表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
天使様とお節介君  作者: いくらたべたい
5/15

5.マンションにて(2)

「じゃあせっかくだし私から!私は水瀬 理香(みなせ りか)AGでは早瀬 頼花(はやせ らいか)って名前で活動してます!理香って読んでね!よろしくね、(そう)君?」


AGというのは『エンジェリックガールズ』の略称?的な感じで使われている言葉だ。

ていうか、こいつ俺の名前知ってるやんけ。あと、距離近いです。このゼロ距離で上目遣いの破壊力よ…。

水瀬さんはなんというか無邪気さが溢れ出ているな。あと…少しロリっぽい?これ口に出したら全員から嫌われそうなので絶対に言わないが。


「次は私かな」


と、先ほどドアを開けてくれた青い目の子。よくよく見るとあの時のステージにもいた気がする。眼鏡をかけていたのでよくわからなかった。


「私は佐山 凜(さやま りん)AGでは早瀬 叶花(はやせ きょうか)という名前で活動してる。あと、ここにいる子は私含めみんな君と同い年だから気をつかわなくてもいいぞ。よろしくな」


同い年マ?ほかの子は分かるけどあなただけ明らかに大学生かそれ以上の大人っぽさ纏ってるんですけど。世の中分からないものですね。


「はいはい!次は私ね!」


とすごい元気そうな声を上げたのは緑目のめっちゃ活発そうな子


篠田 花音(しのだ かのん)って言います!AGでは早瀬 穏花(はやせ ほのか)って名前になってます!よろしくねっ、颯太君!」


なんだかんだでこの中だったら一番気軽に話しかけれそうな空気を醸し出してる。(詩乃は例外)


「…最後は私かしら」


と声を上げたのは紫に少し白を混ぜたような瞳をした少女。一言発しただけなのに気品を感じさせられた。


「…私は一条 怜(いちじょう れい)。AGでは早瀬 純花(はやせ いとは)という名前で活動しているわ。……よろしく」


めっちゃお嬢様な感じする。とにかく清楚さというかなんというか、すごい(語彙力)。

彼女たちの自己紹介が終わったということは、もしかして次は俺?え、さっき中途半端に挨拶しちゃったからくっそ気まずいんだけど。でも空気的に俺の番だよなこれ…。仕方ないので一度息を吸って吐く。


(さつき)っていう名前で活動してる柳 颯太(やなぎ そうた)と言います。至らぬところもあるかもしれませんが何卒…」


と言いかけたところで詩乃に切られる


「ちょっと、颯君他人行儀すぎない?凜ちゃんの言う通り私たち同い年だし、これから同じ場所に住んで一緒に活動していくんだよ?もっとフランクに行こう!」


ええ、なにこの公開処刑…もう俺のライフはゼロに等しいんだが?あと同じ場所に住んで…は若干語弊がある気がするんだが!?


「あれ、もしかして颯君、緊張してる??」


と、水瀬さんがニヤニヤしながらわざとらしく距離を詰めてくる。うーん触れてますこれ、特に膨らんだ部分が…あの…。間違いない、こいつめっちゃ俺のことからかってる。詩乃とはタイプが違う、完全に俺をおもちゃだと思ってるやつのそれだ。

そもそも、初対面の初喋りで気楽に話せる方がおかしいんだよ!お前らはアイドルやってるだけあってコミュ力や経験も多いだろうが俺にはそんなもん…oh

悲しくなってくるからやめよう。


「理香、そうやって人をからかっちゃだめよ?」


この状況を見かねたのか佐山さんが助け舟を出してくれた。すると目の前の悪ガk…少女は残念そうに「は~い」と露骨にテンションが下がった感じで俺から少し離れる。もうこれ母と娘だろ。

対する俺はというともう愛想笑いするしかなく


「ハハ…すいません、結構緊張しちゃってて」


あー、仏像の中にでも籠りたい。マジで自分が哀れすぎる。なんで同い年相手にすらまともにコミュニケーションをとることができないんだ…。なんて悲しくなってると


「なら、まずタメで話すところから始めようか。まぁいきなり初対面の女子、なんならアイドルと話すとか、緊張しても仕方ないよ」


ああ、佐山さん…あなたは天使です…こんな僕にも理解を示してフォローを入れてくれるなんて…

ここまで優しくしてもらったのならもう俺もやるしかない。


「あ、ああ…佐山さん」


うーんこれが精いっぱいでした。自分の情けなさに絶望する。すると


「うーん。じゃあ、さん付けもやめて下の名前で呼んでみようか」

「え…?」

「これから何年も付き合っていく仲だぞ?ずっとそんな感じだったら逆に気まずいだろ?」

「そうそう!というか、詩乃のことは下の『詩乃』って呼んでるんでしょ?なら私たちのことも下で呼んでくれてもいいよね!ほら、試しに私のことも『花音』って呼んでみて!」


え、なんでその話知ってるんですか花音さん…。

ていうか、下の名前で呼ぶ女の子なんて家族か付き合ってる子くらいしかいないと思ってたんだけど、こんなさらっと呼んでいい物なの…?詩乃の場合はさっきも言ったが状況が状況だっただけで…

ていうか、詩乃もだけどこの人たちもしかして男の子が女の子の下の名前で呼ぶことがどれだけヤバイこと(俺曰く)なのか知らないんじゃないの!?

だがもうこうなった以上逃れることはできない。こうなったら爆発覚悟でやってやる。俺もやればできる子なんだ…!!


「え、えっと…花音s…んー、はなんで俺が詩乃って呼んでいることを…?」

「詩乃と連絡を取り合ってた時に聞いたんだ!ほら、君と仲良くなれるか心配だったから、詩乃に君がどんな人なのか会う前に聞いておいたの」


と、見せられたのはSiscord(しすこーど)というメッセージアプリの画面。元々はゲーマー向けのチャット兼通話アプリだったが最近はその便利さからゲーマー以外からもメッセージアプリとして使われるようになってきていた。それでもまだマイナーな方ではある。ちなみに俺は生粋のゲーマーなのでSiscordは中1の頃からずっと使ってる。


そこには、「颯君は結構面白い人だし、私のことを『詩乃』って呼んでくれるくらいにはもう仲良くなったし大丈夫だよ!」なんて言う詩乃のチャットの履歴が確かにあった。あー…なんてことを。


「てか、詩乃的には俺は面白い人なのか」


とりあえず一番話せるやつに振れるネタができたので光の速さで話を振る。


「だってからかい甲斐があるし」

「ひどいな俺の扱い」


となんとか一番話せるやつを引っ張り出しほんの少し体制を立て直したところで凜が


「ま、こんなこともあろうかと今日はこの場所をセッティングしたんだ」


なんて言い始める。


「どういうこと…だ?」


敬語癖が抜けず、不自然な話し方になってしまう


「今日わざわざ私の部屋を使ったのは、私たちの中に馴染んでもらうためだ。」

「え、俺が?」

「ああ、もちろん。だから、今日は仕事の話ではなく普通にホームパーティーのような感じだ」

「まじすか…」


どうやらこの完璧にセットアップされたお菓子やら漫画やらはパーティのために用意されたもののようだ。


「差し詰め、歓迎会と言ったところです!」


らしいです。


「それじゃ、今日の主役の颯君はこっちに来ようね~。あ、そういえば私まだ名前で呼ばれてないな~」


俺の手を引っ張りながら理香は呼べと言わんばかりに圧をかけてくる。


「ああ、わかったよ…理香。」

「あはっ、やっと名前で呼んでくれた!それじゃあ、ここに座ってね」


と言われ連れてこられた(俺視点)のは俺がこの部屋に来た時に理香を含めた3人が座っていた高級そうなちょうど5人がゆったりと座れるくらいのコの字のソファーだ。できれば端っこに座りたかったのだが座席指定付きということで、見事俺は5人のアイドルに囲まれる形でど真ん中に座らされた。しかも、唯一普通に会話ができる詩乃は一番遠い位置に座らされている(5人席ということで詩乃だけ別にあった椅子に座った)。図られた。これで容易に詩乃に逃げることができなくなった。

最終的に席順は俺の両サイドに理香と花音。コの字の両端に凜と怜ということになった。


結果、両手に花なんて裕に通り越し全身ダイヤのフル装備レベルの状況になってしまった訳である。こんなところを他の男に見られたら間違いなく親の仇のような扱いを受けるであろう。この状況ではもう逃げることは叶わないので諦めて車で移送される容疑者の如く自分の足を眺める。

そうして俺の歓迎会は始まったのである…。


両手に花~の下り、いい例えが思いつきませんでした。センスの限界。

登場人物一覧とかそろそろ上げたほうがいいのかな?


初めて書いたのでキャラの見た目のイメージがあまりはっきりしてなかったり決めきれなかったりしてとても曖昧になってしまってます。

とりあえず、イメージカラーは詩乃(愛花)は赤、理香(頼花)はオレンジ、凜(叶花)は青、怜(純花)は白、花音(穏花)は緑となってます。すいません。よろしくお願いします。

2023/02/10

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ