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みんな異世界に行きたい  作者: 十倉十全
12/19

12.メイド服はいいぞ

 



 物凄い今更だが入口前から奥に案内された。


 コードやら謎の機械やらが散乱してる床に足を取られながら進むと、隠れているような扉があり、そこに生活スペースがあった。そしてなんとその部屋、暖かいのである。



 まあ、一言で言うと 最高



 最早ソファに座れるだけで幸せを感じる。やばい。


「革張りなのにふかふかだと.....!?」


 けしからんな。眠くなってくるわ。


「今なにか飲む物を入れますね」


「ありがと!」


 遠慮などしない。有難く頂く。

 飲み物は貴重だよ。まじで。


 青年がお茶を入れているのを見ると、どこから見てもただのイケメン執事である。これが人間ではないなどとは思えない。


「なんでそんな格好してんの?」


 どうぞと渡された温かいマグカップを両手で包むと、じんわりと熱が手の平に伝わってきた。


「容姿の事ですか?」


「う、ん?」


 容姿というか装いというか洋服というか.....?


「自由に変えられるので、何か要望があったらなんでも聞きますよ」


「変えられる.....?」


 服を?服をだよね?


「はい。こんな感じに」


 そう言った途端()()()。青年が。驚き過ぎて口が塞がらない俺の目の前で、ダボダボになってしまった執事服から、美少年が首を出す。


「どうでしょうか、データがある個体になら一応なんにでもなれるのですが........」


「.............」


 ............すげぇ。やべぇ


 開いた口が塞がらない。すげぇ。まさか、液状型ってこういう事?


「.......性別、とかも変えられるの」


「はい。元々性別という概念が存在しないので、可能です。ですが私の場合、創造主の性別故かデータ統計的に若干男性寄りになってます」


「ひぇ」


 変な声が出た。


 最早なんでもありじゃねぇかよ。チートか。是非今度少年の状態でメイド服来て欲しいわ。それかピンク髪ツインテロリメイドでお願いします。


「私からも質問いいでしょうか」


 さっと青年に戻ったロウィルが、首を傾ける。


「勿論。俺が答えられる範囲でだったらなんでも」


「......イノは、何歳ですか?」


「2歳」


 身体的には。精神的には違うけど。


「全然見えないですね。.....いや、あの、見た目的な意味ではなくて」


 慌てて言い加える青年は前世の弟よりも断然人間っぽかった。もうこの青年人間じゃないって思うのやめよう。


 まあ、でも


(2歳児なんだよなぁ)


「2歳なんて皆こんな感じだよ」


 知らんけどな


「そうでしょうか.....」


 いまいち納得していない様子の青年を横目に、マグカップの中身を口にする。少し苦味があるココアだった。全身があったまる。生き返るわー。


「あ!!」


 一息ついて思い出した。



(兄ぃぃいいい!!)



 シンプルに存在を忘れてた。


 どうしよう。やっべー。いざとなったら時間戻せばいいやとか思ってたけど、今時間戻したらこのチート青年との出会いも無くなる訳で.....


「どうかしました?」


 目の前の青年(チート)との出会いをパーにしたくはない。


「.........なんでもない」


 後で考える事にしよ。そうしよ


「そう、ですか?ならいいんですが」


 無表情なのにわかりやすい謎。


「せいねん.....じゃなくて、ロウィルさ、別に2歳児に敬語使わなくていいよ?」


 所詮はクソガキ。自覚はある


「いえ。私が敬語を外すのに慣れていないので、」


「そっか〜」


(こっちがタメでロウィルが敬語ってなんか気が引けるんだけど.....まあいいか)


 考えるのやめよう。気遣いもやめよう。そっちのが楽だし!


 てか自分で付けといてなんだけど、ロウィルって呼びにくいな。

 ウィルでいっか!


「そーいや、ウィルってここに住んでんの?」


「.....はい、移動しようかと思ってますが」


 ウィル呼びに若干驚いたのか少し目を見開いた所に好感が持てる。


 一体全体誰がこんな高性能青年を生み出したのか。どこの転生者だろ。転生者だよなぁ。多分。

 PC創れるとかどんな最強転生者だよ。

 あーでも、持ち込みとかかな。いいなー、持ち込み羨ましいわ。このPC地球に繋がってないかなぁ.....もう俺の気分的に一年以上推しの声聞いてない気がする。あ゛ー。


「あの、一緒に来ませんか?」


「へ?」


 なんの話だ






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