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その時彼らは 6

「へ〜い、報告しますよ。現在何者かの手により、情報漏洩の可能性大。動きづらくてたまりませんぜ。報告君もいないもんだから、なんで俺が報告まで…」


 ブツブツと、独り言のように文句をたれる盗賊風の男。


「こう邪魔だてするようだと、本格的に抹殺に動いた方が良いようだな。しかし、神殿とのつながりは切れたのだろ? 魔術師絡みか?」


 リーダー格の男は、そう発言したまま思案を始めた。


「ケヶ、直接手を下しちまえ。殺るのが早えぇ」


「そういうわけには行かないでしょう。我々にもしものことがあれば、フィルシム地区の計画に支障をきたします。これ以上手駒を失うわけには行きませんよ。それより、彼らの実力のほどはいかがなモノだったのですか? 直接見てきたのでしょう」


 僧侶の視線の先には、不釣り合いなほど可憐な、白いワンピースを着た少女が、ベッドの端にちょこんと座っている。


「面白い人たち」


 クスッと笑った気がした。何故か、その場にいた男達の背筋に冷たいモノが走った。


「へー、で、どうすんです、実際のところ」


 盗賊風の男に発言を求められたリーダー格は、顔を上げ、

「バックボーンのあるヤツから潰そう。パーティメンバーは判ってるはずだ。弱点を狙って罠を張れ。パーティ行動がとれなくなったところを、各個撃破する」


「やはりその作戦しかありませんね。布教活動がやりにくくなった以上、そちらに全力を尽くしましょう。よろしいですかアラファナ嬢」


「まかせる。好きにやって」


 いつもと同じように、興味なさそうに生返事をする少女。


「…危険だ…あのメンバーには、強力な力を持つ者が…全てを飲み込みかねない…」


「ああ、気持ち悪いからお前は、しゃべるなって言ってるだろう。俺が手を出しゃ、一撃だぜ。簡単簡単」


「邪魔するヤツは全力で潰すまでだ。あと前に言ってあったガラナーク方面の話も頼んだぞ」


「へー。がんまりま」





 暫く後、明かりも付けずに真っ暗な部屋の中に少女アラファナが一人、先ほどと同じように、ベッドサイドに腰掛けている。





 もっともっと美味しくなって私と同じ匂いのするモノ達よ。そして私と遊びましょ。

命よりももっともっと大きなものを賭けて。

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