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さる依頼

「各自それぞれの位置関係を把握せよ。報告求む」

「了解、こちらからは目標は見えない。そちらは?」

「こちらはよく見える。報告にあった以上の人数を確認、一人では無理だ」

「やっぱりか。もうひとり連れてきて正解だな」

「おい、ルー。もう一回頼む。正確な数を出してくれ」

「了解、申し訳ない、50人ほど増えた。中の要救助者も増えた」

「おいおい、頼むぜ」

「問題ない。見えるようにしてくれればどうにかなる。増えた分はちゃんと面倒見てくれるんだろうな」

「回収はちゃんとする。大丈夫だ。ただ『特別な存在』というのが見つからない」

「出たこと勝負ってことか。仕方ない」

「準備はできている。始めよう」

「ああ、そちらのタイミングで始めてくれたらいい。見えるようななったら突入する」

「なら、そらよっと」

会話が途切れた瞬間、大音響とともに外にいた人々に向けて火の玉のような物が降りかかる。

「全員は無理だった。あとは頼む」

「はいよっ、目標補足、1,2,3,4,5っと。発射」

再び起こる大音響、収まったあとに残るのは原型を留めないほどに焼け焦げた人間だったもの、それを避けるように一人の男が目の前にある半壊した建物に向かう。

「要救助者を確認した。移動させるぞ。回収班、見える位置に移動、準備しろ」

「こちら回収班、いつでもどうぞ」

「よし、一人ずつだ、受け取れ」

男が目の前にいた手足を拘束された人々を一瞥した瞬間、その人たちは一人、また一人とその場から消えていく。

「こちら回収班、これで全員か?」

「ああ全員だ。ただ『特別な存在』が残っている。ルー、反応は?」

「ないわ。全然わからない」

「中を捜索する。回収班、先に帰っていいぞ。時間がかかるかもしれん」

「了解、帰還する。どうかご無事で」

「ああ、心配はいらん。ラルフ、ジャック、息のあるやつ連れて行け。何人か捕虜にして情報を出させろ。交渉材料は多いほどいいだろ?」

「わかった。けど一人で大丈夫か?」

「お前らふたりとも遠距離攻撃しかできんだろうが」

「そうだな。じゃあ先に帰る。気をつけてな」

「ちょっと本当に大丈夫?」

「探知出来ないなら直に見るしかないだろう」

「それはそうだけど……」

「傍受されるかもしれん。通信切るぞ」

「あっ、ちょっと」

その後通信は途絶えた。



男は『特別な存在』を探してどんどん大きく中に入っていく。

捜索中何度も交戦状態になるが男が一瞥するだけで彼らはふっ飛んでいき、硬い側壁に衝突して気を失う。

「安心しろ、俺は人間の命は取らない、少しの間大人しくしてもらうだけだ。

「見つけた。あんたがそうだな」

あちらこちらをウロウロしてようやくお目当てのものを見つける。

「なんのことかわかりませんが……。

あなたは?」

「助けに来た。さっさと出るぞ」

美しき若き女性はどういう状況か理解できていないようだった。

「私はどうなるのでしょうか?」

「それを考えるのは後、取敢えず見える位置まで行かないと」

その後はふたりとも無言、黙ったまま歩みを進める。

「ここならよく見える。はい、手を握って」

「はいっ……?」

「これからサクッと移動するから。どこか触ってくれないと一緒に移動できないから」

女性はわけのわからないまま言われたとおりに男の手を握る。

その瞬間二人の姿はその場から消えていくのだった


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