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天使様とお節介君  作者: いくらたべたい
12/15

12.これはデートなのでは?

なんだかんだ一週間が経過し、今日からついに「仕事」が始まる。今日は半年後のライブでお披露目する新曲についての会議?的なものらしい。会議とは言っても参加者は伸也とメンバーと俺の7人だけなので大したものでもない。

ちなみに会議の場所は俺らのマンションの事務所が所有している所謂共同部屋で行われる。この部屋だけ他の部屋と比べると4倍ほどの大きさがあり、ライブの練習だったりもできるという感じだ。なんて便利なのだろうか。


「おう、颯太か」


と、共同部屋の前まで来たところで後ろから声を掛けられる。


「伸也、俺はお前に聞きたいことがたくさんあるぞ。」


そこにいたのは全ての元凶こと山井伸也。AGのプロデューサーであり俺の親戚でもある男だ。


「まぁまぁ、そう怒るなって。実のところかなり便利だろ?」

「おかげさまで毎日落ち着かなくて夜しか寝られないよ」

「そうか、その感じだと馴染めたようだな。安心したよ。」

「はぁ?こっちは毎日心労がやばいんだぞ!?女子とまともに関わったことすらないのに、5人の同い年女子と同じマンションだからな??しかも人気アイドルとか言うおまけつきで。」

すると、伸也は笑いながら

「あいつらのことだしすぐ話せるようになったろ?」

「否定しないけどそういう問題じゃないと思うんだよな」


そう、そういう問題じゃないのである。毎日のようにキラキラと輝く美少女5人に囲まれる心労は半端ないのである。


「あれ、颯君と伸也さんだ!」


そんな中現れたのは詩乃だった。


「あれ、もう下の名前で呼ぶような仲なのか」

「はい!颯君と私はもう“そういう”仲なのです!」

「いや、詩乃とはそんな…あっ」


「へえ、互いに下の名前で…そうか、“そういう”仲なのか。お前ら」

「ちょっと待て」


ここで俺は異性と下の名前で呼び合うヤバさを思い出した。ここ1週間で感覚がおかしくなってしまっていた。


「いや、いいんだぞ?別にAGはそういう売り方をしている訳でもないし、プライベートは別って公言してるしな!」

「です!」

「お前人をからかいすぎだぞ?詩乃も便乗するな」


なんて流したところで他のメンバーも合流したので部屋の中に移動した。


今日の議題は半年後のライブで披露する新曲とそのパフォーマンスについてだが…


「かわいいのがいい!!!」

「…いや、たまにはクール系のでもいいのでは?」


などなど…どうやら方向性が決まるのには時間を要するようだ。


「颯君は、どんな感じがいいと思います?」


と、不意に詩乃が尋ねてくる。

すると、他の4人もこちらを見つめてくる。なんだこの圧は。


「えっと…、俺は5人のキャラをそれぞれ活かせるようなのもいいと思ってるんだが…」


とりあえず本心で答えてみる。


「うーん、それいいね。まだAGにはソロパートのある曲とかないしね」

と、伸也が言う。

「確かに確かに!面白そうだねそれ!」

と花音が賛同する。他の4人も賛成したので5人分のソロパートのある曲。ということで意外とすんなり決定してしまったのである。

そして、そのソロパートを書くのは1週間とはいえ彼女たちのことをそれなりには理解してきている俺。と言う訳で、なかなかいい作品が作れそうでワクワクしてきた。

さて、新曲の方向性も決まったところで次はライブのテーマなどなどを話し合うという感じなのだが、ここからは舞台演出家など他のプロたちも関わってくるところなのでとても大雑把にと言う感じだったので1時間ほどで終わった。



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それから少し経ち、今は夕食を取るために5人は俺の部屋に集まっている。ライブの大雑把な方向性が決まったあたりで会議?は解散となり伸也は帰った。

ちなみにだが、曲の内容は大体決まったので俺は今日から作業を始める予定だ。実は以外に二日やそこらで完成したりすることもあるので案外早く終わるかもしれない。


「颯君ってアニメとか見たりするの?」

と、こちらに来た花音が少し小さめの音量で聞いてくる。

「ああ、見るぞ」

「ならさ、今週末にアニマートに行こうと思ってるんだけど、颯君もどう?」


アニマートと言うのはアニメグッズをメインに取り扱っているショップのことだ。

ちなみに、彼女たちはこの前颯太の部屋に侵入したときにいくつものアニメグッズを見ているので颯太のアニメ好きは知らない訳がないのだが…おや、誰か来たようだ。


さて、颯太の脳内は案の定「女の子と二人で…ってデートじゃね!?」といかにもなことになっている訳だが…


「それなら大歓迎だよ。ちょうど俺も買いたいものあったし」


と答えた。中学の時から実は趣味の合う異性と出掛けるというのはかなり憧れていたことなのだ。なんというか、青春っぽさがある感じがするんだ。

まぁ相手が花音と言うところもある。花音は初めて会った時から話やすい雰囲気でもう既に打ち解けることができている。


「やったあ!じゃあ、後でSiscordで連絡するね」

「わかった」


ということで、結構憧れだったイベントが唐突にやってきたのである。



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夕食の片付けも終わり解散した後、しばらくしたころに花音から連絡が来た。

『颯君!今から時間とか決めようと思うんだけど、通話しながら決めない?』

という内容だった。

とりあえず『了解。今から行けるよ』と返す。時間とか決めるのに通話とかするものなんだなぁ。俺は友達と出掛ける機会がまずなかったのでこういうのも初めての経験だ。

少ししたところで花音から通話がかかってきた。


「やっほー!ごめんね?こんな時間に」

「いや、全然大丈夫だぞ。」

「そっか。あのね、私アニマート以外にも行きたいところがあってさ、一日中使ってもいい感じ?」

「どうせ俺は予定ないしいいよ」


曲に関しては1か月以上猶予があるという話だったのでまぁこれくらいは全く問題ないだろう。


「よかった!なら日曜日の9時に颯君の部屋の前に行くね!」

「わかった。ちなみに、どこに行くんだ?」

「えっと、とりあえず渋谷のアニマートに行って、そのあとお昼を食べてからスカイツリーに行こうと思うんだ!ついでにその近くの水族館も行きたいんだ!」


さて、ここで普通の人間なら「それってデートじゃね!?」というところであるのだが、大事な経験が不足していてかつ感覚が麻痺している颯太にそんな発想はなかったのである。


「わかった!楽しみにしてる」


と言うことで今週の日曜日はとても楽しくなりそうだ。不安な点は花音がAGの穏花だということがバレないかと言うことであるが、そこはまぁうまくやるしかないだろう…。


ちょっと忙しかったので投稿遅れました。Twitter(@likeikr)で近況話してるかも

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