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6.アフロヘアならぬフラワーヘア

「たった約2年前と少し前の話なのに随分昔の話のように感じてしまうな…」


平坦で変わり映え無かった生活が色付く様に南雲祖父母や南雲との関わりは俺にとって大きかった。

だから久しぶりに穏やかな南雲の寝顔を見れて南雲の祖父母や中学の先生の事を思い出してしまったのだろう。

南雲の祖父母が亡くなってからも妖精姿で南雲の様子は見ていたけど不眠気味であまり寝れてないみたいだったから。


「……アフロならぬフワロか?」


あと思い出した原因をあげるなら妖精達から花を髪に飾られまくって中学の頃の副担任の先生の髪みたいなアフロヘアが花で表現されていたからだな。

たまに妖精の森に帰って来て森の見回りついでに南雲の話をしていたがこの再現度の高いフラワーヘアに笑いを堪える。


「…くしゅっ」


南雲の小さなくしゃみに花を髪に盛っていた妖精達は一斉にビクッと揺れ、大の字に寝ていた南雲が寝返りを打つ。

プチって潰されそうになった妖精を風魔法で動かし近くにいるフラワーラビットやハナクマに念話でこちらに来てもらうようお願いする。

妖精の森は自然豊かだけど人間用の毛布なんかはないので毛布の代わりにフラワーラビットやハナクマで暖を取ってもらう。

温かいふわふわでお花の良い香りがする魔物だからきっと南雲も寝心地いいと思う。


連休に入り南雲を妖精の森に連れてきたのは良いが南雲の祖父母との誓約書の話とか妖精儀式の話を上手く伝えきれず、俺が妖精であること、ここは妖精の森と呼ばれる場所であること、南雲は日本人として日本で生きるよりこの森で暮らした方が気という物が安定するから体に合ってるよって話くらいしかまだ出来ていない。

あとは他の妖精と一緒に南雲にも妖精になって欲しいって話もした。


「起きたらちゃんと話さないといけないな…」


体が癒えるように南雲にゆっくり魔力を流し顔色が先程より良くなったことにホッとする。


南雲の祖父母が亡くなって中学卒業、高校入学と色々慌ただしく、両親どころか俺にまで頼ろうとしない南雲に俺は強引に絡んで体調を確認したり気分転換に遊びに誘ったりした。

そして時折南雲にバレないように魔力譲渡していたが意外と魔力譲渡するタイミングがあまり無く、魔力譲渡慣れてない俺から南雲へだとあと一歩体に行き渡ってない感じで困っていた。

しかも魔力供給源だった祖母がいないのに無意識に魔力垂れ流してるしさぁ…魔力不足でフラフラしてて心配だったんだよなぁ。


「やっぱこの世界は魔力に満たされてんだろうな。」


日本にいる時と違いすんなり魔力譲渡出来たことを考えれば南雲祖母は南雲や南雲祖父にどれ位の魔力譲渡出来るだけの技量と魔力量を持っていたかが窺えてなんか悔しい。

悔しいけどそれらはこれから身につけていけばいい。

まずは技量や魔力量を身につける前に南雲に可愛さを身につけさせよう。


「よし!もっと可愛くしてやろっと!」


可愛い花々や花魔物に囲まれている中、魔法で南雲の制服をふんわり生地のひよこ柄パジャマへ衣装チェンジ。


「これで良し!!」


満足した俺は南雲とフラワーラビットの隙間に潜り込んで少しだけ羽根を休めることにした。

うん、南雲が起きるまでには起きるから…

最近南雲の魔力の不安定さに気を張っていたからか妖精の森に連れて来れて一安心して気が抜けたからか俺はストンっと眠りについた。


閲覧ありがとうございます。

次は南雲視点です。

キーワードは『妖精の森の花くまさん』



ぷちメモ

桜井が南雲に出会ったのが南雲、中2の春。

南雲がうんこ踏んで妖精の森に来たのが高1のゴールデンウィーク前日、学校からの帰り道。

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