4話 神具
「せめて苦しまずに逝かせてあげる。」
赤い目をした死神が言った。
「は?今の状況分かってる?本当にイカちまったあぎゃあああああああああ!!!!!!」
急に私を地面に押さえつけていた男が絶叫する。無理もない。腕がぐしゃぐしゃになってしまったのだから。
私は男の腕を右手でつかむと、そのまま強く握った。
すると男の腕は「メギョ!」という嫌な音を立てて潰れてしまった。
「このアマ!な、何しやがった!!」
私の右に立っていた男がそう叫ぶと、サーベルを抜いて斬りかかってきた。
キーーーン!!
しかし私はなんともなかった。サーベルは私を右肩から切断しにかかってきたが、大きな音を立てて、真っ二つに折れてしまった。
ふふ、驚いてる驚いてる。
斬りかかってきた男は目を見開き、驚愕の表情を浮かべる。無理もない。
私を真っ二つに線ばかりに斬りかかった己のサーベルが、逆に真っ二つになってしまったのだから。
「何なんだお前!もしや魔術師の類いか?!」
へえ、魔術師もいるんだ。まあファンタジーの世界なんだから、魔法がなきゃ始まらないよね!
そう思っていると、片手を潰されて泣きわめいていた男が、よろよろと立ち上がり大声で叫んだ。
「このくそガキ、俺の腕を潰しやがった!野郎、ぶち殺してやる!」
女の子に野郎なんて言葉使っちゃいけませーん!野郎は男に使う言葉でーす!
その言葉によって男の暴力的な意思は伝染し、五人の男たちがそれぞれサーベルや大剣といった武器を構える。
こんなか弱い少女に大の大人が複数で、しかも武器を持って襲ってくるなんて。しかも女性の敵だし、こんな連中に慈悲なんていらないよね!
「うおおおおおおおお!!」
大剣を持った一人の男が私に襲いかかってくる。
遅い...。
スローモーションのような動きだった。
私は降りかかってくる大剣をひょいっとよけ、男の懐に潜り込むと、がら空きだった男の腹を思いきりぶん殴った。
「ぐほぉ!」
男は声を上下ながら吹っ飛び、10メートルくらい離れた木にぶつかって動かなくなった。
ミシミシミシミシ..........ドーーーーーン!
男がぶつかった木が音を立てて倒れる。男は口から血を吐き、動かなくなった。
内臓破裂。即死だった。
「ば、化け物...!!」
残りの男たちは怯え、後退する。
「化け物なんてひどいなあ...。それに何でおびえるの?最初に仕掛けてきたのはあなたたちだよ?」
笑いながら一歩一歩死神は近づく。
「許してくれ...!!」
「許す?何を言っているの?じゃあ、あなたたちは私がやめてとあの後懇願したらやめてくれたかな?」
空気が凍る。すさまじい殺気が男たちを襲う。
「やめないよね?なら、これも仕方がないんじゃない?それに私さっき言ったよね?『今謝れば許してあげる』って。」
わぁっと男たちは逃げ出した。
そういえば女神様が私に武器をつけるって行っていたなぁ。せっかくだしちょっと試してみようか。
「出でよ、女神の加護在りし神具よ!」
かっこつけて中二病全開な発言をする。すると大きなきれいな波模様をした刃をもった鎌が現れた。
まさに死に神ね。
私はその鎌を構えると、一目散に走って逃げている男たちに向かって鎌を振った。
スパッ!
すると鎌に触れていないのに、逃げていた男たちの直線上にあった木々もろとも逃走者たちは一刀両断して死んだ。
「.......すごい威力。ちょっと危ないかも...。」
さすが女神様が自ら作った武器...。これなら誰にも殺されないんじゃん...。
男たちの魂を吸収すると、私は再び歩き出した。
「まず、魂を効率よく集めるには人がたくさん住んでいる都市に行かなきゃ。そこに住めば、いるだけで勝手に死んだ人間の魂が回収できる。でも問題はお金かなー。」
そう、私はお金を一切持っていなかった。
「死体からお金を取るのはなんか気が引けるし...。」
立ち止まり、チラッと後ろを振り返る。
「まあ、なんとかなるでしょ!」
我ながらなんと楽観的なことだろう。
「まずこの森を抜けなきゃ始まらないよね!」
また歩き出す。
こっちで方向が合っているかだって?そんなの知ったこっちゃない。とにかく前に進めばいいでしょ!多分合ってる!...。多分...。
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