紅色の絶望
初めまして、リス太郎です。
ーー
私はライトノベルが好きだ
恋愛、SF、ファンタジー、ミステリー、ホラー…etcあるが、なかでも、ファンタジーの異世界召喚系は大好きだ。
主人公達が突然、異世界へ召喚されて王国、世界を守る為に魔王と戦うのは素晴らしい。時には王国の姫や超美少女のエルフ、ケモミミ達と戯れるのは、もう、なんとも言えん!
異世界に召喚されたい!
…と中学生の頃までは思っていた。たくさんの異世界召喚系の小説を読んでた私はある日悟った、「異世界は厳しい」と。
今までの生活、文明、社会とは違う異世界。周りには言葉が通じず、信用のできない。そんな中にポイッと置かれるのはとてもではないが私には無理だ。ストレスが溜まり溜まって魔物と、戦う前に死んでしまうだろう。
でも、異世界には行ってみたいとは、少し、ちょっぴり、ほんのちょっぴり今でも思っている。
だから!自分が異世界に行けない代わりに一筆取ろうと思う。
どうぞ、こんな私が書く稚拙、異世界召喚系の小説「異世界を俺色に!」をお読みください!!
グロ注意です。
グチャグチャグチャ、ムシャムシャッ、ビチャッ、ガウガウッ
――■の月、■日、■時、どこかの暗い地下室で、何かを食べている音が響いている。
「あぁあ……」
その何かは人の形をした肉塊であった。
そこへ、紅い目をした狼達が一心不乱に手や足を喰らっていた。
しかし、人の形をした肉塊の手や足はたちまちに生えていく。
その人の形をした肉塊は白い髪の男であった。目は黒い目をしている。見た目は青年ぐらいだろうか?しかし、身体は若く綺麗なものではなく、己の血にまみれている。とても痩せ細っており、目の前の狼に言い様に食されている。
「あぁ…」
男は食われながら思った。いや、ずっと思っていた。ここに入れられたあの時から。
「亜ァアッ!!」
思い出すと怒りが溢れて出てくる。あの男をっ!あのあのあのあのあノアノアノアノアノッー
ガシャンガシャン!!
男は自分を冷たい壁に縫いつけている鎖を怒りに任せて引きちぎろうとする。それでも、黒光りのする鎖は引きちぎれない。
「なんでっ!ナンデ、オレガァアッ!!」
あの時の男はまさか、自分が狼の餌になるとは思ってもいなかった。あいつが裏切らなければ、裏切らなければ――俺はこうならなかった!!!!
「クソクソクソクソクソクソッッなァんでだよォォオ!!俺がァア!なァにをォしたって言うんだァァアァ!?」
男は何度も何度も吠えた。恐怖で縮こまった仔犬のように。
しかし、狼達はそれに一度慄いたが、男が自分達に攻撃する事が出来ないとわかると次には目の前の肉塊に向けて口を動かした。そして、また肉が生える…暗い地下室でおぞましい、その光景がずっと繰り返されていた。
神の助けのない、暗い暗い地下室で男は来ない助けをひたすら待つ。あの、自分の最愛の人の――
「あぁ、■■■ーー、■■■ー」
だが、その人はまたあいつに奪われてしまうーーそれだけはそれだけはッ!!絶対にッダメだッ!!!ここから、抜け出さないとッ
男は藻掻く、浅ましく、蜘蛛の巣に引っ掛かった蝶のようにーー
何度も何度も、暗くてどれだけ時が経ったかわからない。
だが、まだッ間に合うッ!!!!
誰もが出れない、その絶望的状態でも男は諦めなかった――
ピキッ
男の目の前で暗い地下室の壁に、いや、空間にヒビがはえる――
男はそれに、驚き、呆然と眺めた。そのヒビは止まることなく、大きくなっていく。
バリッバリリッ
男と狼達は空間にでき、静かになった部屋に音をたてながら大きくなっていくヒビを見詰める。
パリンッ
遂にそのヒビは割れた。現れた空間は暗い地下室よりも、もっと暗かった。
まるで、死の深淵の底。
そこから、血のように紅い双眸が男を見ていた。男はそれに目を離せずにいた。男にとって、長い時のように感じた、その一瞬は、血管の中の血液が震えるような、低い声によって終わる――――
「お前は力、全てを奪い返せる力が欲しいかァ?」
その低い声は男に向けて言葉を発された。
その言葉に男は驚く、自分は全てを奪われてしまい、こんな地下室にいるのだが、まさか、そんな自分に力をくれるなんて、こんな都合のいいことはあるだろか?また、罠だろうか?しかし、自分は何も、もう失うものはない。そんな力があるなら――
「あぁ、欲しい、とても欲しいさ。そんな力があるならば。」
男は充血した目で紅い双眸をしっかりと見据えながら、答えた。
その答えに深淵の双眸は笑いながら言った。
「ハハッ!誰かに起こされて機嫌が悪かったが、こんなにも復讐心に駆られた奴がいるとは。アァ、そうか。俺はこの為に目覚めたのカ。フフッ。そこのお前、喜べ。あるぞッ我を喰らえ、そしたら、最凶の力を手に入れれる。さぁ存分に喰らえッ!!」
その双眸は男の答えを聞いてウンウンと頷きながら、深淵から出てきた。紅い髪をした男だった。その男は恐れて吠えた狼を瞬殺する。さっきまで、肉塊だった男の鎖もいとも簡単に引きちぎる。
そして、笑いながら自ら、己の首を切断して男の前で事切れた。
突然の行動だった。
常人だったら、その光景を見て、言葉を失い、恐怖に打ちひしがれるだろう。しかし、もはやその男は常人ではなかった。その光景を眺め、ケタケタと笑い、動いた。その紅い双眸をした男だった物に喰らいつく、ひたすら、咀嚼する。
クチャクチャクチャブリュッグチャグチャブチッビチャビチャッ
汚らしい音を盛大にたてて。
それを食べ終わった瞬間、男の体に異変が訪れる
ゴリッバキバキッブチブチッ
「アァアアァァアァアァアアアァ!!!」
あまりの痛みに男は絶叫し、のたうち回った。右に左に転がる。地下室に音が反響する。全ての音が止まった時。倒れていた男は立った。
その男は血のように紅い髪と目を持っていた。
「ヒィハッハッハハッ!!!これでッこれでェ!!奪い返せるぞォオッ!!!!」
男は笑った、狂ったように笑った。
世界にとって、災厄の怪物が生まれた。
大きな産声上げて――
更新速度は1週間に1回の予定です。