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だって私は…………

だって私は…………

掲載日:2026/10/14

 笑点の小遊三さんを見ていて、思い付きました!

 今思うと、あの時のおそ松さん映画のキャスティング、すごかったなぁ。

 私は侯爵家の娘


 生まれた時から結婚相手は決まっていた


 30も年の離れた好色な伯爵


 私が15歳になれば相手は45歳だ


「大丈夫よ。こんな年齢差、貴族では当然なのよ」


 母親と思えない言葉


 彼女(母親)も私と同じように、20歳年の離れた結婚だった


 そして同じように娘達に接する


 母親の夫には愛する平民女がいる


 母親は血筋を繋ぐ、または血筋を売る為の道具だ


 母親はお金に不自由なく暮らし、愛人もいる


 教養も美貌もあるが、道徳心だけがない


 そのように育てられたのだから仕方がない


 私の姉3人も既に嫁ぎ、子を生んでいる


 美しい容姿の可愛らしい子供達だ


 私の夫となる男にも、愛人が2人いると言う


「君(愛人)とは真実の愛がある。結婚は命令で仕方なくだ。どちらが大切か分かるだろう? ああ、共に居れないこの辛さよ」


 他人からすれば喜劇にしか見えない、悲劇の慟哭


 別々にそう言われた愛人達は、思うだろう


「私と彼が結婚できないのは、あの女のせいだ。あの女さえいなければ」


 そして愛人は私へ殺意を抱ける


 私が子を生む役割を果たせば、きっと殺しに来るだろう


 2人いる愛人


 愛する相手が複数いる不誠実な夫


 何の力も持たない愛人が私を少しでも害せば、彼は厄介払いができたと笑うだろう


『愛人達のことを』


 若さも初々しさもなくした愛人達に飽きた時


 伯爵は次の相手を探すだろう


 いらない玩具(愛人達)を憲兵に引き渡した後で


「君がそんなことをするなんて、信じられない。彼女の生家は侯爵家だ。僕では庇いだて出来ないよ」


 この時の彼の表情で、やっと愛人達は理解するだろう


「ああ、私は捨てられた」のだと


 絶望に涙する愛人達の苦悩が、私の胸に突き刺さる





 …………と言う、夢を見た私


 残念ながら私は、ジジ専ではない


※ジジ専とは、若者よりも40代以降の中高年や、年配の男性に強い恋愛感情や魅力を抱く嗜好のこと



 普通に恋がしたい


 残念ながら姉達は素直に嫁いだが、私は逃げることにしよう


 でも平気


 私の後には、次々に弟妹が生まれているから


 彼らもきっと思うだろう


『逃げて良いなら、逃げてしまおう』

 

 年寄りの正妻や後妻、身分の高い中年女性の若い燕、時には女当主の配偶者…………


 まともな釣書も来るのに、1ゴールドでも金を多く出す家に売り払われる子供達


 子も親にさほど愛情もない


 育てたのは乳母と侍女だから


 貴族の子らにとって、貴族でいられなくなるのは怖いことだ


 でもきっと大丈夫


 私には前世の記憶があるもの


 洗濯女でも、食堂のおばちゃんでも、何でもやってみせる



 だって前世のめめきゅんを思い出したら、どうしてもジジイを受け付けなくなった私


 チョロリンとか、歌とかダンスとか、もう最高過ぎて


 あの尊い姿を思い出せただけで、明日から生きて生ける……気がする


「美形の多いこの世界で、貴方似のイケメンを見つけてみせるわ。でも愛人とかにするのは無理なの。だって愛したなら、相思相愛になりたいもの!」



 こうして私は、市井での生活形態を調査し、貴族でめめきゅん似の人がいないか確認に走る


 もしめめきゅん似の人がいれば、(貴族としての)最後の思い出として会話を楽しむ為に


 今は13歳と10か月


 リミットは僅かだ



 このタイミングで思い出したのは、幸か不幸か分からない



 でも、もう戻れないの……………………













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