トルコ料理が好きならば
私はとても、トルコの文化が好きだ。
どの時代も良いけれど、特には華やかなオスマン・トルコ帝国あたりが好み。
大帝国は多国籍な民族でにぎわい、衣服に装飾、そして料理と多種多様に発展した。
中でも料理は、"世界三大料理"のひとつと呼ばれるほど……、美味しい。
しかしそう簡単にトルコには行けない。
直行の飛行機で片道12~13時間。
それ以前に直行便がある空港まで、乗り換え多々で半日。
憧れの渡航は本当に難易度が高く、よって常は現地の空気ではなく、別の要素でトルコ気分を満たしていた。
そう、"トルコ料理教室"だとか。
独身時代、料理教室に通うということはあるが、私の場合それはトルコ料理だった。
実家の家族からも、主人からも敬遠されてすっかり作ってないから、自己満足で完結したトルコ料理。
まあ、すりおろしたキュウリとヨーグルトとニンニクを混ぜたサラダなんて、食べる人を選ぶわな。
美味しいけど。
刻んだ焼きナスにヨーグルトとニンニクというのもある。トルコだもん。
(焼きナスはお醤油で食べたい(笑))
とにかくだ。
隙みては遠方の教室に通い、チームでいろいろ作っては、美味しく食べてきた。
作ったメニューの大半は忘れたけれど、とりわけ上手に出来たものはよく覚えている。
上手に出来たもの。
それは鶏のスープだった。
数人で各テーブルに分かれ、それぞれ題目のメニューを担当する中、その日の私は"鶏のスープ"を任された。
詳しく覚えてないけど、鶏肉を茹で、取り出し、玉子に小麦粉を溶かし混ぜてお湯に落とし、塩で味付けするシンプルなスープ。ちなみに取り出した鶏肉はまた使う。
これにマカロニっぽいパスタを入れたかどうか、香草を散らしたかどうか、細かなディティールは忘れた。
検索してもそれっぽいものが見つからない。
せめて名前を覚えていたらなぁと思うけれど、レシピノートは実家だ。
極めて単純なスープだが、これが大好評な出来栄えだった。
テーブルでいっぱいおかわりして貰って、誇らしい気持ちになった。
成功体験を重ねると、人は「自己効力感」が上がるという。
よく聞く「自己肯定感」と「自己効力感」は違う。
自己肯定感は「失敗したって良い、私には価値がある」と考えるのに対し、自己効力感は「失敗はしない、私がやるんだから」という感覚だ。
すげー強気。
ちなみに私は自分をあまり信じてない。
ポンコツ天然で物事を忘れやすいし、自分に甘いのでよく怠けるし、だらける。
顔と名前なんて、数日会わないと見事にスッカラカンだし、体力もないので、長時間の行動は辛い。
私にとって一番アテにならないのは、自分だ。
自分に自信がない。
なのに、"イケる"、とよく思う。攻防するなら、攻めるタイプ。
矛盾していて謎だなぁと思っていたけれど、これが「自己効力感」というやつかと納得した。
「自己効力感」は、成功体験を積むことで上がるらしい。小さな成功体験でも効く。それはつまり、料理の成功でも良いわけだ。
なるほど。美味しい料理が出来るたび、私の「自己効力感」は上がっていったに違いない。
ワクワクしながら「やるぞ!」と思うことも良いらしい。
トルコにときめき、お料理に高揚した。
家族は食べてくれないけど、私のトルコ料理は、私の糧になっていたらしい。
血肉だけでなく、精神にも。
「好き」って強い。
皆様もぜひ「好き」にまい進してね──!!
お読みいただき有難うございました!
一昨日の石話に、ツイッターでも感想いただいております!
コーヒー豆に石が混ざっているという話。
年に2、3粒見つかるそれを"ラッキーストーン"と読んで、押し付け合っているという楽しい職場話を伺いました(*´艸`*)
なろう外でもご反応有難うございますー!!
創作に使えそうなナイスなネタ、と、ワクワクしました♪ 感謝!
※トルコが好きだと叫んでるエッセイ
『もしも「語学」を学ぶなら』
https://ncode.syosetu.com/n1079hh/
※自己効力感が出てくるお話
『夢から届ける、シアワセ吹雪。』
https://ncode.syosetu.com/n8622if/