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⑥ー16遥か
16 遥か
砂漠地帯に砂埃が舞う。
暑い日差しが砂を灼く。
虚空に微かな稲光。空間を割いて輝く体が現れる。
完成したデンジマンは、肉体を廃し完全無欠となった。完璧に正義を執行する為に。
ここにはもう、転生者狩りはいない。鋼鉄の目で周囲を見回す。
深緑色のマントが翻る。金糸で刺繍された国の紋章。
放たれた剣撃が、デンジマンの首を斬る。
支えを失った頭部が、砂の上に落ちた。
討伐を確認すると、そばに控えていた従者が駆け寄る。
「国王陛下っ」
王と呼ばれたその男は、慣れないのか少し首を傾けるように首肯して無事を伝えた。
直上の陽を遮って地面に影が落ちる。
見上げると大鳥がこちらを見守るように飛んでいた。




