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おむかえ

ちょっと、驚いた。




 気づいたのは歌ってる最中だった。


 歌のバイト中、飛び抜けて背の高い男の人が居て…


(あ、セリフィアさんみたい)

っておもったら。




 セリフィアさん本人だった。




 恥ずかしかった。


 バイトの服はひらひらしたドレスで、私は普段シャツとズボンだから…慣れない格好でセリフィアさんの目に とまるのは、なんだかいたたまれなかった。


 しかもこのドレス、結構何というか…開いてたり、透けてたりする。


 何でセリフィアさんがこんなに苦手な酒の匂いが充満しているところでじっとしているのか…ちょっと理解に苦しんだけれど、パシエンス事件があったから…迎えに来てくれたらしい。


(私たちの泊まっている宿はでも、すぐ隣なんだけどな)


 まぁ、以前セリフィアさん一人で宿に帰ってヒドイ目に遭っているから…さもありなん。




 少しの間。


 …建物を出て、隣の建物に入って。


 それまでの間ぼんやりと考えていた。




 …私は獣人で。


 普通獣人は短命で。


 …と、いう事は早く歳を取る、ってことだから私は早めに『おばさん』になれるかもしれない。


 そしたら…ダメかな?喜んでもらえないかな?


(白いからダメかな)


 ラクリマさんにかまうぐらい、かまってもらえないかな?


 もっとも『おばコン』じゃなくて『人妻フェチ』だったらどうしようもないけれど…。


 ふと気がつくと口が勝手に開いていた。




「明日もサラさんの手伝いですか?」

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