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閑話・若葉マーク

今回はゴールデンウィーク明け、学校に行った桜井の話になります。

俺と南雲が通う花咲宮高等学校では大半の学生が学校に携帯を持ってきている。

勿論授業中は使用不可だし、授業中じゃなくても先生の前で堂々と携帯を触る行為は基本NG。

使えるのは授業と授業の間にある10分休憩やお昼休み、あとは登下校時と言った先生が離れる時間帯のみ。

理由は災害時や不審者が現れた時、先生がいないタイミングで生徒の誰かが体調を崩したりした時といった場合にすぐ学校側が対応出来る様に携帯の持ち込みは禁止されていないからである。



「巣鴨君見て見て、ついにスマホデビュー…!」


「おめでとう!LIMU交換しよ〜!」


「交換しよー!あ、花咲宮高等学校のLIMU分かる?台風により学校休校の時とか連絡来るんだろ?」


「追加してるし分かるよ!そうだ、クラスのグループライムにも追加しとくよ。」


「南雲もスマホデビューしたから追加お願い出来るか?」


「いいよ!任せて!!」


南雲がトイレに行っている間にライムをインストールする。

待ち時間、周りを見渡せばスマホ片手に雑談していたり、次の授業準備していたり…


「…もしかして俺ら以外はグループライム入ってる?」


「もしかしなくてもそうだよ。たまにテストの点が悪かったりして親とかに没収されたりした人もいるって知り合いの先輩から聞いたけど基本みんなスマホは手放さないよね。便利だし。」


「手に入ったのゴールデンウィーク中だし、あんまり意識してなかったけどスマホって欠かせない物なんだな。南雲が使ってる所ほぼ見た事無いからかな、一応持ってるくらいの感覚だったよ。」


「ん〜…まあ人それぞれじゃない?」


「まあ料理検索くらいしか俺も使って無かったし、もう少し色々使ってみようかな。」


「そうしなよ。…にしても蜂蜜生活辞めたのか?」


「顔、にやにやすんなよ。知ってんだろ、南雲からちゃんと食べろって言われてんの。あ、料理系のアプリもあるんだな。」


「それならこのアプリおすすめ。それとショート動画系も良いやつ結構あるよ。」


「鈴鹿さんも料理する方なんだね。得意料理は?」


「和食全般。両親が料理全く出来ないからね…弟もいるし、出来るようにならないといけなかったのもあるけど料理は好きな方よ。」


近くにいた鈴鹿さんが自身のスマホにあるアプリを指差す。

ドヤ顔で話す鈴鹿さんと話す巣鴨はどことなく嬉しそうで微笑ましい。

そんな俺達を見ていた女子達からチラチラ視線が送られるのに気付かないふりをしながら鈴鹿さんが勧めてくれた料理に関するアプリを全てインストール。


「鈴鹿さんありがとな。これ南雲にも勧めるわ。」


「役に立ったなら良かったわ。」


「あ、南雲!」


「何?桜井なんかご機嫌だね。」


このタイミングで戻って来た南雲の手には購買で買ってきたであろう新しいノートが握られている。


「巣鴨君にライムのやり方と鈴鹿さんから料理アプリ聞いたからだな!あとで南雲にも教えてやるよ!!」


「ん〜…桜井に任せても良い?」


ややぎこちなく携帯を渡してきた南雲を見て近所のお婆ちゃんが携帯片手に困っていたのを思い出す。

多分南雲は携帯が苦手なんだろう。


「頼ってくれるのは嬉しいが南雲も覚えなきゃダメだぞ!!ほら、携帯貸して。」


「はい。」


携帯を受け取りチャイムが鳴るギリギリまで作業した俺は南雲の策略(?)に嵌ってしまった事に携帯を返し授業が始まってから気付いてしまった。

そう、各アプリのインストールもライムの設定もついつい俺が全てしてしまったのだ。


うーん。どうにか南雲に携帯を使おうと思ってもらえる工夫をしなきゃな。


ご覧頂きありがとうございます。


次は南雲視点を予定しています。

キーワードは『寄り道』

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