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目覚め
ある場所で書いていたものの改変版です。当時完結まで至らなかったのが悔しかったので、とりあえず書いていたところまでほどほどにあげていきます。
また、基本的に第一部は小分け投稿になります。絵本の二、三ページをイメージしていただくといいと思います。
そこは広い海の上。ただ青の景色が四方八方にまんべんなく広がる世界。
その真ん中に少女はいました。
少女が目を覚ましたのはその青に囲まれた本の山、その天辺。本以外にはなにもありません。
少女は立ち上がり周りを見渡します。あまりにも殺風景。しかし、少女は違和感を感じているような素振りは一切見せませんでした。
次に高い本の山の上から海を見下ろします。雲一つない空をそのまま反射し、それはそれは美しい青色をしていました。ですが、それについても無感動。
ついには飽きてしまったのかその場に寝転ぶ始末。
そして呟く。
「私って何だろう」
どうやら少女は記憶を持っていないようでした。