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第95話 ウニス・ウニグ島再上陸、1回目の襲撃


 王都を出港して9日目の夕方。船員たちの騒ぐ声が夕食を終えたわたしたちの船室まで聞こえてきた。船員たちは陸地が見えたと言っている。


 部屋から甲板に出たわたしたちは海上を見渡したけれどどこにも陸地は見えなかった。



 翌早朝。


 船窓から外を見ると、すぐ先に陸地が広がっているのが見えた。


 朝食を食べながら、ハーネス隊長から次の八点鐘(8じのかね)でボートに乗って上陸すると告げられた。



 出発時刻になり艦長たちの見送りの中、ペイルレディ号に横付けされたボートにわたしたち調査隊5人は堅パンを各自60個追加したリュックを背負って乗り組んだ。


 堅パンについてはわたしがアイテムボックスにみんなの分を収納して運ぼうかと提案したところ、ハーネス隊長から、


「シズカにもしものことがあった場合、パンがどうなるか分からない以上、各自で運ぼう」と言われた。もっともな話だ。



 ペイルレディ号から離れたボートは500メートルほど先の陸地に向かって漕ぎ進み、遠浅の浅瀬に乗り上げた。そこでわたしたちはボートを降り、ボートを漕いでくれていた船員たちがボートを方向転換してペイルレディ号に漕ぎ戻っていった。


 ボートを降りたところで膝から下が濡れてしまいブーツの中に水が入ってしまったので砂浜で各自クリンを使ってブーツと濡れた鎧下を乾かした。


「1時間移動しては10分休みを2回繰り返し、3回目の1時間移動の後30分休憩、その後1時間移動しては10分休みを2回繰り返し、3回目の1時間移動でその日の移動を終えるパターンで移動する。

 今日は変則で午前中10分の休憩をはさんで2時間移動し、30分休憩した後はパターン通りに移動する。

 最後の1時間は野営地を見つける関係で少し長くなることもある」と、移動と休憩についてハーネス隊長から説明があり、各自のブーツと鎧下がすっかり乾いた後、林の中に分け入った。今回もハーネス隊長を先頭に、カルヒ、キアリーちゃん、ナキアちゃん、わたしの順で一列になって林の中に進んでいった。


 最後尾のわたしから先頭のハーネス隊長に、移動中獲物を見つけたら狩ってしまうと伝えておいた。


「ハーネス隊長ー。食べられそうな獲物を見つけたら狩りますね」


「ああ、頼んだ」


 わたしはレーダーマップに注意しながらみんなの後について歩いていった。


 獲物は見つからなかったけれど、里イモとかをみんなから遅れないように素早く採集していった。


 歩き始めて1時間。そこで10分の休憩があり、そこから10分ほど歩いたところで、レーダーマップ上に3つの赤い点が現れた。前回と同じならオーガだ。


「ハーネス隊長。前方から3体のモンスターがこちらに向かってきています」


 前方から立木がなぎ倒されるような音も聞こえてきている。


「分かった。

 全員、リュックを置いて武器を構えろ!」


 リュックを背負っていないわたし以外の4人がリュックをその場に置き張りぼての武器しか持っていないナキアちゃん以外の3人が武器を構えた。


 前回1匹仕留めただけで2匹も取り逃がしたこともあるし、オーガは食用ではないので出来上がりがどうなろうとかまわないから、今回は不射の射で確実に破壊して(しとめて)やる。


 わたしは不射の射の構えを取り前方を凝視した。


 木立の先に赤黒いオーガの姿が見えた。距離は60メートル。


 不射の射の射程がどの程度あるか掴めていないけど、射の射である弓と矢を下回ることはないだろう。


 そう思ったわたしは、不可視の第一射を放った。狙いはオーガの頭だ。


 放った瞬間、ドン! と、いう鈍い音と一緒にオーガの大きな頭がはじけ飛び、オーガは勢いのまま前のめりに倒れ、地面を揺るがす音が聞こえた。これで一匹。レーダーマップの赤い点は後2つ。


 木立の間から2匹目が見えた。


 第2射。


 ドン! そして地面を揺るがす音。


 3匹目。第3射。


 ドン!


 レーダーマップ上に赤い点はなくなった。


 そして、システム音が響いた。


『経験値が規定値に達しました。レベル33になりました。SSポイントを1獲得しました。スピードが+1されました。巧みさが+1されました。体力が+1されました』



「3匹ともたおしました。

 死体を確認します」


 わたしはハーネス隊長に報告して、たおしたオーガの元に駆けていった。


 現場ではわずらわしい頭がはじけ飛んでさっぱりした首の付け根からドクドクと赤い血と赤黒い血が流れ出ているオーガの死体が3体、並ぶようにうつ伏せに倒れていた。



 ムラサメ丸を使ってオーガの胸を背中から開いて魔石を取り出していたら、みんながやってきた。


「これも例の不射の射なのか?」


「はい」


「威力もすごいがあの距離で狙いを外さないところもすごい」


「狙いを付けて矢を放った瞬間に狙ったところに命中しますから、相手は逃れられません」


「攻撃はシズカ一人いれば十分そうだな」


「残りの3人でわらわを守ってくれても良いのじゃぞ」


「ナキアの言う通り、それも手ではあるな。

 次回襲撃があるようなら試して見よう」


 おそらく鎧を着たわたしはこの中で一番カタイはずなので、ナキアちゃんの近くにいた方がいいだろう。射線さえ確保できれば不射の射はどこからでもはなてる。なんだか今回のミッションはうまくいくような気がしてきた。



レベル33

SS=24

力:33

知力:30

精神力:30

スピード:44

巧みさ:40

体力:37


HP=370

MP=600

スタミナ=370


<パッシブスキル>

ナビゲーター

取得経験値2倍

レベルアップ必要経験値2分の1


マッピング2(76パーセント)

識別2(64パーセント)

言語理解2(90パーセント)

気配察知1(89パーセント)

スニーク1(45パーセント)

弓術8(38パーセント)

剣術8(6パーセント)

威風(10パーセント)

即死


<アクティブスキル>

生活魔法1(35パーセント)

剣技『真空切り』

アドレナリン・ラッシュ

威圧

弓技『不射の射』


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