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第一章/抗不安薬

○デパス(エチゾラム)

『素早く効いて、すぐ抜ける。患者の人気No.1! 国内売り上げNo.1! 乱用症例No.1!』

(1mg)

催眠鎮静/●●●○

抗不安 /●●●●●

筋弛緩 /●●●●

抗痙攣 /●

発現速度/●●●●●

持続時間/●●

依存性 /●●●●●

乱用性質/●●●●●

──────────

チエノジアゼピン系

Tmax/3.3h

T1/2/6.3h

剤型/0.25-0.5-1mg

 不安症にあがり症、パニック障害、腰痛・肩凝り・不眠症!

 そんなあなたに寄り添う戦友、いつでも頼れる甘い甘~い小さな錠剤!

 薬物乱用の焦燥感で大変な事態ジャンキーも、over doseがevery dayなメンヘラも、これを読んでる貴方も貴女もあなたの隣も、みんな大好き万能マイナートランキライザー! エ・チ・ゾ・ラ・ム!

 知っているひとは知っている、あのエロゲ『グリザイアの果実』のヒロインのひとりみちるちゃんも、ラムネみたくガリガリと大量摂取していた。まさかのエチゾラムであるという(注/アニメ版)

 まあ、あの量を常飲していたらああいう性格になるのも無理はないであろう。とある事情から服薬していると後々わかるが、明らかに普段の服用量からODしている気がしてならない。0.25mg錠は普通、整形外科や年配の方に使われているため、おそらく0.5mgか1mg……OD常習?

 いや、まあ、かわいいは正義であることから許されたのだ(!?)。

 緊張した筋肉を弛緩させる効果も優れており、不安を抑える効果にいたっては、強いカテゴリーに分類される。不安で抑制されていた本音が前面に出るため、結果、明るくなれた気がする。

 0.25~0.5mgで優秀な筋弛緩剤、0.5~1mgで即効性の高い強めの抗不安薬、1~3mgで入眠障害にも適応。まさに、奇跡のマイナートランキライザー①といえよう。

 しかし薬効が強く・半減期は短く・水無しでも噛み砕けるなど、さまざまな要因が絡まり依存性は非常に強い。私も依存していた時期がある。残念ながら、向精神薬の第三類に指定されてしまい個人輸入は既に違法となった。






○レキソタン/セニラン(ブロマゼパム)

『デパスと人気が分かれる抗不安薬。抗不安の強さを求めるならコレ。海外でも人気であるマイナートランキライザー!』

(5mg)

催眠鎮静/●●●●

抗不安 /●●●●●

筋弛緩 /●●●●●

抗痙攣 /●●●

発現速度/●●●●

持続時間/●●●●

依存性 /●●●●○

乱用性質/●●

──────────

ベンゾジアゼピン系          

Tmax/1.5h

T1/2/20h

剤型/1-2-5mg

 デパスの人気に少し劣る理由は、まず、乱用に適していないためと推測できる。

 また、こちらはデパスに比べると、明るくなり不安を背後に押し込むタイプではなく、不安そのものを抑制するように働くような薬効であった。

 乱用できないが、不安に対してなら1番効く。5mgを飲んだらあら不思議! 気持ちが落ち着く……落ち着き……過ぎ……る。

 そこが少々怖い点。そして、催眠作用も強いのも難点。下手な睡眠導入剤より眠くなる(※)。

(※リスミー、おまえのことだからな。おまえ、そろそろこっちのカテに移ーーれない、ダメやん。だって、きみ、抗不安作用も微々たるものしかないから。まあ、またたあとで会おう)。






○ソラナックス/コンスタン(アルプラゾラム)

『バランスの良い抗不安薬。眠くなりにくい点は利点といえるのだ』

(0.8mg)

催眠鎮静/●●

抗不安 /●●●●

筋弛緩 /●○

抗痙攣 /○

発現速度/●●●●●

持続時間/●●●

依存性 /●○

乱用性質/●

───────────

ベンゾジアゼピン系

Tmax/2h

T1/2/14h

剤型/0.4-0.8mg

 効能の強さ、という点で考えた場合は、さすがにレキソタンやデパスには劣る。

 しかし、自然な流れで薬効が発現するうえ、催眠作用は弱いといった利点がある。

 乱用性の低さ、筋弛緩作用の弱さ、自然な発現、弱めの鎮静、と乱用に適してはいないが、働く悩める人にはおすすめしたい抗不安薬。

 fate/stay nightの最優クラス、セイバーの称号を与えるとしよう!(?)






○ワイパックス(ロラゼパム)

『ほろ甘い糖衣錠。焦ったときは舌下に投薬! すると、あら不思議! 早く効き始めたーーような気がする! 役に立つ御守りのお薬』

(1mg)

催眠鎮静/●●●○

抗不安 /●●●●●

筋弛緩 /●●

抗痙攣 /●●●

発現速度/●●●●●

持続時間/●●●

依存性 /●●●●○

乱用性質/●●

──────────

ベンゾジアゼピン系

Tmax/2h

T1/2/12h

剤型/0.5-1mg

 とにかく素早く効いてくれる抗不安薬。最速のサーヴァント、ランサーのクラスを与えたい。

 パニックディスオーダーの方を対象に作られ、初期は舌下に入れ素早い効き目を出せるように製薬されていた。

 つまり、不安障害には経口、パニック発症には舌下摂取、と使い分けることも可能……かもしれない(臨床試験での結果、ほとんど違いはなかったというオチ)。

 焦りやパニックに特化している印象のマイナートランキライザー。抗不安作用の強さにのみ注視すると、マイナートランキライザー2強(※デパス・レキソタン)には、さすがに少し手は届かない。

 しかし、速効性で比較するとしたら、おそらくマイナートランキライザー最速であろう(※注射剤は除く)。

 強い不安感や昂り、焦り、恐怖心などに効くような、ボーッとするような効き方をする。そのため、薬物依存症患者にも使われる。再使用欲求が高まり焦る感情を鎮静してくれるのである。

  甘いせいで、無駄ながらもついついポリポリ食べてしまう。






○レスタス(フルトプラゼパム)

『超長時間作用型のマイナートランキライザー、その半減期に驚くなかれ、なんと190時間! とはいえ、鈍足ながらも迫り来るのは恐ろしく強い作用ッ!』

(2mg)

催眠鎮静/●●●○

抗不安 /●●●●●

筋弛緩 /●●

抗痙攣 /●

発現速度/○

持続時間/●●●●●

依存性 /●●●

乱用性質/○

──────────

ベンゾジアゼピン系

Tmax/8h

T1/2/190h

剤型/1-2mg

 こちらには鈍足のサーヴァントーーいや、怠惰のラースだ!

 めちゃくちゃ遅効性でありながらも超長時間作用しつづける。速さを生け贄に捧げ、持続力を召喚した常飲を前提とするマイナートランキライザー。ワイパックスとは真逆である

 飲み続けることを前提にしているため、1日1か2回飲みつづけなければいけない。作用が続くのをメリットに感じるかもしれないが、Tmaxが8h、T1/2は190hという驚きの鈍足さはネックであるといえよう。

 定常状態になるまでの期間は、まだ体に薬が馴染まないからか、常に眠くなっていた。ちなみに定常状態は、半減期×5=時間でおおよそ到達する。つまり、190×5=950時間/24時間=39日と14時間となる。要するに1ヶ月半は最低でも飲み続けなければ効果が安定しない。

 とはいえ定常状態に至ったあとの抗不安作用は素晴らしい。乱用しようがないため、純粋に不安障害の方などにはおすすめできる。

 ちなみに、更新時はまだ個人輸入が可能である。個人輸入の可能な残されたマイナートランキライザーのなかでは一番強いと考察している。






○リーゼ(クロチアゼパム)

『デパスの元でもある偉大なマイナートランキライザー。しかし効果は弱め。だからこそ、かえって老人の方には根強い人気があるのだとか』

(10mg)

催眠鎮静/●

抗不安 /●●●

筋弛緩 /●●

抗痙攣 /●○○○○

発現速度/●●●●●

持続時間/●●○

依存性 /●

乱用性質/○

──────────

チエノジアゼピン系

Tmax/0.8h

T1/2/6h

剤型/5-10mg

 眠くなりにくい+筋弛緩作用も弱いため、ダウナー系ドラッグの代替品にはなり得ない。だが、眠くなりにくいからこそ、安定した人気を誇っていられるともいえるであろう。

 いまいち効果がわかりにくい。しかし、ジアゼパム等価換算表を見るかぎりでは、なぜか、デパスより強い作用と計算できてしまう(いや、まああれを参考にしたら、デパス3mg=レキソタン5mgとかいうとんでもない結論が出るから、あんまり気にしないことにしたほうがいいか)。

 デパス(エチゾラム)を除いたチエノジアゼピン系精神薬は、総じて薬効が低い傾向が見受けられる。気のせいだろうか?






○リボトリール/ランドセン(クロナゼパム)

『抗てんかん薬というカテゴリーに区分されながらも、マイナートランキライザーとしての実力も高く、なかには最強のマイナートランキライザーと呼ぶ者もいるくらい強力』

(2mg)

催眠鎮静/●●●●●

抗不安 /●●●●●

筋弛緩 /●●●○

抗痙攣 /●●●●●

発現速度/●●●

持続時間/●●●●●

依存性 /●●●○

乱用性質/●

──────────

ベンゾジアゼピン系

Tmax/2h

T1/2/27h

剤型/0.5-1-2mg

 不安に対して使う場合、リボトリール1mg=レキソタン5mgと強い抗不安作用を持っており、それが1日近く持続する。

 眠気も薄いため使い易いように思える。しかし、レキソタンと同じデメリットーー落ち着き過ぎる点ーーがあるのだ。その状態が、1日まるまる続くハメになる恐れがあるという、まさに諸刃の剣といえよう。

 眠くなり難いのはメリットだが、流石に2mgだと眠気が現れてしまう。

 即効性は薄く、また、半減期も長いため乱用には不向きである。






○セルシン/ホリゾン(ジアゼパム)

『そこそこ早く効いて長く効く。乱用には的さないが、抗不安薬としての実力は意外とあるだろう』

(10mg)

催眠鎮静/●●●●○

抗不安 /●●●●

筋弛緩 /●●●●

抗痙攣 /●●●●○

発現速度/●●●●

持続時間/●●●●●

依存性 /●●○

乱用性質/●

──────────

ベンゾジアゼピン系

Tmax/1h

T1/2/57h

剤型/2-5-10mg

 覚醒剤の悪夢を見たときに困ると言ったら処方された抗不安薬。抗不安薬の割には眠気はやや強く、日中飲むには慣れが必要かもしれない。

 乱用にはまるで適していない。というより、長時間作用型は基本的に乱用には適していないのだろう。

 これからの活躍に期待している。実は覚醒剤の悪夢云々は以前ワイパックスが処方されていたのだが、ワイパックスはまるで意味がなかったため変更してもらったという経緯がある。期待しているぞ、セルシン!

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