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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

hdnprgの掌編

残酷な分業

作者: hdnprg

筋骨隆々とした男の全周を、人の背丈と同じ体躯を持つ7体の人形が取り囲んだ。

広場の奥から、燕尾服を着込んだ男が現れる。背後に、ひときわ美しい少女型の人形を従えている。

燕尾服の男は、巨大なめがねの裏でにまりと笑う。

「開演の時間だ。お前に選択肢はない。ここで死ぬ定めだ」燕尾服の男が、すっと右手を上げる。

男を取り囲む人形たちが、ナイフや槍を手に取る。

「さあ、行っておいで、私の娘たち、息子たちよ」燕尾服の男が、右手を振り下ろす。

「「「「「「「はい、お父様!」」」」」」」取り囲んだ人形たちはにっこり笑う。7体が包囲を狭めていく。

「お前も行き賜え、キュイジューヌ」燕尾服の男は、背後の人形へ語りかけ、

「もちろんですわ、お父様」人形は、赤銅の長髪をたなびかせ、風のように走り出した。低くかがみ込み、ターゲットを取り囲む人形の背後へ向かう。

「ガハハハ、このような軟弱な人形で、俺が倒せるものか!」取り囲まれた男は、大声で笑う。取り囲む人形たちの方へ、悠々と歩き出した。

「「「「「「「覚悟!」」」」」」」7体の人形たちが、一斉に走り出した。男の正面に立った3体の人形が、男に接触する。

「ふん」男は人形が突き出す槍をつかみ、人形ごと振り回して、叩きつけた。

「ぁ・・・・・・」槍を握っていた人形の腕がもげて、身体が2つに裂ける。内部の歯車をまき散らしながら吹き飛び、動かなくなった。

「!!!・・・」他2体の人形も、槍の柄を叩きつけられ、吹き飛ばされた。

男は、回転の勢いをそのままに、もげた腕がついたままの槍を背後の人形へ振り向けた。今まさにナイフで襲いかかろうとしていた2体の人形たちは、あっけなく強靱な槍の柄にからめ取られていく。

男が槍を振り抜いた直後、その隙を逃すまいと、最後の2体の人形がナイフで襲いかかる。男は、槍を回転させながら柄を短く持ち直す。一気に速度を上げた柄が人形たちに襲いかかるその時、


人形の腹部から、槍の穂先が飛び出した。


突然現れた凶器に対し、男は身体を捻って避ける。避けきれなかった槍の柄が、男の腹部を切り裂いた。

「あがが、がが、がが」腹部を貫かれた人形が、痙攣を起こしながら崩れ落ちる。その背後から、赤銅の髪の少女が現れた。

「避けるとは、やるわね」

「この、卑怯な・・・」男は、腹部から大量に血を流しながら、少女をにらみつける。

赤銅の少女は、倒れた人形に刺さった槍を掴むと、人形の背を足で押さえ、一気に引き抜いた。大量の部品が飛び散り、人形は動かなくなった。

「とどめを刺してあげるわ」

少女は、刃こぼれした槍を男へ突き立てた。

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