調べ
少女はいつの間にか眠りについてしまっていたようでした。
昨日と同じ、明るい真っ青な空の下、目を覚まします。
昨日と同じ、最初に目を覚ましたのと同じように、本の山の上で。
ふと、少女は足元にある本たちに目をむけます。一つ適当に見繕って開いてみたました。
それに書かれていたものは何やら難しそうな内容。文字こそは読めるものの、意味は塵ほどにも理解ができませんでした。つまらない。そう思ってぽいと投げ捨てる始末。
一冊、また一冊とそれを繰り返す。どうやら少女の気に召すような本はなかったようです。
ですが、ある一冊を手に取ると今までとは違う関心を示しました。表紙には綺麗な写真――。
タイトルには鳥と書いています。
少女は初めて、自分以外の「なにか」の存在する可能性を覚えました。
鳥の写真集を見終えると、また一冊、違う本を手に取ります。
どうやら医学書のようです。一応中身の文字を目で追ってみますが意味はまったく理解できません。ですが、そこにも「なにか」を臭わせる内容があることぐらいはわかりました。
少女は自分がなにも知らないことを知ります。そして少々悔しくなります。
だからなんでもいいので理解しようと思いました。医学書は難し過ぎますが、他に自分になんとか理解ができるものもあるはず。
そこら中にある本を手当たり次第に読み漁っていきます。
絵本、専門書、小説、写真集。ひたすらいろいろな本を読みました。
そのなかで少女は思いました。漠然とひとつのことに気が付くのです。
私は、この本の中の生き物たちとは別の場所にいると。
そしてまた、思います。
なら、そちらの、なにかのいるセカイに行ってみたいと。