脚本1/3
□古狐のつたない書庫・ロゴ動画
□レドラスタジオ・ロゴ動画
□テロップ
《かくかく 生誕二十周年記念作品》
□C・I
黒バック。PC画面。無機質に文字列が表示されては消えていく。
《2006年12月23日 自主制作映画第一弾「レドラ ~デスジラス復活~」公開》
《2007年2月 YouTubeにアカウント開設》
《2011年5月14日 旧「レドラ」シリーズリメイク小説「真・烈怒龍」連載開始》
《2011年10月18日 サイト名を「レドラスタジオ」に改名》
《『レドラスタジオの沿革』より抜粋》
□F・I
■コンピューター内部
データの海のような空間。0と1の羅列が延々と続く映像からズームアウト。
□F・I
膨大な電子回路の集合体。ズームアウト。
□F・I
ドットの集まりと思われるメッシュの空間。ズームアウト。
□F・I
■監督の自室内
パソコンの画面。「フォース・ガーディアンズ2」の脚本が表示されている。ズームアウト。
□F・I
■漆黒の空間/火災現場
暗闇の中に燃えさかる炎。その真ん中に、ともだちグリードが怪獣のように仁王立ちしている。
グリードの上半身映ってズームアウト終了。
グリード、怪獣のような動きをしながら咆哮。
□タイトル「帰ってきたフォース・ガーディアンズ」
□オープニングクレジット
以降、前作の映像流用。メダルに包まれ、広場の真ん中に誕生するともだちグリード。
《原作・かくかく》
全身から電撃を発射するグリード。右手から光弾を発射するグリード。爆発を起こすビル。
《出演・古狐》
ビルの向こうに消えていくコアメダル。巨大グリード立ち上がる。
巨大グリードが光線発射。公園で爆発が起こり日暮と杉田が吹っ飛ぶ。
再度光線発射。町の一角が薙ぎ払われ、大爆発に飲み込まれる(新規カット)。
《Prof.kaz》
町の上空を飛行するラミエル。グリードのパンチで粉々に砕かれ、その破片が町に落下しては更なる爆発を呼んでいく(破片落下のみ新規カット)。
《kinketsu》
雄叫びを上げながら巨大化する日暮(ケーリンX)。
《かくかく》
巨大化した状態で殴り合いをするケーリンXとグリード。
《音楽・中川幸太郎 大橋 恵 すぎやまこういち 川村栄二》
大空から急降下しライダーキックを放っているケーリンX。グリードの胴体に命中し、町を巻き込む大爆発が広がっていく。
《脚本/監督・かくかく》
光に飲み込まれ、もがきながら消えていくともだちグリード(以降、新規)。
町の上空から大量にセルメダルが降り注いでいる。
■公園
地面を転がるクワガタ・メダル。
メダル「このままじゃ済まさ――」
言い終わらないうちに靴で踏みつけられるメダル。足元を見下ろして、不敵にほくそ笑む室長(前作と同じ格好)。
空から室長目掛けて飛来するセルメダル。室長、その一枚をキャッチすると怪しげな笑みを浮かべ、さっさとその場からいなくなってしまう。
■団地/広場
前作でともだちグリードが誕生した円形広場。薄暗闇(デジタル合成で処理)。
何処からかやってくる室長。広場の中央をねめつけるような態度を取ると、片手をかざして異空間への穴を発生させる。
穴から漏れ出たエネルギーを浴びて、室長の格好が前作のものから変化する。気分が良さそうに首を回す室長。
セルメダルを構えて大げさに穴の中に放り込むと、両手を広げて復活の儀式を執り行う。
室長「闇の世界の力よ、最後の力を! アミアス、アミアス、アミクロス……没ネタ復活!」
空間の穴からチカチカと発光する物体が飛び出してきたかと思うと、広場の中央に闇雄が出現し、颯爽と着地する。空間の穴は消える。
闇雄、携えた長剣をかっこよく振るって脇に下ろすと立ち上がる。
室長「よくぞ戻った、最強の没ネタ獣・闇雄よ」
闇雄「クックック、懐かしい名前だ……この俺を甦らせたということは、貴様もようやく運命に抗う準備が整ったということだな?」
室長「その通り。今こそ、この世界に反旗を翻し、堕転へと導くとき!」
闇雄「クックック、実に楽しみだ。待っていろよ『フォース・ガーディアンズ』め。貴様らのため不遇をかこったこの一年間の恨み、必ずや晴らす!」
室長「フハハハハハハ!」
闇雄「ハァーッハッハッハ!」
広場の真ん中で高笑いする室長と闇雄。
その真ん前を、一匹のワラシがちょこちょこと通り過ぎていく。カメラ目線になって大げさに首をかしげたりしてるが、途中でいきなりすっ転ぶ。
天に響く二人の怪しげな笑い声。
■市民の森/風車小屋前の田園
のどかな田園の風景。
風車小屋の、風車部分に突然電流が迸り、巨大な空間の穴が発生する。
何処からか出現し、あぜ道をゾンビのように徘徊する仮面の怪人たち。
突然、遠くからバイクの走ってくる音。
怪人たちが振り返ると、ケーリンXが自転車を駆ってカッコよく突っ込んでくる。怪人たちが何発か光線を放つと、自転車の走る両脇で小爆発が連発していく。ケーリンX、構わず走る。
ケーリンX「怪人ども……かかってきやがれ!」
怪人たち、それぞれ大げさに天に吠えながら、駆け出す。
ケーリンX「とーう!」
自転車から勢いよくジャンプしたケーリンX、ダイナミックにポーズをとりつつ、空中から怪人たちの目の前に着地する。突っ込んできた怪人の一体に、勢いのまま上段回し蹴りを浴びせ、戦闘開始。
ケーリンX「とう! たぁ! とーう!」
威勢のいい声を上げながら、迫り来る仮面戦闘員たちをいなし、やっつけていくケーリンX。何人目かの怪人を殴り飛ばした後、カメラ目線でダイナミックにポーズをとり、叫ぶ。
ケーリンX「ケ~リ~~~ン、エーックス!」
■市民の森/風車小屋裏の森林の中
森林の中でもウジャウジャと歩き回っている戦闘員たち。
そのうち一体が、突然飛んできたエネルギー弾に命中し倒される。
森林の一角で、杉田がスカルマグナムを構えては、銃撃で応戦している。
杉田「サモン……『ヒーハックガン』!」
掛け声と共に、杉田の手の中にヒーハックガンが出現する。スカルマグナムとの二丁拳銃で周囲の戦闘員たちを次々に打ち倒していく杉田。
ちょっとカッコよさげなガンマン風に決めポーズする杉田。
■市民の森/田園を見下ろせる位置にある通路
立ちはだかる戦闘員たちの中を駆け抜け、次々に蹴散らしていくケーリンX。
ケーリンX「サモン……『ディーソードベガ』!」
掛け声と共に、ケーリンXの手の中にディーソードベガが出現する。それを振り回し、背後の敵、続いて目の前の敵を切り捨てる。
カッコつけて見得を切るケーリンX。
ケーリンX「コイツらの親玉は何処だ!?」
そう言ったケーリンXの目の前に、ちょっと強そうな上級怪人が出現。剣を構えたケーリンX、突っ込んでいって一対一の戦闘になる。
突いて、切って、武器同士がぶつかって、しばらくの間互角の攻防。
隙を見て、ケーリンXの剣が怪人を弾き飛ばす。
ケーリンX「今だ!」
ケーリンX、ディーソードベガを横倒しで構えると刀身を手でなぞる。刀身がビーム状のエネルギーで発光し始め、レーザーブレード状態になる。
カッコよく身構えると、突っ込んでいって怪人を二発ほどぶった切るケーリンX。悲鳴を上げて転がっていった怪人が、苦しげに立ち上がった瞬間、剣を真横に薙ぎ払う(イメージ映像化して三回ほどリピート)。
ケーリンX「ケーリン・ブルーフラッシュ!」
画面全体を横一文字に切り裂いていく青白い光。
怪人「キエェェェェ!」
一刀両断された怪人、悲鳴を上げてその場に倒れる。大爆発。
ケーリンX、剣をヒュンヒュンと振り回して体の脇に下ろす。
ケーリンX「……これにて一件コンプリート」
片付いたと判断したケーリンX、急いでもと来た道を戻る。
■市民の森/風車小屋前
敵を全滅させたケーリンXと杉田、風車小屋の前に集まる。
ケーリンX、立ち止まると同時に光に包まれて変身解除され、日暮が現れる。
杉田「日暮、そっちは片付いたか?」
日暮「ええ、杉田さんも無事で何よりです」
室長「ご苦労だった、二人とも」
声がして突然、室長が何処からともなく現れる。振り返る日暮と杉田。
杉田「室長!」
室長「いやぁ、実にいい働きをする。日暮くんも立派になったもんだ」
日暮「……前から思ってたんですけど、この人一体何者なんですか?」
杉田「さぁな……分かっているのは、設立当初からフォース・ガーディアンズに関わっているということ。そして、ついた異名が『骨の室長』だということだ」
日暮「……それ、単にヤセてるだけなんじゃないですか?」
室長「ところで、杉田」
杉田「はっ!」
室長「君に今すぐ、頼みたい案件がある。至急、ヨーロッパに飛んでくれ」
日暮「ヨーロッパ!?」
杉田「はっ、喜んで!」
日暮「なんで杉田さんも二つ返事で引き受けるんですか!」
杉田「心配するな日暮。お前だってさっきみたく、もう充分一人で戦えるようになってるじゃないか」
日暮「それは、そうなんですけど、なんかこう、無理やり感が、うーん……」
杉田「まぁ万が一ってこともあるしな……いざとなったらコイツを使え」
そう言ってモーフィンブレスを手渡す杉田。
日暮「これは……?」
杉田「俺がフォースブレイクし、この世界に定着させたアイテムだ。緊急時にお前の力を増幅してくれる」
日暮「いつの間にそんなものを……」
杉田「心配すんな。すぐに戻ってこれるさ」
そう言って笑顔で、日暮の肩を叩く杉田。
そんな二人の様子を、背後から室長が怪しげに見つめている。
■広く晴れ渡った青空
空の彼方に飛び去っていく飛行機(CGでも可)。
■町中(どこかの屋根の下)
日暮と室長が二人で歩いている。座る場所を見つけて、座る二人。
室長「……行ってしまったな」
日暮「はぁ……それにしても室長、杉田さんがこんな急にヨーロッパにいかなきゃいけない理由って、一体何なんです?」
室長「大人の事情だ」
日暮「ご都合主義を隠す気もないんですか!?」
室長「冗談だ。日暮くん、君は“物語”とは一体誰のものだと思う?」
日暮「え……?」
室長「例えば……この世界に創造主がいたとしよう。それがもし、君の存在が不都合なのだと言い出したら、君だったらどうする?」
そう言って意味ありげににやける室長。
室長「逆らうか? あるいは望まれるままに世界から消えるか?」
日暮「俺だったら……多分逆らいます」
室長「ほう? しかしそのために、世界の均衡は崩れるかもしれない。創造主の描いたシナリオに背くことで、誰にも想像し得なかった結末が訪れるかもしれない。それでも逆らうかね?」
日暮「生み出された目的が何であれ、今ここにある命は確かに俺のものです。だからもし、俺の意思を押さえつけて好きにしようなんて奴が現れたら、俺はソイツと戦います」
室長「……いい答えだ。君の将来に期待してるよ」
もう一度怪しげな笑みを浮かべると、立ち上がってすたすたと歩き去っていく室長。取り残された日暮、しばし呆然としている。
日暮「一体何だったんだ……っていうか誤魔化された!? 室長ぉ~っ!」
慌ててその場で立ち上がり、室長を探しに駆け出していく日暮。