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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
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Future War

作者: しヴぁ
掲載日:2016/04/28

 空は澄み渡っていた。

どこか片田舎を思わせるような街並み。

ただ、よく見るとあちこちに瓦礫が転がり、荒廃した雰囲気がみてとれる。

人影もなく、あたかもゴーストタウンのようであった。


 そんなところに彷徨う一匹の虫。

それはどこにでもいるような虫であって、それでいてなにかを求めているようでもあった。

静かな羽音を響かせながら、虫はある建物の窓に着地する。

なんの変哲もない風景の一コマだが、虫はなにかを観察するように窓の中を見ていた。


 廃屋といってもいいよう建物。

その片隅の一室で男たちはカードに興じていた。

下卑た笑い声とギャンブル伴う熱が部屋にはこもっている。


 ふと、男の一人がギャンブルの熱を冷ますかのように窓際へ歩いてきた。

じっと窓の外に目をこらす。

そして、虫を見つける。


「モスキート!!!!」


 男の絶叫にも近い叫び声が室内に轟いた。

部屋にいた男たちの動きは迅速だった。

皆が立ち上がり、壁に向かって立てかけてあった銃器へと殺到する。

窓際の男も腰のホルスターから拳銃を抜き出すと即座に構える。


 タタタン


 乾いた三連バーストの音は男の拳銃からのものではなかった。

窓の外に浮かぶ、4枚のプロペラを使った浮遊物体からの射撃。

それは確実に窓際で拳銃を構える男の胸を貫き、窓ガラスを割る。


 「くそっ!ドローンだ!」

誰かの叫び声。

応射するように牽制の銃撃が窓の外へ向かって放たれる。

しかし、そのドローンは追撃するでもなく、役目は終わったとばかりに下がっていった。

代わりに現れたもう一機のドローン。


 ボシュ


 鈍い音がすると室内にカランと物体の飛び込む音がした。


 「グレネード!」

叫びと共に反射的に男たちは室外へ向かう扉へと殺到する。


 ドンっ


 室内に閃光が沸き上がると死の爆片がまき散らされた。

逃げ遅れた3人ほどが金属片を身体にめり込ませてその命も散らした。


 建物の中はハチの巣をつついたような騒ぎになっていた。

他の部屋からも武装した男たちが飛び出してきている。

窓のない通路へと。


 そしてその様子を見つめる冷徹な目があった。

男たちのいる建物から200m以上離れた場所にある屋上。

そこには一丁のライフル。

しかしそこにあるべき狙撃手の姿はない。

モスキートとドローンから送られてきた情報を元に射角を調整するモーターがキリキリと音を立てたのみ。


 男たちは混乱しながらも訓練された通りの動きをしようとしていた。

窓のない通路ならば外からの射撃はとおらない。

しかし。


 ゴンっ!


 と、衝撃音がなると壁を背にして立っていた男の半身が破裂する。

遅れてやってくる射撃音。


 冷徹な目は見透かしている。

サーモセンサーには通路に立つ男たちの動きは丸見えに近い。

そして、貫通弾の前には廃屋の壁などなんの防御にもなりはしない。


 かすかなモーター音の後、次々と打ち込まれる銃弾。

それは壁ごと武装した男たちを貫いてその中身をぶちまけさせていく。


 「ここはダメだ!外へ出るぞ!」


 壁すら貫く弾丸に素早い判断が下される。

ここにいては全滅は必至。

散開して逃走経路を確保せねば。


 その思考も屋外へ飛び出した瞬間に否定される。


 「ドッグ。。。」


 苦鳴にも似た響き。

そこには名称とは異なって人の膝丈程度の4輪車があった。

ただし、その実態は凶悪。


 3台のドッグから待ち構えていたかのような散弾と銃弾の嵐が吹き荒れる。

それは先頭の男を吹き飛ばしたのみならず、後続までも巻き込んで凄まじい死を吹き散らす。


 数瞬閃光の後、そこに動く人間はいなくなっていた。


*


 倒れた男たちから離れること数百m。

一方的な殺戮を観察していた影があった。

その影は終始無言で、一部始終を把握している。


 モスキートからの通信で生存者がいないことを確認すると、影は作戦の終了を知った。


そして、作戦が終了したことを自らの主に送信する。

あとは機材を回収して撤収するだけだ。


 身体の半ば以上を機械化されたこの身には言葉を発することすら不要。


すべては我が主、『ゾルタクスゼイアン』のために。

そう頭に浮かべながら、影は撤収準備のために急ぐのであった。


了


 

初投稿です。

練習がてらに書いてみました。

よろしくお願いいたします!

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