95.夜ご飯、準備中。
魔力を使うと腹が減る。
魔法を使ったから…というよりも説明が難しい魔法がいくつかあって説明に頭を使ってお腹が空いたって感じだけど。
多分今日みたいに初級〜中級あたり〔俺基準〕だと思っている魔法をポンポン南雲に見せて口頭説明するより、軽く説明を入れ、手を繋いで魔力を循環させながら一緒に魔法発動した方が良さげなんだと思う。
イメージを固める事第一に考えていたから魔法をある程度見せ終わってから気付いたんだよね。
まあ今日はしなかったけど次教える時は絶対一緒に発動しながらにするつもり。
なんていうか…頭ん中開いて魔法イメージを見せれたら…!!と語彙力の少なさに落ち込んだってのが大きい。
特に俺基準の中級、それとアレンジ魔法はA+Bに途中でKを混ぜてEを漉したものを足して…みたいなイメージの組み合わせが説明しにくくて、うがー!!って頭抱えたくなった。
学校の教科書や料理のレシピ本みたいなのがあれば教えやすいんだろうけど、妖精や精霊は感覚とか見様見真似で魔法を習得していくのが大半で魔法をイメージ出来てない南雲には分かりにくいだろうなって思って説明に苦戦したんだ。
あれだ、下処理とか料理の隠し味的な感じ。
あれって料理を全く知らない初心者に口頭説明で下処理の仕方や必要性、隠し味でどう変わるか、どのぐらいが適量かなんてパパッと言われても分からないだろ?
あとはあれだ、料理音痴にレシピの塩適量とか言ってもさ、え…どれくらいの量?って困るだろ?
あれを勘!と答えずに分かりやすく噛み砕いて話さないといけないわけ。
学校の勉強みたいに基礎が分かってれば教えやすいんだが最初からってなるとどうも説明苦手で…
カレールーみたいに入れときゃ具材適当でもある程度なんとかなるなる!みたいな感じで中級魔法は発動しないからなぁ…
「……なんかカレー食べたくなったな。」
「じゃあ夜ご飯カレーにしようか!」
「いや、シチューも食いたいかも…?」
「それなら多めにカレーとシチュー作っておいて、余ったら明日はカレーにコンソメとレタス入れてカレースープ、シチューはマカロニとチーズ入れてグラタンにしよっか。あぁ…夜ご飯何にしようか悩んでたから決まって良かった…!」
「ちょっと前にも食べたのにいいのか?」
「カレーとシチューならルーがあればみんなで一緒に作れそうだし、野菜たっぷり入れるし良いんじゃない?カレーは甘口、中辛、辛口の3パターン作ろ!カレーチーズドリアも作りたいし。」
『異世界転生しちゃった僕は泥魔法で嫌な奴らをやってける 〜ん?あいつらならあの泥沼の中だけど?〜 』って漫画を一旦俺に預けた南雲は早速楽しそうに手を洗い準備開始した。
ホールトマトも出してって言われたからキーマカレーも作るのかもしれない。
「たくさん作りたいから神様達も手伝って!」
南雲はまず…
1.月光様と夜光様には百均で買ったお子様用ピーラーを渡して使い方を説明、新風様に補助を任せた。
→やや危なっかしい手つきの2人をさりげなく新風様がサポート。
2.ジオ様と花様に玉ねぎをとにかくたくさん切るように伝える。
→2人とも玉ねぎ効果で大号泣。
なんか見ちゃいけないものを見た気分になったから俺は目を逸らした。
3.ジオ様達が用意したキッチンに足りない物を収納魔法から取り出して、フライパンや鍋をたくさん並べた。
→ズラッと並ぶフライパンと鍋は俺と南雲が関わる予定。
「みんなたくさん食べるし、後で追加の鍋も出してね。」
「おう。必要になったら言ってくれ。」
「じゃあ次は…」
「玉ねぎ、にんじん、じゃがいも以外の具材準備だな。」
「あ、そうだ!月光様と夜光様のピーラー作業が終わる頃にクッキーの型抜き出して。」
「分かった。」
暫くして月光様と夜光様がピーラーで皮を剥いたにんじんを南雲が手に取り、いつかおやつ作りで使おう!と話していたクッキーの型抜きで型を取る。
「これなーんだ?」
「「ねこさん!!」」
「正解。じゃあこれは?」
「「くまさん!!」」
「2人とも物知りだね。」
「えほんにでてきたよ!!!えっと、なまえなんだっけ?」
「まほうつかいのまんまるねことかいりきくまのだいぼうけんだよ!ふたりともまちのなかではつよかったからてきなんていちげきだ!っていってたんだけどあるひ、つよいてきがあらわれたの。それでね、てきのあるまじろをかいりきくまがなんとかたおしておおけがしたまんまるねこをかかえてまちまでもどるの。ちからぶそくをじっかんしたふたりはもっとつよくなろう!ってがんばってまいにちくんれんするんだよ。」
キラキラした目で夜光様はその絵本が好きなのかいつもより饒舌で物語を語り、南雲はよく読んでいた絵本だったのか懐かしそうに聞きながら新風様に月光様と夜光様がピーラーで皮を剥いてくださったじゃがいものカットをお願いしていた。
「そういえばあの絵本続編出てたような…?今度本屋行ったら続編あるか探しておくね。」
「ほんと!?たのしみ!!ゆずくん、ありがと!」
「ぼくもよみたい!!!!」
「また来週、あったら買って持ってくるね。売り切れてたら本屋さんに取り寄せ出来るか聞いておくね。」
「「うん!!」」
「じゃあふたりは僕が輪切りにしたにんじんをこのクッキー型でくり抜いていってね。中はこっちのボウル、外枠はこっちのボウルに入れて。どっちも使うから捨てたらダメだよ。」
「「はーい!!」」
俺は隣で葉物類をさくさく切り、冷凍シーフードミックスの解凍をお願いされ別のボウルに入れる。
「なー、南雲。食後のおやつに食パンの耳のラスクとアイスを食パンで包み揚げた揚げアイスに生クリームとチョコソース…どう?」
「カロリー夜ご飯、高すぎない?却下。」
「うぬぬ…それほど健康面気にしなくても神様と妖精と妖精霊にはあまり影響ないんだけど。だめか?」
「今夜はだめ。それよりご飯追加で炊いて。コーンご飯とターメリックライス、ガーリックバターライスにするから。ご飯やパン、ナン各種用意するつもりだからそもそもカロリー高いんだよ…?」
口を尖らせてパッパッと炒め物をする南雲は話は終わったとばかりに次から次に作業に取り掛かる。
こうなってしまうと南雲にご飯の要望は届かない。
食べたい物をガッツリ食べるなら朝が弱めな南雲より先に朝食としてテーブルにセッティングすれば良いんだし、気持ちを切り替えて行こう。
「南雲、俺次何したら良い?」
俺は夜ご飯の為、テキパキと動く事にした。
ご覧頂きありがとうございます。
次は南雲視点を予定しています。
キーワードは『パジャマパーティー』




