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四精霊13☆

 それでは今回も再発防止のための原因分析をしてみましょう。


 今回の死因:酸素欠乏症による窒息。

 では、今回もその原因を人的、物的、管理的要因の三つの視点から見ていきましょう。

 尚、実際に日本で酸素欠乏症や硫化水素中毒の恐れがある場所での作業を行う場合、その業務の内容に応じて特別教育・技能講習が必要となります。


 まずは人的要因。これは異常を感じ取りながらもその場に留まり、作業を続行した点が挙げられます。

 酸欠の危険のある場所に長時間滞在し、実際に理人さん、リンさん共に体調不良を訴えているにも関わらず、あくまでも疲労が原因であると誤った判断を下したことが、事態をより悪化させることに繋がりました。


 大気中の酸素濃度は通常およそ21%。人体に悪影響の出ない限界の濃度が18%と言われています。また16%を下回ると自覚症状が現れ始め、8%を下回ると昏倒、更に6%を下回る場合、今回の理人さんのように瞬時に昏倒し、そのまま死亡する恐れがあります。

 当たり前の話ですが、通常空気中の酸素を目で見ることは出来ません。このため、例えば飛来・落下物や回転体のように危険の予測が容易なケースに比べ、酸欠は目に見えない危険だと言えます。

 そして見えないからこそ、その危険がある場所では常に酸欠についての危機意識を持ち続ける必要があります。


 そしてこれまた当然ではありますが、危機意識を持つためには正しい知識が必要であり、故にそうでない二人が酸欠の危険性のある場所に立ち入ってしまったこと自体が問題と言えるでしょう。

 それに付随する内容ですが、保護具や計器類を正確に扱っていなかったことも原因と言えます。

 直前の棚に送気マスクを始め、酸欠対策の保護具や計器類などが置かれていましたが、それらを適切に使用していれば最悪の事態は避けられたと言えるでしょう。


 次に物的要因ですが、これには作業環境の注意喚起が不足しているという点が挙げられます。

 酸欠の危険がある場所に誰でも立ち入れてしまう状態のまま放置していては、そのつもりがなくとも誤進入する危険性はあり、或いは今回のように酸欠の危険があること自体を知らない者が立ち入ってしまう可能性があります。

 また、保護具に関して一切の説明がなされていなかったのも問題です。いくら道具を揃えても、その使い方が分からないままでは意味がありません。正確な着用と使用法が誤解なく周知できるよう明示しておく必要がありました。


 また、装具の付け忘れや不十分な着装などのチェックには共同作業者との対面確認が有効ですが、それに加えて姿見などを設置し、自らの着装を確認できるようにしておくとよりミスをなくせるでしょう。

 危険の明示、作業手順の明示、保護具や器具の使用方法の明示を徹底し、現場の状況やそこに想定される危険について作業員全員が共通の理解を持っていることは安全の基本であることを忘れないようにしましょう。


 次に管理的要因ですが、これには酸欠の危険がある場所でのルールが設定されていなかったことが挙げられます。

 今回理人さんとリンさんは同時に酸欠の危険のある場所へと進入しましたが、これでは今回のようにどちらかが不調を訴え、或いは意識を失ったとしても対処することは困難です。

 事実、理人さんは倒れてしまったリンさんを助け起こそうとしたところで転倒し、より酸素濃度の低い溝に転落しています。当たり前の話ですが、同じ場所にいる二人のうち片方が酸欠で昏倒した場合、もう一人も同じ状態=酸欠で昏倒する状態に置かれています。

 このため、作業状況を常に確認し、異常があった場合には即座に対応できる監視人を設置する必要がありました。


 そして繰り返しになりますが、こうした作業に従事するためには従事者正しい知識を持っていることが大前提となります。よって今回のやり直しの際には彼らに必要な知識を付与させての再開となります。


 それでは、こうした点を考慮して、今回もより安全な方法、安全な環境で彼らにやり直させましょう。それでは、ご安全に!


(つづく)

今日は短め

続きは明日に

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