93.両手にぴったり
起きたら両腕に子ども神様こと月くんと夜くんがぴったりくっついて寝ていて桜井ハウスの外、仕切りの無い部屋の外では何やらげっそりしている桜井と満足そうな神様達(大人組)が目に入る。
「おっ…南雲起きたか。」
「うん、おはよう。きっと桜井がここまで運んで来てくれたんだよね?ありがとう。」
「どういたしまして。それより南雲、ベッドから起きて来ないのか?」
「両腕に神様がくっついてるから無理。」
「南雲はまだ魔法使えないから起こさずには無理だろうな。まあ神様にくっついていたら少しだが魔力増えるし暫くじっとしとけ。んで起きたらおやつ食べて魔法練習な。」
「くっついてるだけで魔力増えるものなの?」
「俺くらいのレベルになるとほぼ効果ないけど南雲はまだまだ妖精霊のひよっこだからな。じんわり温かいだろ?」
「温かいけど…これって体温だよね?」
「体温に似てるけどそれ、月光様と夜光様の体から溢れ出てる魔力な。魔力や魔法で体温っぽいものはあるがここにいる神様自体には体温無いぞ。まあ他の管轄、または違う世界にいる神様の体温事情は知らないからあくまでここにいる神様に関しては…だけどな。」
「ふーん…??じゃあ桜井が温かいのも魔力?」
「俺は体温だ。それは神様特有なんだよ。」
「そうなんだ。じゃあ溢れてる魔力が無くなれば温かさ無くなるってことかぁ…それはなんか嫌だなぁ…」
「魔法でどうにでもなる。温熱魔法とかな。そういやそろそろ月光様と夜光様も魔法練習した方がいいだろうな。」
桜井曰く各々の健康状態を見ながら魔法練習を行い、体内の魔力を循環させる事を体に覚え込ませるらしい。
指導者が居ない場合、魔力循環を体内で感じ取ってから…というのが基本だけど神様方や桜井が居るなら寧ろ魔法練習の方が手っ取り早いとかなんとか。
まあ魔法といっても初級にあたる魔法中心で転移魔法とかはまだまだ先になるそうだ。
「ふふっ…魔法楽しみ。」
「変化魔法なら度々掛けてるだろ?」
「それでもだよ。桜井が転移の時にオリジナルバージョンとか作ってるの、上手く魔法を使えれば料理にも使えそうだなぁって。」
「魔法、料理にたくさん使えると思うぞ。俺も使うがよく婆さんが時短で使ってたしな。」
「…楽しみ。」
僕は起き上がろうとして神様を両腕にくっつけたままベッドに横になった状態なのを思い出す。
「…起きて魔法練習早くしたいなぁ。」
「おやつ食べてからだな。どれも良い感じに出来てるぞ。」
「それは良かった。色々作ったからちょっと心配だったんだよね。」
「南雲が言っていた他の神様用と月光様、夜光様の間食用、あと味噌玉はジオ様に預かってもらってるから。」
「ありがとう。」
ベッドに横になったまま約30分、動けないまま桜井とやりとりをしていっぱい寝て元気な月くんと夜くんと一緒におやつタイムを楽しんだよ。
…ただね、冷たいもの食べすぎてちょっとトイレに篭ったよね。
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次も南雲視点を予定しております。
キーワードは『マジック』




