姉妹を助けてくれるなら自分はどうなっても構わないと願った。恨む理由はなかった。けれど、彼女が成仏するためには?


「あの方達の手でなければならない…」


けれど、どうやって?


白骨乙女さんは今の今まで自分がした事を振り返る。例え化け蜘蛛の妖怪に操られていたとしても、言われるがまま恐怖で数多くの人間を誘い込み化け蜘蛛へ捧げていた。そんな自分自身を許して良いのか?逆らう事は出来たのでは?恐怖に抗えなかっただけではないのか?と自問自答したの。

自分自身への怒りと懺悔で白骨乙女さんは決意する。


「彼等の敵として私を殺して貰う…」


けれど、そんな事を頼めるのか?きっと彼等は白骨乙女さんを許すに違いない。それでは駄目なのだと白骨乙女さんは決意する。


自分自身が邪悪な化け物なら、きっと彼等は倒さずにはいられないはずだと!


武術で己を磨き、悪さをしていた妖怪達を狩りながら力を付けていく。それでも限界を感じた彼女は、ある日誰かに呼ばれたの?それは遠く離れた場所からのテレパシーだった。


「誰?誰なの?」


白骨乙女さんは誘われるがまま辿り着いた場所は、人も妖怪も容易に入り込めないような荒れた大地。そこにあったのは強力な結界にて封じ込められていた何者か分からない化け物の祠だったの。


「お前が私を呼んだのか?お前は、誰?」


白骨乙女さんの呼び掛けに祠の中より声が返って来たの。


「私はお前の意思に共有する者。お前の魂の念が私を再び呼び起こしたのだ」


白骨乙女さんは謎の声に警戒する。化け蜘蛛の妖怪に操られていたからこそ、二度と同じ過ちは犯さない。


「私を騙して結界から出ようとしているならお門違いです。私は決して操られたりはしない!」


「ふふふ。用心深い。ならば私の魂と共有するが良い?偽りあるか判断するのはお前だ」


すると謎の声の魂と白骨乙女さんの魂が繋がり、その互いの過去が流れ込む。


「あっあぁぁ…」


そして白骨乙女さんは謎の声の主と魂の契約を交わしたの。


「私が封印を解きます!これよりお前は私の意思に従うのよ!」


封印は予想以上に楽に脆く崩壊した。そして現れた骸骨恐竜の姿をした化け物が起き上がり、白骨乙女さんと結ばれたの。契約ね?


契約は白骨乙女さんの意思に従い力を貸す事。自分自身の意思で姿を現さない事。勝手な行動をすれば契約破棄として自ら命を絶つ事。そして白骨乙女さんの命が消えると同時に命潰える事。これは魂の契約であって、どのような強い力を持っていても逆らえない強制力があるの。つまり絶対服従の契約!



私は白骨乙女さんに向かって訴える。


「自分自身を責めないで!私達は貴女を救いたいの!貴女はもう充分に苦しんだわ?だからお願い…私に貴女を救わせて!」


「だったら私を殺して!私を殺してよ!お願い…」


「!!」


突然泣きじゃくる白骨乙女さんに私も涙を流しながら頷く。


「良いわ…私が貴女を成仏させてあげる…」


私は躊躇いを消して白骨乙女さんに錫杖を突き付けようとした時、



「そうはさせるかぁ!」



骨覇魅神が孫悟空達を覇気で弾き飛ばし、白骨乙女さんの死を前に骨覇魅神が鬼気迫って私に向かって来たの。


えっ~!?


足止めはどうなったの~?


役立たず~!!



そんなこんな。




次回予告


法子に迫る骨覇魅神!


ついに孫悟空がガチバトルだ!

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