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女の子の味方?女の子は正義?特に可愛いは正義?


白骨乙女に襲われた法子と三人の妖怪。


この三人の妖怪の名前を聞いて仰天?


その名は、あの?


私は法子。


えっと…嘘?


私を守るって言い張る三人の妖怪達の名前を聞いて、私は信じられない顔で三人を見る。だって、ほら?皆さんだって驚くでしょ?


あの頭に皿を乗せた妖怪が沙悟浄って、あの河童の?皿を乗せてるから河童とも言えるけど、ほぼ人間に近いわよ?


それに黒豚妖怪が八戒って、猪八戒?黒豚なのに?


それに尻尾がある金髪の彼が孫悟空ですって?



私だって知ってるわよ?あの中国三大なんたらの西遊記の物語くらい。その主人公のキャラが私の目の前にいるって?やっぱり夢?


私は頬をつねるけど痛かった。夢じゃないわ?幻の世界って事でもないわよね?

このリアルを感じる世界は正しく現実であり、私は自分自身が過去にタイムトラベルしたのは何となく感じていたけど、何か私の知る過去とは少し違うと思う。


て、今はそれを考えてる場合じゃないわよね?


今は人質にされてる村人達を救出しなくちゃだわ!



私は三人を集めるとテーブルに村の地図を書いて石を置いて説明し、作戦を順をおって伝えたの。


「良いわね?この作戦でいくわよ?」


「了解!」


三人の妖怪は別に文句なく私に従っていたの。ちょっと覗いた時、三人は今の状況を楽しんでいるようにも思えたの。


「とにかく村人連中を無事に助けて、あの白骨乙女を懲らしめれば良いんだな?」


「オラに任せるらよ!」


「私達が三人揃えば恐い者なんてありませんよ~」


気合い入れる三人を見て私まで楽しくなっていたの。


さてと!


先ずは状況説明ね?


現在、容疑者は村人達を村の中央にある広場に集めています。しかも骨で出来た牢に入れられているために容易には逃がせられないわ?きっと広間に陣取ったのは私達の奇襲を想定しての事だけど、村人を人質にして私達が助けに来ると思うのは、もしかして以前仮にも助けて貰ったからなのかしら?見過ごせないと思っているから?


「………」


私は三人の妖怪を見ると少しだけ信用してみようと思えたの。


でっ?作戦とは?


「交渉しましょ!」




私は孫悟空、八戒、沙悟浄を鎖で縛り、目隠しをして、更に鉄球を足枷にして目の前につき出したの。


「こいつらを私に始末されたくなければ村人を全員解放しなさい!」


唖然とする白骨乙女さんに私は更に交渉する。


「貴女の恨みはコイツらを自ら始末する事でしょ?それを私に先を越されて良いわけ?それとも目の前で私が始末するのを見ている方が良いなら、それでも良いわ?その代わり村人達は解放してよね?」


「えっ?お前はソイツ達の仲間じゃないの?」


「仲間?私が?コイツらと?何故?まさか?」


嫌そうな顔をする私に白骨乙女さんは疑っていたの。


「だったら手始めに誰か始末する?」


と、ここで三人が「えっ?」と、なったの。


「ちょっと待てぇ~」

「話が違うら~」

「冗談ですよね~?」


マジに焦る三人に私は、


「えっ?」


と、手にした刀を妖しく見詰めて言ったの。


「うふっ。今宵はコイツがやけに血に飢えてるわ~」


と、


「さっき購入した刀の気持ちがお前に分かるのかぁ!こらぁ!」

「今宵って今は昼間ですよ?」

「この娘…殺気だってるら~」


「煩いわね?往生際が悪いわよ?あんた達は!あんた達は村人達を救うために命を落として伝説に残るのよ?素晴らしいと思わない?」


「思うかぁ!馬鹿女ぁ!」

「作戦はどうしたら?油断させて村人解放させて、白骨乙女を捕まえるんらろ?」


「想定外の事ってあると思うの。世の中ってそういうものよ?裏切りも騙し合いも、女子高生やってると嫌でも見る事あるのよね?恋愛でもテスト前の「私勉強してないわ~」とか言って油断させておいて本人は実はガチにやってたり。恋愛なんかは更に泥々よ?もう人間不信レベルよ?それに私個人の意見としては女の子の味方でありたいと思うの!女の子は正義なのよ!特に可愛いは正義よ!」


「私にはお前が何を言ってるか分からないわ?」


茫然として聞いていた白骨乙女さんが私の勢いに飲まれる。


「つまり白骨乙女さんが可愛い女性だから私が味方する。それだけです」


キッパリ言い切り、開き直る私は刀を振り上げると三人に向けて妖しく微笑み殺気を放つ。


「短い時間だったけど楽しかったわ?さよなら…」


私が刀を三人の首もとに向けて降り下ろそうとした時、


「ちょっと待ちなさい!」


白骨乙女さんが止めたの。


「私の手で殺らせてちょうだい!この手をソイツ達の血で染めてこそ恨みが晴らせると言うものよ!」


白骨乙女さんは私に近づいて来て刀を渡すように命ずる。


「嫌よ?」


「えっ?裏切るつもり?」


「違うわ!ここまでテンション上がったら私の手で始末しないと気が済まないわ!せっかくのモチベーションを下げさせないでよ?」


「何を言ってるの?私は貴女が分からない。刀を寄越しなさい!」


「だったら一歩引いて先に村人解放してよ?だったら刀貸すわよ?」


「分かったわ…」


白骨乙女さんは少し考えた後、骨で出来た牢が崩れ落ちて村人達が全員解放されたの。驚く村人達を横目に私は渋々刀を白骨乙女さんに手渡したの。


「約束は約束よ?」


その刀を手にした白骨乙女さんは三人に向ける。


「積年の恨み今、晴らしてやるわ!」


「却下!」


「!?」


直後、私から受け取った刀が孫悟空の姿になって、油断していた白骨乙女さんを羽交い締めにしたの。更に縛られていた三人が全員孫悟空の姿に変わって煙と化して消えた。見ると村人達の姿も消えていたの。八戒と沙悟浄が地面に穴を開けてトンネルを作り、村人達を安全な場所に誘導していたの。


「騙したわね!」


怒り狂う白骨乙女さんに私は溜め息をついて答えたの。


「ごめんなさい。私、コロコロ気分とポリシーが代わりやすいのよ。よくお天気屋さんって言われるもん」


「もん。じゃないわ!こいつ達の肩を持つお前も許さないわ!」


恐い顔で私を睨む白骨乙女さんに私は罪悪感を抱くよりも、


「綺麗な女性は怒った顔も素敵だわ~」


と、頬を赤らめたの。


「さてと!次は話し合いの場を作るわ?白骨乙女さん!私達の話を聞いて欲しいの?」


「煩い!こうなったら…全員皆殺しにしてやるわ!」


怒り狂う白骨乙女さんは暴れて孫悟空を突き放そうとするけど、孫悟空の力で強くしっかりと掴まれていたの。


「冷静になって?話せば分かるわ!コイツら、そんなに悪い奴じゃないし?で白骨乙女さんも本当は分かってるんでしょ?」


「煩い!煩い!煩い!」


そこに村人達を避難させた八戒と沙悟浄が戻って来たの。二人は白骨乙女さんの恐い顔に免疫なく怯んで脅えてた。


「駄目な奴らね?」


でも、乗り掛かったからには私が何とかしないとね。


「冷静に落ち着いて、深呼吸三回して?大丈夫。恐くないから話を聞く体制、オッケー?」


「身動き出来ない状態にして何を言ってるのよ!」


とにかく話し合いが大切だわ。私に出来る事はお父さんと師匠から学んだ交渉術の一つ…


「説教!」


白骨乙女さんには暴れないように沙悟浄の術札を使い妖力を抑え付けた後、私はクドクドと長々と恨みからの仕返し、復讐の空しさを話す。口を酸っぱく「良くないわよ!人生無駄にするわよ!」かれこれ一時間喋り通したの。孫悟空、八戒、沙悟浄は恐い者を見るように引いていたわ?


「もう分かったわ…」


白骨乙女さんは顔を伏せながら呟くと、私は目を輝かす。


「分かってくれたのね?」


「分かったわ…思ったより時間かかったけど、もう終わりにしたいわ」


「ん?」


すると白骨乙女さんを拘束していた術札が剥がれたの?


「あ~どうして??」


白骨乙女さんは私達に気付かれないように自分の妖気を術札に流し込み、拘束限界を超えさせていたの。そして解放された白骨乙女さんは飛び上がり私達から距離を取る。


「うははははは!お前達を皆殺しにしてやる!そこの煩い小娘もだ!」


「誰が小煩い姑よ!」


「誰もそんな事を言ってないらよ?」


「でも、あんたら強いんでしょ?何とかしなさい?」


「ちょっと何か尋常じゃない力を白骨乙女さんから感じますよ~??」


「何だ?何かマジに嫌な感じがしやがる?これが数年程度で妖怪化した奴の妖気なのか?」


大地が揺れ初め、白骨乙女さんから放たれる妖気が私達を圧迫させたの。


「う、そ??マジに重い妖気よ?よほど、恨まれてるのね?って、私も巻き沿いになってるんだった…」


すると孫悟空の顔が本気の顔になって白骨乙女さんの背後から感じる妖気を睨んでいたの。


「う、嘘だろ?」


白骨乙女さんの背後に巨大な骸骨が立ち上がったの??


な、何、あれ?


「尋常じゃない妖気ですよ?これが白骨乙女さんの本気なんですか~?」


「違うら!あの背後の影から発する気らよ!ありゃ化けもんら…」


怯む沙悟浄と八戒に孫悟空だけが頬から汗を流して呟いたの。


「まさか…」


「あんた、知ってるの?」


「あれが俺様の知るモノだったら、逃げなきゃヤバいぜ…マジでよ…」



白骨乙女さんは勝利を確信したかのように笑みを見せる。


「お前達を倒すために私は武術を学んだわ!自らを鍛えて鍛えて鍛えて恨みを復讐を叶えるために…でも、漸くお前達を倒せる強さを手に入れたと思えば噂が入って来たのよ?お前達が鵬魔の魔王軍を壊滅させたってね?私はこんな身体じゃ人間としても妖怪としても中途半端。限界があったのよ…」


魔王を壊滅させる程の力を持つ孫悟空達に復讐は無理。

しかし諦めていた白骨乙女さんの表情は歓喜に変わる?


「そこで私は放浪の末、見つけたのよ!お前達を倒す力をね!オホホホホ!」


すると白骨乙女さんの背後の妖気の影が実体化して姿を見せたの!


まるで恐竜のような骸骨の姿へと!?


「何なの~あれ??」


パニクる私は腕を引っ張られると、孫悟空が私と八戒、沙悟浄を引っ張り逃げ出したのよ?


「な、何なの?どうして逃げるのよ~」


「あれはヤバいんだ!今は逃げるが勝ちだぁー!」



えっ?えっ?


何なの??


状況分からないけど、滅茶苦茶大ピンチの私達?



そんなこんな。



次回予告


白骨乙女の背後に現れた妖気の正体は何?


孫悟空がマジに焦る相手なの?


次話に注目よ!

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