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82.電車でどんぶらこ

電車は各方面1時間に2本、始発の6時台と終着である22時台が1本。

マシュさんに切符の買い方や改札の通り方等を説明している間に乗るつもりだった電車が発車してしまい、僕らは30分ほど待って電車に乗車した。


「よ、ようやく乗れましたね。」


既に少し疲れているマシュさんを見て、満員電車ピークの朝8時頃と18時頃に乗せたら煎餅みたいにペラペラになりそうだな…なんて思ったけど、幸いいくつか座る所が空いていたので並んで座る。


「は、初めてする事って緊張するし、疲れやすいけど学びも多いですね。向こう(リザンテラ)には電車なんてありませんし、新鮮です…!」


「確かに無いな。転移魔法か転移陣か馬車か歩きくらいだもんな。」


「て、転移陣はともかく転移魔法は使える人限られてますけどね。」


電車の扉が開く度に僕をチラ見するマシュさん。

何処となくおやつを前に待てを言われている子犬みたい。



「あ、降りますよ。」


「は、はい!…と、あわわわっ…!」


時間によって無人駅となる最寄駅とは違い、大型ショッピングモールのあるこの駅は人の動きが大きい。

座席から立って直ぐに、電車初心者のマシュさんがどんぶらこと人の流れに流されて離れ離れになってしまった。


「…フラグ回収早いな。あ、マシュもなんとか電車を降りる事自体は出来たみたいだな。」


「…何かイベントもやってるみたい。すれ違いで乗った人達、同じTシャツ着てたし。」


「マシュは綿菓子みたいに軽いから見事に流されてるなぁ…ふはっ…」


「小柄だもんね。」


「それもあるが精霊や妖精の血を引く者は基本的に軽いからな。勿論、意図的に重くする事も出来るぞ!」


桜井と2人、マシュさんの姿を目で追いながら彼が流されて行く方向へ進む。


「あ、ようやく流れから逸れたな。」


「マシュさんの所、急ごう…!」


途端に桜井が早くなったので追いかけようとして気付く。

足の長さの差か!!本人自体はちょっと早足くらいだけど僕はせかせかと急ぎめ早足、やや小走り。

駅といっても地平線みたいに長いわけじゃ無いし、少し早足でマシュさんの元へ向かえばすぐに辿り着く。


「よ、良かったです〜…!もう会えないかと思いました…」


「大袈裟だなぁ。困ったら転移使えば良いだろ?」


「でもそれだと改札に入った人数と出た人数が合わないので…売れた数と金額が合わないようなもの、商売人としてはしたく無いんですよ。」


「まあ合流出来たんだし、もう気にしなくて良いだろ。」


「ちょっと待って、一応対策しておこうよ。」


「え?」


「さっき思ったんだけど何かあった時、マシュさんは物理的に人に流されやすい、桜井は足が速い、だから僕は追いつけない。あと携帯まだ苦手だし、この歳で迷子放送は嫌。」


「それなら…あ、マシュは南雲と手を繋いでくれ。」


考えが伝わったのか桜井がマシュさんと手を繋ぎ、これで合ってる?って見てくる。


「…マシュさん、手繋ぎましょ。」


「は、はい!!」



僕より小さな手を握り締め、これで迷子にならないぞ!!っと僕は心の中で意気込むのだった。

ご覧頂きありがとうございます。


次は桜井視点を予定しています。

キーワードは『付箋』


そろそろ閑話を書きたいなぁ…

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