表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
愛の形  作者: シュガー
6/7

始まりに向かって


何かが壊れていく音を聞いた気がした。

もう元には戻れないほどに粉々に砕けてしまった音を。


ローゼディスク公家の王都にある邸宅の一室に主の娘レイシアはいた。


「姫様、グローリア公が今、旦那さまとお話をなさっているそうですよ。」


本を閉じ、紅茶を運んできた亡くなった姉の乳姉妹ラーナを振り返る。


「フレック兄様が?」


「ええ。旦那様と難しいお話をされているそうですわ。しばらくしたら姫様をお呼びになるそうです。」


「私を?お父様とのお話なら国に関わることでしょう。」


ラーナは何やら考えて、思い出したように手をたたいた。


「恐らく、陛下と寵姫のことではないかと…。城では今、陛下のご結婚に対する噂で持ち切りだそうですよ。」


レイシアも陛下と寵姫の噂は耳に入っていた。

あの女嫌いの陛下が唯一目に留めた女性。

でも、フレック兄様は寵姫を気に入らず陛下と対立しているとの噂もつい先日に耳に入ってきた。

ローゼディスク公家に回る情報は早い。ローゼディスク公家の秘密の一つのお陰だ。

今は家を留守にしている兄ジェラルドは外交官として他国に名が広まるほどの腕前で他の国を牽制している。故に皇族であろうとローゼディスク公家に敵対する者はいなかった。

レイシアは今の皇家の状態をお父様が静観している訳がないと考えた。

お父様は皇家に対し口を出すことは殆どない。しかし国に関わるとなれば陛下を敵に回してでも行動に移す。普段は物静かで温厚だが、内に牙を隠し持っている。それがローゼディスク公家の当主の姿だ。

何かしらの策をフレック兄様と講じているんだわ。

でも、呼び出すということは私にも関わりがあると取って良いのかしら。

何か良くないことが起きている。

国にとってか。

家にとってか。

私にとってか。

急に襲う寒気に震えながら、呼ばれる時を待った。










また少し付け加えるかもしれませんが、よろしくお願いします。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ