第一話
ほんの少し残酷な描写があります。
ぐだぐだになると思うので、ご注意を・・・(・∀・;)
リィヘルニアでは、死闘が繰り広げられていた。
つまりは戦争である。
リィヘルニアは大陸の名前で、26余りの国々に分かれていた。
しかし、南レルニカ王国と、エレシス共和国という大国が、ちょっとした行き違いで争いを始めてしまったのだ。
そして結局、大陸は13国と13国にに分かれ、死闘を繰り広げていた―――――。
(どうしたものか・・・)
南レルニカ王国の7人の大臣の中の一人、シーオドア・メルニーは、頭を悩ませていた。
何に悩んでいるかと言うと、戦争についてだ。
この戦争は、エレシス共和国がレルニカからの使いを暗殺者だと勘違いし、殺してしまったのが原因だった。
当初、こっち側ではエレシスなど簡単に落とせる、と思っていたが、なかなかエレシスは強い。
さらに小さいけれど強いアリスシア国も味方につけたため、しまいにはこちらが劣勢になってきているのだ。
そんな事を考えながら、シーオドアは市場を歩いていた。
シーオドアは商業大臣で、これは監督をしているのだ。ただ歩いているわけではない。
「ねえねえ、聞いた?」
小さいおさげの女の子が、男の子に話しかけている。
「何が?」
「ルーナ姫のお話。エリクの家のお母さん、昨日死んじゃったでしょう?それで・・・」
「あっ、僕も聞いたよ!夢にルーナ姫が出てきて慰めてくれたんでしょ?」
女の子がうなずく。
「そう!ルーナ姫って、きれいだし、優しいし・・・。私もあんな感じになりたいなぁ・・・」
「無理だよ」
「だけど、星占いが出来たらなれるはずよ」
「出来ないだろ?」
ルーナ姫。
その話はシーオドアも聞いた事があった。
まだとても幼い時の話だが、大切人が死んだ夜の夢にはルーナ姫という人が出てくる、という伝説が流行っていた。
ちょうどその時期に母親が病に倒れ、あっけなく死んでしまったのだ。
だが、シーオドアは泣かずに耐えた。
泣いたりなんかしたら、父親が怒る事は目に見えている。さらに、伝説の類は信じない少年だった。
しかし、実際に出てきたのだ。
満月と同じ色の髪、夜空と同じ色の目をし、奇妙な格好の美しい女の人が。
奇妙な格好と言うのは、首元は東洋の国の民族服のような感じで、後はドレスのような服だったのだが、腕には南の方の国の衣装のような、薄紫の薄い布を絡ませていた。
そして、その女の人は言ったのだ。
「泣いてもいいのよ」
そこからは、よく覚えていない―――
昔の思い出に浸っていた自分に気付き、慌てて気を引き締める。
そして、人通りの少ない市場をまた歩き出した。
自分を影から見つめている者がいるとも知らず。
リィヘルニアはヨーロッパのつもりです(*・ω・)ノ
服の説明については、チャイナ服とアラビアの服と、フリルつきドレスを混ぜた感じです(ノω<;)
文学の才能がほしい・・・