表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/8

第5話:情報は、どこへ向かうのか。宇宙が選び続ける未来について。




記録は、意味になった。

でもその意味は、どこへ向かうのか。

ただ感じ取られて、心に残るだけなら、それは一瞬の花火だ。


でも宇宙は、それをもっと遠くへ、もっと深くへ、運ぼうとしている気がする。



この世界は今も、膨張を続けている。

その速度は、むしろ加速しているらしい。


それはまるで、宇宙が何かを探しているようだ。

より広い場所、より遠い未来。

僕には、それが「情報の旅」に見えて仕方ない。



情報とは、“違い”であり、“構造”であり、そして“選択”でもある。


情報が蓄積され、意味が与えられたとき、

そこには必ず何かを選び、進もうとする流れが生まれる。


僕たちは、日々選んでいる。

言葉を選び、行動を選び、感情すらも、どこかで選び取っている。


つまり、僕たちは情報を「流す存在」ではなく、

**“流れをつくる存在”**なのかもしれない。



そしてここで、僕はこう考える。


宇宙が情報を記録し、

その情報に意味を与える存在(生命)を生み出したのなら、

最終的にその情報を**「未来へつなぐ意思」**を持った存在も、必要になるはずだ。



たとえばそれは、進化かもしれない。

より高次の知性。

より大きな記憶容量を持ち、より深く、より遠くを考える存在。


あるいはそれは、僕たちの選択の先にある未来かもしれない。

技術でも、思想でも、あるいは単なる優しさでも。


情報は、ただ“流れて終わる”ものじゃない。

宇宙がその記憶を、誰かに託そうとしているのなら、

僕たちはきっとその“誰か”の一節なんだ。



ダークマターという“記録媒体”。

背景放射という“読み取り装置”。

そして僕たちという“再生と再解釈の意識”。

それぞれが役割を持ちながら、宇宙の記憶は動き続けている。



この情報がどこに向かうのか、答えはまだ出ない。

けれど、僕は信じている。


宇宙が“思い出した”ことには、意味がある。

そしてその思い出が、未来の“新しい何か”を生む種になるのだと。



次回は、情報が「生命」になったその瞬間に迫ってみたい。

ねじれ、記録、意味、選択。

それらが結びついて、最初の命が生まれた瞬間を。


そこには、偶然ではない“構造”と、“意志に似たもの”が宿っていたのかもしれない。



(第6話へつづく)


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ