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6. 魔術のミルクティーは水っぽい


ここしばらく、魔女の家は静かだ。


宣言どおり、ルシニウスは台所にいくつもの作り置きを残していってくれた。



『日持ち注意。 番号順に食べるんさ!』

『温め3分。ババアは雑だからハチに頼んで』

添えられたメモに、つい気持ちが和んでしまう。


菓子の袋を手に取り、居間の揺り椅子にどさりと座る。

ようやくハチの解析が終わったのだ。


ここにはいないルシニウスに随分助けられた。

最近の食生活が、荒んだ生活で大味になっていたシティに、繊細な味覚を取り戻してくれていた。

ゾゾアの嗜好を活用した魔術の理解に、感覚の研ぎ澄ましは必須であった。


ハチの解析からは多くのことを学んだ。

解析術に関する理解も深まり、特に嗜好を用いた術の多層化については、学ぶことが多かった。


「こういうことも、できるわけよ」

机の上には水の入ったティーポット。

そこへ糸のように細い光を絡みつかせる。

あっという間にミルクティーの完成だ。

さっそく一口。


「……いまいちね」

確かにミルクティーだが……水っぽい。

加温式に、変質の術を載せてみた。

いつもの術式に香りの記憶で式を重ねがけ。

一筋縄ではいかないが、もう少しでコツがつかめるはず。


それにしても――ルシニウスが淹れる紅茶にはかなわない。

ハチに淹れ直させた紅茶をすすりつつ、青年が作り置いた最後の一枚のクッキーに手を伸ばす。


「なくなる前に戻ってくるって言ってたのに」


明日から市販のクッキーか。

それかハチに作らせる?

……『健康のため』とか言って、また茄子入りクッキーなんて出されたらたまったものではない。

私は茄子は嫌いなんだ。


機能を取り戻し始めてから、ハチは随分調子にのっている。

主の言うことを聞かないなんて、ふざけた使い魔だ。


改めてゾゾアのことを考える。

師は何かを焦っていた。


(確かに透明型蛇は脅威だけど。

それ以上に師匠は何かを恐れていた。一体何なのかしら?)


ふと大柄で快活な海軍中佐の姿が思い浮かんだ。


(彼に話を聞ければ……)

けれどもすぐに首を横に振った。

制約があるのだ。無闇な接触は危険だろう。


すっかり冷めた紅茶を飲み切る。

僅かな苦味が口に残った。


ハチの紅茶も悪くはない。

けれど無性に、青年が淹れた紅茶が恋しくなった。




お読みいただきありがとうございます。


喫茶店で注文する、ロイヤルミルクティーが大好きな作者です。

自宅でも鍋で作る時があるのですが、ちょっと面倒で…

最近はネットで裏技紹介されてた方法で代用してます。


 【時短!ティーバッグで作るロイヤルミルクティー】

 ①温めたカップに熱湯→ティーバッグを入れて1分

 ②牛乳を加える(ティーバッグはそのまま)

 ③レンジでチン(500w1分くらい)→完成!


手軽で美味しいので重宝してます。




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― 新着の感想 ―
冬になると同じようにレンジを使ったミルクティーをよく飲みます♪ ルシニウス君がいないと、読んでいる私までちょっと寂しい気分に。
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