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士獅十六国物語 〜“黒”の転生者狩り〜  作者: ホラナカチリ
③【湖の城と海の島

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③ー7護衛

③湖の城と海の島


7 護衛


 「港に駐屯している騎士団に動きがあったようです」

 仕事を終えて宿舎に集まった飛行船メンバーに、トバリが告げる。

 日中の仕事で疲れ切った頭で、何とか話に追いつこうとするが、少しボーッとする。一緒に奔走していたエミスに至っては、ソファにぐったりとうつ伏せになって、ヨルに背中を踏んでもらっている。

 「ヴぅ…!もうちょっと上…。」

 「ふみ!ふみ!」

 ヨルは長髪を振り乱して頑張っている。

 「話によれば、第二騎士団がラクス城の警護にあたるとか」

 トバリは、誰の話によるのかは言わない。一体いつそんな情報を集めてくるのか。昼間は僕らと同じ時間アプローズの店内で接客の仕事をしているはずだ。みな新天地での仕事に慣れるのに精一杯で、本来の目的は一旦脇に置かれていた事を、彼女の突然の報告で思い出した。

 「ラクス第二騎士団は、城と港町との船の往来を管理、警護していました。海に出れば物資を運搬する船が賊に襲われるという事がよくあるそうです。実力のある第二騎士団が抜けることで、湾内の警備網に緩みが生じます。商船には各々警戒するように連絡がありました」

 「自分の身は自分で守れってことかー」

 フェリオが商品を手元で弄りながら発言する。あれ高いやつだ。

 「商会は自分たちで商材を警備するのが当たり前なんです。その為に傭兵を雇ったり、独自に警護部門を保有したりするんです」

 そういえばシーラは警護部門所属と言ったっけ。華奢な見た目から、イメージと結び付かない。荷馬車の警備といえば、騎士か、ガラの悪そうな傭兵連中が想像される。

 「それを国の上位の騎士団の方々がなさっているのは、大変珍しいことなんです」

 珍しくシーラが意気込んで説明してくれる。シーラも自分が警護の仕事でここに来ていることを思い出したようだ。

 「それだけ海上は危険だとということですね。そしてその警護が手薄になったと」

 シーラの話を、トバリが本題に引き戻す。

 「数日後にアプローズの品物を船でラクス城に納品するとのことでしたので、その警護を承りました」

 もうそこまで根回ししてあるのか。さすがトバリ。それじゃあ、それまでに仕事を片付けておかないと。明日は坂の途中の飲食店に納品に行かないとだけど、例の契約書も早々に貰いに行っておかないと、それから…。

 「…アルクさんっ、トバリさんが…」

 隣に座っていたシャッツが、小声で警告してくれる。心ここに在らずの僕をトバリが冷たい目で見ている。

 「えっと…、何だっけ」

 いや聞いてたよ、話は。さすがトバリはできるメイドさんだなぁって。で、もう話は終わったんじゃなかったっけ?

 「それでは皆様、そのように」

 まずい、何か当日の動きについて説明があったのか。考え事をしてて聞いてな、

 「考え事をしていて聞いてなかった、ですか?」

 「ごめんなさい」

 「かまいませんよ。貴方は私について来てくだされば」

 トバリのやさしい言葉で冷たい笑顔が怖い。


 当日までに、何とか仕事を一段落させ、落ち着きた気持ちで事にあたれる。じゃなかった、どちらかといえばこっちが本業だ。

 「アルはすっかり営業マンが板に付いてきたよねー」

 フェリオにまで揶揄われる。自分だって店舗で「没落貴族の貴公子」とか「魔具の神童」とか言われてアイドルになりつつあるくせにさ。

 「これがうちの船だ」

 王族案件ということで、店長ラウゾが直々に現場にやって来ていた。湾内航行の事務手続きを済ますと、停泊している店所有の商船まで案内してくれた。

 街から見える海に浮かぶ船は小さくてよく分からなかったが、近くで見ると停泊する船は一隻一隻違いがあって、個性的だ。中でもアプローズの船は素朴な作りで、色や柄も、船首の方に一文「アプローズ」と控えめに書かれているだけの、シンプルなものだった。本当に荷物を運ぶためだけの運搬船といった様相に、絵本で見た海賊船をイメージしていた僕は、少しがっかりした。

 「しかし本当にお前らだけで大丈夫か?全員警護部門から来たってのは聞いてたが、海の上は治安最悪だぞ」

 積荷の警護として納品の仕事を引き受けたのは、トバリ、フェリオ、シーラ、シャッツ、それと僕。確かに見た目からすると騎士団の警護には遠く及ばないだろう。見た目的に騎士に近いのはエミスだが、フェリオの告げ口によりカナヅチという事実が発覚し、今回は任務から外されていた。

 「行って下ろして、帰ってくる。まあ一日仕事になる。初めての船旅を楽しんでくれたらいいが、あんまり速度を落とさないことだ。常に一定の速度を維持しろ。それが変なのに目をつけられないコツだ」

 周囲の船にも護衛が乗り込んでいる。それだけの危険はあるようだ。港町の高台に上がれば、ラクス城ははっきりと見えているのだ。そう遠いようには感じない。いざという時の為に僕が考えていたのは、高台からウルクの瘴気噴出で滑空して城に乗り込むという作戦だったが、この港町アナモニスが丸々一つ収まるだけの距離があると聞いて、僕のプランが実行されなくて本当に良かったと血の気が引いた。

 「そんじゃまあ、頼むぜ」

 後ろ手にヒラヒラとスカーフもなびかせて、ラウゾは出航を見届けずに行ってしまった。

 「怪しまれなかったね。積荷が心配じゃないのかな」

 「保険、かかってますから」

 「保険?」

 商品を積み込みながら、シャッツが教えてくれる。

 「つまり、俺らが沈んでも、船と商品の代金は戻ってくるわけですよ」

 「ふーん」

 なかなか恐ろしい世界だ。海。本で見てイメージしていた開放的な自由の世界は、沈む船と保険金、そんな沈殿物の上にあった。


 快晴の中、出港する。

 舵輪を握るのはフェリオだ。主に帆が風を受けて進む仕組みなのだが、細かな動きには、舵輪から船底のスクリューへ魔力を流すことで船を進めることができるという。シャッツがかなり操舵をしてみたがっている為、多くの船が行き交う湾内はフェリオが操舵を行い、開けた場所に出てからシャッツに交代する約束をしていた。

 「シーラさん、大丈夫ですか」

 「う…だいじょ、ぶです、」

 具合の悪そうなシーラをトバリが介抱する。

 特に出番のない僕は、揺れる船内で荷物の固定がちゃんとされているか、確認でもしようかと思ったのだが。

 「ヨル…。何でいるの」

 「へへ…」

 蓋のズレた積荷の中に、密航者を見つけた。

 両脇を抱えて箱から引っこ抜く。

 「いつから入ってたの?」

 「お店の前だよ。こっそりね、だってね、わたしも船に乗りたいもん」

 「いつも飛行船乗ってるじゃん」

 「全然ちがーう」

 ヨルは僕の服の袖を引っ張って、甲板に出ようとする。まず僕が顔を出して外の様子を確認すると、船が密集する湾内は抜けたようだった。周囲の船も遠くに小さく見えるばかりだ。これならまあ、大丈夫だろう。

 「ヨル。隠れてっていったら、またさっきみたいに隠れておくんだよ?」

 「うん!」

 何より、好奇心で目を輝かせるヨルを押し込んではおけない。

 「行ってよし!」

 「はいキャプテン!」

 ヨルはトテトテ音を立てて甲板に出ていく。

 「わぁ!」

 船首に行きつくと、身を乗り出して海を覗き込んでいる。

 「…。」

 落ちそうだな。一応服の首元を掴んでおこうと近づくと…。

 「海だぁー!」

 突然の大声に、僕の方がよろける。

 「んー?なんだー、ヨルも来たのかー?」

 「荷物の中にいた」

 「やるねー」

 水に浮かぶ船は思ったより速度が出ている。シャッツが頑張っているからだろうか。飛行船と違って、気持ちの良い風を感じられる。

 トバリとシーラも甲板に出てくる。

 「ヨルちゃ…、ゔっ。ごべんなさい…」

 顔面蒼白なシーラが船体後方に消えていく。かわいそうに。

 トバリはヨルが船に乗り込んでいた事に驚きもしなかった。トバリは基本的にヨルが僕らについてくる事に関して、何も言わない。ただ涼しい顔で平然とヨルの様子を見ている。


 海に出てしまえば、あとはずっと同じ景色が続くだけだ。遠くに見える城の大きさもあまり変わらないように思える。その一本道を進んでいるうち、陽は高く、直上に登った。

 「もう中間地点は越えましたよ」

 操舵で魔力を使い切ったシャッツが、ぼーっと海を眺めていた僕に教えに来てくれる。

 「何か飲み物持ってこよ」

 「あぁ、それなら俺の鞄に、」

 「いいよ、取ってくる」

 バテて座り込んでいるシャッツにそう言って、船内に入ろうとした。そこで違和感を覚える。視界の端の海がぼやける。

 (「霧?」)

 空は快晴。視界は良好だった。ぼやけのもやは広がる。自然現象ではなさそうだ。この船に対する攻撃の意図を感じる。

 腰のウルクに手をかけた次の瞬間…。

 ガツン

 岩にでもぶつかったような衝撃で、船は大きく揺れる。最初の衝撃を感じた後ろを振り向くと、船の停泊に使う錨のような物体が、上から船に振り下ろされて食い込んでいる。

 突然船に落ちて来た錨という不可思議な光景への理解よりも先に、その表面の魔術の微発光に体が反応した。

 引き抜いたウルクをそのまま天に振り上げて、無理やりに瘴気の噴出を開始する。魔力を込める溜めからの噴出、加速という従来のプロセスでは間に合わなかっただろう。飛び上がりながら壁を蹴って、何とか体を浮かす。次の瞬間には、船体が敵の魔術に掌握されてしまう。

 錨の魔具の向こう側でシャッツが何か言おうと立ちあがろうとして、足がもつれてその場で倒れ込んでしまう。完全なる「初見殺し」。魔術や魔具についての知識がある者ほど、この魔術の罠に陥ってしまうのだ。魔術は術者が魔具を介して直接発現させる。つまり、特異な例外を除いて、触れている物にしか、魔術は起こり得ない。魔術師でも、騎士でも、戦闘はその手に握った魔具で行う。あらかじめ行動パターンを埋め込んでおく魔術鳥のような遠距離魔術であっても、その手で魔術を込め、その手に帰っていく。離れている間はいくつかの単調な動きしかあり得ない。術者の姿が見えてから、遠距離であれば単調、その常識の穴を突く魔術。魔術を帯びた「魔具で触れている物に対して発動」する魔術。

 対場(たいじょう)魔術。一定の条件、ルールを持って、場を支配する魔術。

 「体が…」

 船内のメンバー全員の体が拘束される。

 騎士学校時代の同期に、同系統の魔術の使い手がいた為に、何とか反応できた。

 ここから見えるシャッツの様子からして、体の動きを制限する術のようだ。それなら大丈夫。体を一ミリも動かせないならともかく、先ほどシャッツは立ちあがろうとして倒れた。それなら船内でフェリオが何かしらの対応を講じるだろう。

 「問題は、」

 ジャラジャラと不気味な金属音と共に、錨から伸びる鎖を引いて、霧の中から船が現れる。

 こちらの船より一回り大きいその船は、年季の入った、しかし重厚な木目を晒す、海賊船だった。甲板から鎖を引く大男達と、その周りにも数人の賊が、船縁に足をかけて、こちらに乗り込むのを今か今かと待ち構えている。

 「ゔっ」

 ウルクを掴んだ右手に痺れが走る。そもそもこの噴出は、自身の動きを加速させるもので、宙に浮いていられる程の馬力はない。先ほどから、強く魔力を込めて噴出しては自重で落ちてのホバリング状態が続いている。このままじゃ埒があかない。

 それなら。

 痺れる手に喝を入れて、大きな噴出を起こす。空中に放られた体は、そのまま海賊船の頭上を超え、反対側の船縁に落ちていく。見えるだけでも十人以上。撹乱して時間を稼ぐ。

 緩やかな魔力の流れを意識して重厚な瘴気を織り上げる。ウルクから生じた目に見える程濃密な黒い瘴気を風に任せて広げていく。

 「なんだぁ!?」

 海賊船の甲板に降り立つと、船内の賊の一人に気付かれる。彼が魔具を構えるのとほぼ同時に、瘴気の黒布を被せにいく。

 「あんだぁ!?」

 視界を遮ったところに、ウルクの疾走で突っ込む。濃密な瘴気によって威力を増した突進は、そのまま乗り移ろうと鎖を引く賊たちに背中側から突っ込む。

 「うへっ」

 「あぁ!?」

 二、三人を巻き込んでそのまま海に突き落とす。

 「何だてめぇ!」

 ここまではよかったが、気づかれれば当然囲まれる。皆当然に魔具を武装している。見たことのない独特の形状の物もある。攻撃が想像できないが、構えからしてかなり出来る。その辺のゴロつきという訳ではなさそうだ。

 「ふざけんじゃねぇぞ、コラァ!」

 船縁に手がかかる。すっくと這い上がって来たのは、最初に突っ込んで海に落ちたはずの男だが、濡れてはいない。船体にしがみついて落ちるのを回避したのか。

 「俺様の船から俺様を落とそうとするなんてヨォ、許されることじゃねぇぞぉ!」

 男は筒状の魔具をこちらに向けて構える。同時に足下で、彼の履くロングブーツが、カチリと、甲板の床板と噛み合うような音が聞こえた。

 「アニキ!やべえっすよっ!船でぶっ放すなんて!」

 「うるせぇ!一発で仕留める」

 魔具の銃身に魔術の紋様が浮かび上がると筒の奥に装填された魔力が圧縮、燃焼し始める。

 (「遠距離攻撃か?」)

 彼の周りが慌てている隙に疾走で背後に回る。

 瘴気の布を刀身に纏わせて、魔術を発動しようとする男に振り落とす。

 しかし、

 男は背後からの攻撃に完璧にタイミングを合わせて、魔具でウルクの刀身を受け止めた。

 「ざけんっ…な?。こいつは、」

 男はウルクの刀身を見て、何か動揺したように見えたが、動きを止めるわけにはいかない。動き続けろ。

 そのまま周囲の賊達の間を縫って疾走しながら、瘴気を撒き散らす。

 「何だこいつ!」

 「魔族か!?」

 黒い瘴気が船内に広がり、パニックになりつつある。

 「おい、おいおいおい。なんで、なんでテメェ“業物”を」

 「ショーン、」

 甲板の鉄格子を持ち上げて、長髪を無造作に垂らした女が船内から上がって出てくる。その手には鎖が巻き付けて握られている。

 「私の、見破られてる」

 「ツモリ、お前出てくんな!」

 「でも、あいつら、くるよ」

 「はぁ!?」

 海賊船の船体が傾く。アプローズの船を引き寄せていた鎖が、今度は逆に海賊船を引き寄せていた。

 (「フェリオ!」)


 「力を込めてゆーっくり引くんだよー。それがルールだ。おもしろい事考えるよなー」

 「感心するのはもういいですから、早くアルクさんをっ!」

 海賊船へ続く太い鎖を、トバリが一人で引いていた。その横でフェリオが伸びている。

 「いやー、動く気がしないねー、やっぱエミスも要ったなー」

 「あなたはっ、もう少しっ、体を鍛えなさいっ!」

 トバリが腕力のみで海賊船を引き寄せると、アプローズの船と、海賊船が接触するほど近づく。

 「わ、わたしも、…ゔ。役に立ちますからぁ…」

 床を張ってきたシーラは相変わらず顔面蒼白ではあったものの、右手には斧の魔具がしっかりと握られている。

 船縁に体を預ける格好で上体を起こすと、腕を伸ばして海賊船の船体に押し当てる。

 カチッ、

 シーラが柄のボタンを押すと、魔力が圧縮されたカートリッチが爆ぜ、斧の刀身が船体に食い込む。

 「火種を起こせ、火種を。えんや、えんや…」

 斧が食い込んだ船体の奥から煙がもれ出てくる。着火したのだ。


 「アニキ!船に火がついてる!」

 「うるせっ!ちょっと黙ってろっ」

 ショーンは火筒を構え、狙いを定める。

 「俺はアイツに、聞かなきゃいけねぇ事がある!」

 魔具から放たれた火焔の弾丸が迫る。

 が、アルクの体を貫通して海の方へ落ちていった。

 「はぁ?」

 「船内でぶっ放すなって言ってんだろ、バカ」

 「イヅルっ、テメェ」

 イヅルと呼ばれるその女性は、手に持った水に濡れた紙を一枚剥がすと、ショーンの顔面に勢いよく貼った。

 「アンタ、この船焦がしでもしたら、どうなるか分かってるんでしょうね」

 「んな事言ってる場合かぁ!」

 「言ってる場合。現に、今、も・え・て・る!」

 「はぁ!?何言ってやが、る…」

 ショーンが船体の側面、アプローズの船側を見ると、煙が上がっていた。

 「んだこれ!?オメェら消せっ、消せぇー!」

 黒い瘴気は海風に霧散し、船内のパニックは収まる。賊達は船体の消火活動にかかる。

 その隙に、アプローズの船は離れて行く。

 「おいっ!テメェっ!黒いの!おぼておけ!俺様の名は火筒のショーン!ぜってぇオマエをぶっ飛ばす!そんでオメェ、その黒刀っ、クソォ!どうやって手に入れやがったー!」


 「なんか言ってるよー」

 「いいですから!早く早く!とにかく今のうちに離れないと!」

 舵輪に魔力を込めるフェリオを、シャッツが急かす。

 「あれ?シーラは?」

 「お手柄でした。今は船内で休んでいます」

 「そっか、良かった。みんな怪我はなかったかな?」

 「アルクさんっ!いきなり向こうに乗り込んでいっちゃうんだから、びっくりしましたよ!あ、フェリオさん急いで急いで!まだ見えますよ、あれ。海賊船!」

 シャッツはだいぶテンパっている。その様子を見て、緊張の糸が切れた。思わず笑ってしまう。

 「ウケるよねー。海賊船だってさー」

 「海賊。海賊かぁ」

 「ちょっと二人ともっ、何ニヤニヤしてるんですか。まだ近くに…」

 シャッツが指差す方向には、海が広がるのみで、先ほどまであったはずの海賊船の姿は消えていた。

 「もしかしてー、幽霊船だったりしてー」

 「幽霊船かぁ。海賊の幽霊船」

 「ちょっと二人ともぉ。マジでやばかったんすからぁ!」

 その後、僕らは再びあの奇怪な服装をした海賊連中と出会す事もなく、商会の仕事(それとラクス城の様子を探る事)を無事に終える事ができた。

 ただ、あの男が言いかけていた事、ウルクを見て、何か思うところがあったようだ。複雑に絡み合うこの大海原の事情が、浮かび上がって来たように思えた。


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