もう一つの終幕
題名通り、もう一つの物語の一時終わりです!
忘れられていた人が登場します!
どうぞ、よろしく!!
そこは四方が囲まれていた。
暗闇を手探りで調べた結果分かったことだ。
仰向けのまま身動き一つ取れないことに気付いた後、自分が上下左右不規則に揺れているのを感じた。
仰向けの状態で運ばれていることから、担架かそれに近いものを連想した。しかしそれにしては大雑把すぎる……。
状況を理解するために記憶を辿ろうとしたところ……ズキ!
後頭部に激痛が走り、顔を歪めた。
他の事は考えられるのに、記憶関連に向かうとカウンターをくらったように痛みが襲う。
自分がどこにいるのか分からない。自分が誰なのかもわからない……。
「ここはどこ!?助けて!!助けてよぉ!!」
癇癪を起こした子どものように、周囲をがむしゃらに叩き回した。
幾度も呼び掛け、返事を求めたが、返ってくるのは体を打ち付ける振動のみ……。
被害妄想が襲い掛かり、理性を喰い尽くしていく様を垣間見た。
自分はこのまま処刑場まで運ばれて、血祭りに上げられるのではないか?実は自分は既に死んでいて死の世界へと運ばれているのでは……。
ならいっそ、自ら命を絶ってしまえば……。
そう思った瞬間、揺れが収まった。
耳に響いていた雑音はピタリと止み、光が視界を広げた―。
「ようこそ、日高夏樹くん。手荒な扱いをしてすまなかったね」
光に少しずつ慣れていき、周囲が次第に色を帯び始める。
日高夏樹を見つめるのは、一人の大男だった。短髪を逆立てた髪。初夏に相応しいタンクトップ。そこから溢れる筋肉が、彼の強さを形容している。
そんな男からは考えられない丁寧な口調に、夏樹は訝しく思った。
「日高夏樹……それが僕の名前?どうして、僕の名前を知ってるんですか?あなたは一体……?」
「夏樹くん?もしかして……」
夏樹と呼ばれてもピンと来ない夏樹を注視すると、大男は手を差し出し、夏樹の頭に触れた。……バチッ。
大男の手から発せられた静電気のような音に、ビクッとする夏樹だったが、数秒の間を埋めるように優しく頭を撫でる。
「夏樹くん、平気さ。私が君を治してあげるから。……ゆっくり、ゆっくり、目を閉じるんだ」
大男には似つかわしい柔らかい手で撫でられた夏樹は、記憶の断片に似た光景を見た気がして、そのまま意識を落とした。
もう一人の少年の一日が終わった。
……分かってますって、遅すぎると思ってるんですよね?
ごめんなさい!と同時に、小説の勉強していたと告げさせてください!
文に変化は少ないかもしれませんが、微妙に違ってる筈です!笑
読んで頂いた人に多大な感謝をして、私は次の話考えます(∗•ω•∗)