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イケメンクズ王子の呪縛からさよならします。お兄様、私は初恋から目が醒めましたでしょうか?  作者: 星野 満


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12. アル王子登場でまたまた爆弾発言!

※ 2025/10/31 加筆修正済み

◇ ◇ ◇  ◇



「パンパカパーン、パンカパ・パンパカパーン!」


 夜の部のファンファーレが高らかに鳴り響いた。


 アル王子が大広間に入ってきた合図だ。


 いつしかアル王子の祝賀会が、始まる時間になっていた。

 ファデもユリウスも思わず体をびくっとする。


 大広間の人々の大歓声が聞こえた。

 遠目だったがアル王子がハニー嬢を伴なって現れるのが見えた。


 ユリウスは慌てて言った。


「ファデ嬢、大広間に入るより一旦隣の部屋から入りましょう。そのまま廊下に出てお化粧室で化粧を直した方がいい、僕はその前で待っています」


 ユリウス王子はファデの泣き顔で化粧崩れの顔を案じた。


「あ、そうですわね!」


 フェデも自分の手を見てマスカラやアイシャドーが落ちてるのが分かった。


 

 大広間の隣の部屋はバルコニーづたいに入れたのだ。

 

 二人は、慌てて隣の部屋に入っていった。



◇ ◇


 

 大広間では盛大にアル王子の生誕記念の乾杯をしていた。


 大広間も学園生の他に招待客が一段と増えていた。


 ユリウス王子の祝賀会とは違って、アル王子は第一王子ということもあり、王族や生徒の親や親族も来場していた。


 その中には王宮騎士団を従えた、アル王子の父王と義理の王妃と異母妹もいる。

 

 生徒の親の中には、ハニー嬢の父親、成金伯爵のオペラ伯もいた。


 そしてファデの兄、アンリも出席していた。

 


 なにやらアンリは王族席に座してる国王と、書面を見ながらコソコソと話をしていた。

 

 アンリの言葉を聞いた国王の表情はとても険しい。

 酷く困惑してるようにも見えた。


 それとはお構いなしに、主賓のアル王子は既に酒を飲み過ぎたのか上機嫌で顔がとても赤い。

 

 王子の隣のパートナーは、ファデに伝えた通り、ハニー伯爵令嬢が隣席していた。

 

 ピンクがかった飴色髪をアップにして、胸元が顕わな黄色いドレスが艶めかしく、かつ愛くるしかった。


 「ねえ、アル殿下の隣に座られてる令嬢はどなたですの?」

 「あら本当ですわ? 可愛らしいけど見かけない令嬢ね」

 「どうしたのかしら、アル殿下の誕生日だというのにフィアンセのファデット嬢はどこへ?」

 

 既に学園の生徒たちは、ハニー嬢がアル王子の想い人と暗黙の了解だったが、何も知らない生徒の母親たちがコソコソと噂をしだした。


 特に高位貴族の親たちは、なぜアル王子の隣席にメルローズ公爵令嬢ではなく、ハニー伯爵令嬢が座しているのか不思議でならなかった。



 本日の王子たちの祝賀会は、学園行事の一つなので公式の場ではない。

 あくまでも学園内向きの祝賀会である。今夏、アル王子が学園を卒業した後で行う戴冠式が本番だった。


 同時に戴冠式は結婚式でもあり、教会での挙式後は王宮殿のバルコニーから王太子と王太子妃は、王都民を王宮に招いて盛大に祝福を受ける手はずとなる。

 

 本来ならそこには王太子妃となったファデがいる場所なのだが⋯⋯。


 

 ◇ ◇



 夜の部も昼の部と同様にスムーズに進行していく。

 いよいよアル王子のスピーチとなった。


「アル殿下、どうかスピーチをお願い致します」と司会が伝えて盛大な拍手の中。


「あいわかった」

 

 とアル王子は主賓席から立ち上がった。



「ああ諸君!今宵ここへ(つど)ってくれた多くの方達に感謝致します。この三年余り貴族学院の日々は私にとってとても意義あるものでした……」


 アル王子は饒舌だったが、そうとう酔っているのか、時おり体を左右にふら付かせてスピーチをしている。

  

 アル王子の側近たちは、王子が泥酔状態と分かり心配でハラハラしていた。


 案の定、アル王子はスピーチで不味い事を口走ってしまう。


「え~、最後に今日、僕の隣に座っているハニー・オペラ伯爵令嬢、彼女はいま僕が最も愛する人です。僕は堪らなくハニー嬢を愛している。なので彼女を僕の王太子妃と決定しました!」


「は?」

「何ですと?」

「わたくしの聞き間違いかしら?今、王太子妃がオペラ伯爵の娘っていいました?」


 王子の発言に学園の生徒よりも、彼等の親たちが一斉に反応した。


 そのままおかまいなしに、アル王子は顔を真っ赤にして上機嫌でスピーチを続けた。


「とはいえ、長年僕の側にいたファデ・メルローズ公爵令嬢も僕には必要な女性(ひと)だ。彼女は側妃として僕の力となって貰う! どうか皆さん、これからも二人を温かく見守ってあげてください!」


「まあ何てことでしょう、メルローズ公爵家の令嬢が側妃!?」

「これは驚いたな、大事だろう?」

 

 場内はアル王子の爆弾発言で騒然としてきた。



◇ ◇



 その時、一番後ろにファデとユリウスがじっとアル王子の様子を凝視していた。

 ファデの顔はすっかり化粧直しをして見違えるようにすっきりしていた。

 

 そして、いつになく強い意志を持った、キリリとした表情をしている。



 ──アル王子、とうとう爆弾発言をしましたね。


 大勢の王侯貴族の中で私だけでなくメルローズ公爵家を侮辱した。


 よろしい、そちらが宣戦布告をしたなら私もあなたと戦いますわ。

 この大勢の人たちの前であなたと私のバトルを開始いたしますわ!


 ファデは血気盛んにすみれ色の瞳を蘭々(らんらん)に輝かせていた。


 今のファデにはアル王子と接する時の、おどおどと気後れした表情は微塵もなかった。





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― 新着の感想 ―
アル王子やっちゃいましたね〜!もう後戻りはできないですよ〜!
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