桜咲く頃に女子高生の一日の始まり!
それは救世主となる運命を持った少女の物語
それは、創世記神話の黙示録
世界の終幕を左右する運命の子は、
今、旅立つ!
第一部 転生記
第二部 神を導きし救世主
第三部 唯我蓮華~破壊神と呼ばれた少年~
第四部 天上天下・美猴王伝説!
この過去編四部作の謎が解き明かされる集大成!
遂に真の救世主伝説が始まる。
えっ?あれ?
これってどういう状況?
私みたいなごく普通の女子高生が陥る状況じゃないよね?これ?
私は地べたに座り込んだ状態で周りを見る。私の周りには危険極まりないようなゴッツイ武器を持った鬼とも獣とも解らない化け物達に囲まれていた。
これは夢?
夢なら覚めてよ?早く!
と、現実逃避する私に痺れを切らした化け物達が一斉に襲い掛かって来た。
万事休す!!
そう思って目を瞑ったけれど?アレ?襲って来ない?
恐る恐る瞼を開けると、そこには…何処から現れたのか?私の目の前に見知らぬ三人が私を守るように化け物達の前に立ち塞がっていたの。
誰?
私を助けてくれるの?
でも、待って?ちょっと?
よく見ると私を庇うように現れたその三人の姿は異様・・・
お尻に尾のある私と同じくらいの歳の金髪の少年に、頭上に皿を乗せた少年?更に何処から見ても二本足で歩行する黒豚?
・・・って、化け物じゃないのさーー!!
もしかして私を助けるんじゃなくて、獲物を横取りに来ただけって事?
全然危険から回避出来てない?この状況?大ピンチ?
いゃああああ!!
あ~まだ女子高生…
こんな短い一生…
しかも化け物に食べられて汚物になる人生なんて…
そんなの…
超絶悲劇過ぎる~!!
ああぁ…
そう言えば、前にもこんな事あったような?
そうよ!
あれは、確か…
こんな状況の夢を…
以前………
と、思い出そうとした時にけたましい音が響いたの?
えっ?
そこで私は目が覚めた。
アレ?今の夢?
だよね~
と、安堵したのもつかの間、私を見ている気配に気付いて再び驚く。
「きゃあああ!」
私の悲鳴に、気配の主は私に向かって面倒くさそうに言った。
「何を寝惚けてるんだよ?騒がしいよ!早く着替えて降りて来いよな」
と、声の相手は私の部屋の扉を閉めて階段を降りて行った。
とっ…
つまり今見たのは夢で?私は夢に魘され朝から騒いでしまったのね?
突然顔が熱くなり恥ずかしくなった。
そして今さっきの声の相手は私の一つ下の弟の勇斗です。
私は寝惚け顔で枕の横に置いてあった三体の人形を見て睨み付けた。
「この人形のせいで変な夢を見たのね?」
と、人形の額を指で弾いて机の上に放り投げた。
人形は昨日、親友の葉子と一緒に行ったゲームセンターで取った猿と河童と豚の人形だった。
「さ・て・と!」
私は起き上がるとパジャマから着替えて階段を降り、弟が待っている台所に向かった。
「勇斗?お父さんは今日も?」
私の問いに勇斗は答える。
「親父は昼まで起きないぜ?夜中まで近所の親父達と麻雀で酒飲んでいたからな?」
と、朝食のハムエッグを私に手渡した。テーブルには牛乳とオレンジジュースに、サラダが置いてある。
うん。
朝食は弟がいつもしてくれてます。
出来た弟を持つと姉として鼻が高いわ!
「いい加減、飯くらい覚えろよな?女なんだからさ!毎朝用意する身にもなれよな?」
「私は勇斗の作るご飯が大好きなの!それを食べて朝から元気出せるのよ!」
「俺の元気を吸いとるつもりかよ?」
「何とでも言って構わないわ…私は少しでも長く寝ていたいのよ~」
「…ってダメ姉貴!」
私は朝食を終えると、鞄を手にして勇斗に向かって指をさして答える。
「いつも、ありがと!」
と、扉を閉めて逃げるように玄関を出た。
その日は温かく気持ち良い天気でした。
あっ?
ちなみに私に興味あるって?
そうね・・・
えっと、私は今年の四月に高校生になったばかりの女子高生。
髪は栗色のショート・・・
別に染めてはいないわよ?色素が薄いのよ?
瞳も茶色ぽいって言われる。
身長は150㎝で、スリーサイズは発展途上!
あんまりジロジロ見て推測したら目を潰すね?
それから・・・
他に何か聞きたい事あるかな?
まぁ、後ほどかな?
すると風が吹いて、桜が舞い散った。
さ~て!
私の1日が始まる!
私は清々しい気持ちで学校に向かったのでした。
本当、あんな夢を見なきゃ最高の1日の始まりだったのに…
学校の近くまで来ると私と同世代の子達が歩いている。私はキョロキョロしながら歩いていると、私に向かって手を振る女の子を見付けた。
私は手を振り返しながら彼女のもとへ走ると、寸前で手を繋いだ。
「おはよう!」
同時に朝の挨拶をする。
彼女は私の友人の菅田葉子ちゃん。中学の頃からの親友です。髪が背中まであって、大人しい感じの女の子だけど芯の強い娘。趣味はピアノで、見て解る通りの美人さんなのよ!
私が男の子だったら涎が出るわ。
本当に私には勿体ないくらいの最高の親友なのよ?
と、私達が一緒に登校していると、周りの視線が気になった。
いつもの事…
「また男の子達が葉子の事を見てるよ?もう、視線集めて美人は大変ね?」
すると葉子は私を睨みながら答える。
「私は美人じゃないよ?皆、貴女を見ているの気付かないの?」
えっ?
私はその意味を察した。
そう言えば昨日…
ゲームセンターに行く前に不良に絡まれたんだっけ?そこで、顎髭はやした歳上の男がナンパして来て、葉子の肩に腕を回して来たんだよね…
その時に確か…
不良は突然動かなくなった自分の腕に驚くと、自分の腕を掴む私に気付く。
その瞬間。
不良の視界が一回転して、気付いた時には背中に衝撃を受けて意識を失った。呆気に取られた他の不良達の視線の先には私がいるだけ?
何が起きたのか?
理解した時、不良達は私が何かした事に気付く。
だけど何をされた?
解らないまま、怒鳴り声をあげて私に向かって来たから……か弱い私は…
投げました。
そしてダッシュで逃亡!
その一部始終を見ていたうちの学校の生徒が噂を広めて注目を浴びていたのでした。
私は葉子に言い訳をする。
「だって~葉子に手を出してきたから…つい…」
「それは確かに助かったし、嬉しいけど…貴女は女の子なのよ?あんまり、ああゆう事は…」
「はい。ごめんね?」
と、私は舌を出した。
うん。
実は…私…
幼い頃から合気道を護身術として学んでいまして、きっと師範代並の力量らしいのよ。だから並の男じゃ相手にならないわけ…
あはは…
そんな私を見る葉子は思っていた。
「貴女…それでなくても男の子達から人気あるんだからね?自覚がないのが逆に恐いわ」
「えっ?」
「何でもありません」
と、そんなこんなで私の噂は広まり、その日はずっと視線が熱かった。
特にその視線の事以外は何事もなく、学生の本分、意味のちんぷんかんぷんな勉強をして、勇斗の作ってくれた美味しいお昼弁当を食べて、終了のチャイムを聞いて帰り支度をする。
因みに私は帰宅部です。
葉子は吹奏楽部だから帰りはたまにしか一緒になれないのが寂しい。
けど、私は帰宅部に誇りを持っていたの。
終了のチャイムと同時に葉子にお別れを言って、下校する。
毎日の日課…
私は足早に帰宅する。
帰宅途中も視線があった事に私は溜め息をつく。
「でも今日は少ないかな?いつもより…」
と、帰宅した勇斗の作る晩飯を食べて、宿題をして、早々に布団に入ったのでした。
ハイ!
ここまでが私の1日の半分でした。
ん?半分?
そう。半分よ?
深夜の2時に私の目覚まし時計が鳴る。
こんな時間に何故かって?セット間違い?それとも深夜のアニメを見るとか?
うん。
私は覚醒したかのように目覚めると、着替え始める。
その姿は…
コスプレ??
違います!
私は白い衣を纏い玄関を出る。それは陰陽師の装束です。端から見れば確かにコスプレにしか見えないかもしれませんが、私にとっては正装であって仕事着なんですよ?
私は家を出るなり印を結びんで外へ飛び出す。私の家の周りには強力な結界が幾重にも張ってあって、解除の印を結ばないと出られないの。
そして私はダッシュで駆けると、背後からの視線に気付き、近付いて来る気配を感じる。私は追い付かれないように足早に移動すると、飛び上がる?
私は忍者のように他人様の家の屋根に飛び乗ると、屋根伝いに飛び移る。
それでも追って来る気配は近付いて来ていた。
そこで私は人目のない場所を見付けて飛び降りた場所は、私の学校でした。
「やっぱりこんな時間じゃ学校には誰一人いないわね?」
そして気配が私に近付いて来て、その存在を目の当たりにした。
「今日は少なめの十二体か?」
私を追って来ていたのは薄い煙のような何かだった。そ
れは私を追い詰めたと思うと、その正体を現し始める。
その正体は怨霊と呼ばれる人外の者だった。
私は…
「キャアアアアア!」
悲鳴をあげて震えながら蒼白になり、涙を流して顔を覆った。
だって、そうでしょ?
完全に忘れていたわ…
家を出る前に深夜アニメを予約するの忘れていた事に!!完全に絶望!今から戻っても絶望的よ…もう終わりだわ…せっかく四月からずっと見逃さずに観ていたアニメだったのに…
…私は膝をつき何もしたくなくなった。
そんな私に怨霊達は戸惑っていた。
どう見ても自分達を見てとは別の何かに衝撃を受けて絶望する私に…
怨霊達は人間の負の感情を吸収し、力を付ける。
けど、確かに私から負の感情は得られた…けど、何か違う?
何か意図していた何かと全然違う事に不意をつかれていた。
そこに私が呟く。
「あんた達?私の八つ当たり決定!」
怨霊達の思考に疑問が?そして理解に苦しみ、取り敢えず私を襲う安直な答えを導き出す。
一斉に襲い掛かる怨霊達。
けど、一体?また一体と消滅した?
何が起きた?
『術札!』
それは私が投げた念が練り込まれた札。命中したそれは怨霊を浄化させ消滅させたのです。
更に?
私は数珠を手に掴むと念を籠めて次々と指で弾く!
『数珠連弾!』
霊気を籠められた数珠は強化され、弾かれた威力は銃弾のように怨霊達を貫いていく。まさかの襲撃する女子高生に怨霊達は慌てながら上空を飛び回っていたけど、次々と一ヶ所へ集合していき融合し始める。そして目の前には校舎の屋上より巨大な骸骨の怨霊が私を見下ろしていた。
私は見上げる骸骨に数珠を飛ばすけど、流石にビクともしない。
そんな状況下でも私は腰に手を起き胸を張って言った。
「一つだけ忠告しといてあげるわ?私はね?見下ろされるのが大嫌いなのよ!」
私は術札を二枚懐から取り出し左右の手で霊気を籠めながら同時に握ると、発光し光輝きながら伸びていきながら形を成す。それは光輝く金色の錫杖!
私は金色の錫杖を振り回しながら気合いを籠めると、巨大骸骨に向かって構える。
そして飛び上がった!
私は勢いよく飛び上がると、襲い掛かる巨大骸骨の伸ばして来た腕を金の錫杖で叩きつけた。直撃と同時に発光すると、巨大骸骨の腕が浄化させながら消滅した。怯む巨大骸骨は…
「ナァ?ナンナノダ?オマエハ?オマエハ、イッタイ…ナンナノダ?」
その問いを無視し、私は屋上に着地して再び飛び上がり、巨大骸骨の頭部を金色の錫杖で叩きつける。無視され消滅していく巨大骸骨は少し可哀想に思えたので改めて答える。
「私?私は…」
「三蔵 法子!ちょっとお節介な、ごく普通の女子高生よ?」
私は腰に左手を置き、錫杖を構えてポーズをキメて名乗った。
・・・と、私の1日はこれにて終わりになるんだけど?
こんなんで良いかな?
うん。
そんなこんな。
次回予告
ど~も!初めまして、三蔵 法子です!
これから始まる物語、良かったら読んでいってくれると嬉しいな?
さて、次の話は謎のミイラ化事件
この私がお節介ながら解決するからね~
※そうそう長編になるかもしれないから、興味持てたらブックマークしとくと良いかもって・・・言っておくように言われたんだけど、あっ!別に誰かの回し者でも宣伝とかじゃないんだからね?