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ブレイカーズ ─大好きなゲームのラスボスに転生したので破滅を回避しつつ続編を生み出します  作者: 七宮ペポポ


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6/9

第6話「ラスボスだったけど、精神操作します」

前回、正直にステータスを開示したことにより何者なのか問い詰められる俺


「アスノ!お前本当はS級冒険者なんだろ?」

「アッ……ア…アッ」






挿絵(By みてみん)








軽くなった財布から金貨を取り出し、アークの前に捧げるように差し出す

「怖ぇえよなんだその顔っ 強請ってるわけじゃないぞ」


エミルはというと、いつの間にか俺のギルドカードを指先で器用に回しながら眺めていた。

光にかざして透かしを見るように目を細め、口元をわずかに歪める。


「ランクもC…これ、アンタやったわね?」

と、まるで悪戯を見つけた猫みたいな顔で俺を見た。


確かにやったけどッ!それをまた言えば色々問い詰められそうだし

もうどうしたらどうしたドウスレバインダー‼


「わァ…あ…」




挿絵(By みてみん)







「泣いちゃった!?」





両手でホットミルクのカップを包み込むように持つ

手からじんわり伝わる温もり

一口飲むごとに少しずつ呼吸が戻っていくのがわかった。


「落ち着きました?」

「うん」


三人は気になりつつも俺の様子を見て深くつつくことはやめてくれた

まぁ俺が何者であっても、契約魔法でアーク達に危害を加えることはできないから

引いてくれたと考えるのが合理的だろう



「じゃあ今度は俺達の番だな」


そう言うとアークは俺の前にステータスを表示させた


――――

アーク・ブレイズ:LV7

ジョブ:魔法戦士

魔法属性:光 年齢19 身長180cm

スキル:

・収納魔法

・剣術

・初級火魔法

・初級雷魔法

・初、中級光魔法

・初級回復魔法

生産:釣り(Lv3)、狩猟(Lv4)、伐採、農業(Lv3)

加工:修理

etc,

――――


(大体ゲーム初期データと同じだな)


ゲームではアークは近距離、遠距離戦もこなせ

補助スキルも優れるキャラクターだった

良く言えば万能型、悪く言えば器用貧乏

プレイヤーの好みでどんなタイプにも育成することが可能だった


ゲームと違うのは収納魔法くらいで

戦技は単一も多数にも使える技をいくつか覚えていた


(今のステータスだと上級職はブレイブヒーローあたりにするのが良いかな)



「こんなんですけど、アークは収納魔法が使えるんですよ」

ミーナが言う


それを聞き、アークは胸を少し張り、得意げに両手を腰につける。


「いい魔法だぞ、あったかい飯がいつでも食えて」

「なんだろ…レア魔法なのに一気に俗っぽくなっちゃった……」

「まぁアスノさんも使えるみたいだから驚くことないと思うけど」


ゲーム中はアイテムは道具袋になんでも入れることができて

金預けるとこで道具も預けることができたが、全然使うことがなかった

道具袋がアークの収納魔法という形で反映されたのかな


ゲームでのアイテム預かり所はバグ技でアイテムを増殖するくらいしか利用価値はなかった

この世界でもあのバグ技が使えるか興味はあるけど

ミスるとゲームデータ消えたし、それに相応するこの世界でのリスクを考えると

試すのは止めたほうがいいだろう


「次は私ですね、アスノさんに比べたらミジンコみたいですけど…」


――――

ミーナ・ナジミ:Lv6

ジョブ:メイジ

魔法属性:水 年齢18 身長160

スキル:

・杖術

・初級、中級水魔法

・初級、中級回復魔法

・初級、中級補助魔法

 生産:料理(Lv4)、家事、裁縫、写本、畜産(Lv3)、農業(Lv3)

etc

――――


(ミーナもアーク同様、ゲーム初期値と変わったところはないな)


ミーナはバフ要因として使用してるプレイヤーが多かったが

メイジからの上級職、モンクにして前衛として運用することも可能で

その場合アークより火力が出る

他にはゲームプレアブルキャラの中で一番料理スキルの上達が早いので

アークに大量に飯を食わせる役目も担っていた

公式プロフィールではスリーサイズは82/58/82


「回復、補助は任せて…と言いたいところですけど、アスノさんには必要ないかなぁ」

ミーナは指先をつつき合わせて苦笑いし、視線を少し上に泳がせる。


「そんなことないですよ」

「てか大体の場合、もうアスノ一人でいいんじゃないか?ってなるだろ」


エミルは肩をすくめ、テーブルに肘をついて軽く頷く。

「少なくともチホート周辺ではそうでしょうね」


(パーティに入ったのにソロプレイを推奨されてるみたいで寂しい……)



エミル「最後は私ね」


――――

エミル・シーダ Lv24

ジョブ:ローグ

魔法属性:風 年齢21 身長165

スキル:

・短剣術

・弓術

・槍術

・初級、中級風魔法

・学術:考古学、生物学、植物学、動物学

・生産:裁縫(Lv4)、料理(Lv6)、美術、農業(Lv3)、畜産(Lv3)、

 狩猟(Lv4)

etc

――――


(考古学、生物学、植物学、動物学 結構博識だ

 生産系スキルはアーク達とそんな変わらないか

 裁縫があるのが以外…あっ料理がミーナよりも高いぞ

 ミーナの料理の先生だったのかな


ローグはスカウトからの上級職、弓と短剣を主体とした近・中距離での戦闘が得意だ

同等級の別職で二刀流を覚えてから戦技の乱斬りを使うと楽に高ダメージがゲームだと出せた

また所謂「回避盾」としての運用も可能、その場合装備を集めるのがちょっと大変


(ゲームでのジョブ固有技、組み合わせによる変化はこの世界だとどうなるんだ?

 二刀流乱斬りなんてエフェクトだと4回斬るのが8回になるだけだし

 別職で二刀流覚える必要なく8回斬れるよな…)


そもそのマジブレはターン制RPGだったけどこの世界に降り立った現在はターンとかないだろ

RTSとして考える? うーん…ジョブに関して、俺のゲーム知識は活かせるんだろうか

というかまだ一回も魔物と戦闘してないし…ジュエル狩りの前に色々準備しないと


などと考えながら俺はエミルのステータスを見て思ったことを口にする


「料理、お上手なんですね」

「人並みよ、人並み」

「エミ姉はお店出せるくらい上手なんですよ!」

「言い過ぎだって 数こなせばミーナなら私より上手になれるわよ」


その数をこなすってのが大変だと思うけどな


「鍋で煮れば大抵食えるようになるだろ」

「アンタも料理覚えれば?まぁ質より量のアンタには期待できないか」

「お前とミーナがやってくれるだろ」

「はぁー まったく… 」

ため息を吐きながもその顔に不快感はなく、慈愛の表情が見てとれた



俺はアーク達のステータスを眺めながら

彼らの装備をチャックしていた


――――

【アーク・ブレイズ 装備】

武器:ブロードソード(+3)

防具:皮のジャケット

装飾:冒険者の腕輪

――――


――――

【ミーナ・ナジミ 装備】

武器:ウォーターロッド

防具:見習いメイジのローブ

装飾:マナチャーム

――――


――――

【エミル・シーダ 装備】

武器:ハンターナイフ・ショートボウ

防具:スカウトレザー

装飾:察知のペンダント

――――


(ジュエル狩り…という名目で皆に強い装備を渡しておこう)

 

「ジュエル系は固くて素早いので皆さんの今の装備だとダメージが入らないかもしれません。俺の手持ちのを渡すので使ってください」


「良いの?リース代、先に出すわ」

「いえ、俺が勝手にしてることなので必要ないです」

「ジュエル系ってそんなに硬いのか?味は?」


俺は収納魔法から二つの武器を取り出した。

テーブルに置くと、金属の澄んだ音が鳴る。


「アークさんとミーナさんはこれを使ってください」


アークは片方の剣を持ち上げ、光の角度を変えながらじっくり確かめた。

ミーナも杖を胸元で抱えるようにして覗き込んでいる。


「おぉ…魔石強化の武器か。重さも丁度いい」

「綺麗……アスノさん、どこでこんなの手に入れたんですか?」


「ちょっと……家の宝物庫から拝借して…」

「へぇ~ アンタ貴族なのか?」


しまった失言だったか?

でもアーク達に嘘吐きたくないんだよなぁ


「家のとは言ったけど、”自分の家”とは言ってないわよアーク」


エミルは意地悪な笑みを浮かべて言う


「なるほどな、これは衛兵に報告しないと、だな?」


ニヤニヤしながら非常に困ることを口にしないでくれ!

万が一俺がガーランド家の人間だと知れると余計な面倒がアーク達にかかる!


「誓って(人様の家から)盗みはやってません!」


「ちょっと!ふたり共!」

「ハハハッ 悪い悪い、冗談だ」

「ふふっ からかい甲斐があるわね」


勘弁してほしい、冗談というのは皆で愉快に笑えることを言うんだぞ

あっ そっか 俺は ”皆”の中にはい って な─


俺はバッっと天を仰ぎ、右手を額に押し当て自らに魔法をかける


精神操作マインドハック


そうだよ、ここは魔法のある世界。沈んだ心に精神操作魔法がスーっと効いて─

ネガる心は追いやればいいんだ、簡単なことじゃあないか!


「今アスノ何やったんだ?」

「わからない…知らない魔法だったよ」

「闇魔法…かしら? 闇魔法は使い手が少ないから私にもさっぱりだわ」



こそこそ3人で話してたけどキモいとか言われてなくて一安心

さて、気を取り直して本題のエミルの装備を渡そう


ジュエル狩りでエミルは死ぬ可能性だってあるんだ

何が起こるかわからない。「ダンジョンに潜る」ということに対して全対策せねば─



武器も防具もアクセサリも全て「守」に注ぎ込んだ装備にする



俺は2つの武器をテーブルに並べた。


――――

【守護のグレイスダガー】

効果:自身の防御力30%上昇


【聖障のシールドボウ】

効果:自身の魔防30%上昇

――――


(どっちも“守るため”の武器だ…エミルは火力より安全第一だし、これは確定だな)




次に防具の候補を3つ、頭の中で並べた。


――――

① 【半減のガーディアンコート】

 装備者の受けるダメージ半減。


② 【影走りのフェザークロス】

 ダメージ25%減少、回避率30%上昇。


③ 【精霊連理のエレメントスケイル】

 火・水・風属性攻撃の吸収。

――――


(生存重視ならガーディアンコートで即決だけど、

 ダンジョンの不規則攻撃なら回避も重要……

 属性吸収は強いが。火・水・風を以外の敵だったらまずいことになる

 どうする俺……どうする俺!選べない!)


頭を抱えたくなるほど迷う。

どれも「死なせない」ための解だ



一旦防具のことは忘れて

アクセサリを先に選ぶことにした

その時、ふと思った。


(……ゲームではアクセ二つまでだったけど、現実なら制限ないのでは?

 指輪なら手で最低10個いけるし、首飾りも重ね付けできないか?)


試すように、収納魔法から次々取り出す──


首飾り4つ

――――

「精霊のリボン」

すべての状態異常無効化


【鉄壁の護符】

 物理ダメージ15%カット


【清澄のマナペンダント】

 魔防10%上昇


【不屈のタリスマン】

 HP自然回復量上昇


――――


指輪10個

――――

① 不屈のリング:HPが0になった際、確率でHP1で生き残る

② 魔障のリング:魔防+10%

③ 俊敏のリング:回避+10%

④ 活力のリング:最大HP+10%

⑤ 精気のリング:最大MP+10%

⑥ 守護のリング:防御力+10%

⑦ 結界のリング:一定確率でダメージを無効化

⑧ 軽身のリング:重量軽減

⑨ 反射のリング:軽度の魔法反射

⑩ 耐圧のリング:圧迫・拘束系ダメージ軽減

――――


(これ全部つけられればかなり生存率上がるぞ! 早速つけてもらおう!

 防具も3つ渡して好きなのつかってもらえばいい)



「エミルさんにはこれを」


そう言って俺は先程頭の中で考えていた装備を

収納魔法の中から取り出す


目の前の山のような装備を見て、エミルは完全に固まった。


「多い! 多すぎるわよ!! なんでこんなにあるのよ!?」


両手を震わせながら装備の山を指さす。


「指輪だけで十個!? 首飾り4つ!? 防具も3つ!? 重すぎない!?」


「え、えっと……全部必要かなって……

 その……あなたを絶対に死なせたくないので……」


「重いわそれは!! 物理的にも気持ち的にも!!」


「これ…どれもすごい高価な装備ばかりじゃないですか」

「なんだ?アスノはエミルに惚れたのか?」


アークが変なこと言った気がするが無視する

高価といっても一番良い装備は持ってきてない

上から3番目くらいの装備を持ってきたんだ

デニスの最強装備も家宝として宝物庫に仕舞われてたんだけど

あれ持ってきたら絶対追われると思った。

だから謙虚に上から3番目くらいので抑えた


「こんな高いの怖くて持ち歩けないわ! ダンジョン突入前に渡して!」

「わかり…ました。 ただ…ダンジョンに入るときは絶対に装備してくださいね」

「こんな過剰な装備なくてもいいでしょ!?」


やり過ぎぐらいが丁度良いだろう、ただ心配なんだ。




一通り渡し終え、ようやく胸が軽くなった気がした。

テーブルの横に置いたホットミルクはすっかり冷めて不味い牛乳になってしまった。

まずい牛乳を飲みながら、俺が一度ダンジョンを偵察し、

その後に転移魔法で向かう予定を立てる。

アーク達は先にギルドで受けた依頼を片さないといけないらしい


「至れり尽くせりというか…良いの?本当に」

「俺がしたいからしてるだけですよ、エミルさんが気に病むことは何もありません」

「なんか過剰なのよね…やることなす事 それが怪しいっていうか」


そう…かなぁ? 誰しも推しキャラ達に出会えたらコレくらいすると思うけど


「話も片付いたし、そろそろ宿に戻るか」

「そだね、帰ろっか!」


その言葉を聞いて、俺はある事実に気付く。


(……あ、俺、宿をまだ取ってない)


どうしようかと考えあぐねていると、アークが言った。


「お前、まだ宿取ってねぇんだろ? 

 俺達が泊まってるとこ、部屋空いてたはずだぜ」


「一緒に行きましょう! みんなで泊まれたら楽しいし!」


その自然な誘いが、胸の奥をやわらかく締めつけた。


(……嬉しい)


そんな俺を見て、アークがひとつ咳払いした。


「あとさー お前、俺に敬語使うのやめろよ

アンタの方が年上だし、慣れねぇんだよそういうの」


「私のことも”さん”づけとかしないでいいからね!」


「私はどっちでもいいわ。好きにして」


その瞬間──

胸が熱くなり、顔がゆるむ。

仲間として認められた、そんな感情が一気に込み上げてきた。


(……だめだ、にやける……やばい……絶対気持ち悪い顔になってる……!!)


耐えられず、俺は即座に魔法を発動した。


精神操作マインドハック


「「「また謎の魔法!?」」」


ブックマーク、☆など頂けると今後の活動の励みになります。

よろしくお願い致します!


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