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短編とかその他

痩せたい少女とダイエット薬

作者: リィズ・ブランディシュカ
掲載日:2023/04/15



「なんか最近、あいつ太ったんじゃね?」


 学校で、クラスの男子が私を見てそんな事を言っていた。


 その言葉を聞いた私は、雷に打たれたような衝撃を受けて、持っていた筆箱を落としてしまった。


 それは、お菓子の箱を模した筆箱。


 大好きなお菓子の箱でよく食べてるんだけど、今日からは手に取れないかもしれない。






 私は、ご飯を食べる事が好きだ。


 でも悲しい事にご飯を食べると太ってしまう。


 それはとっても困るんだ。


 みんなに可愛く見られたいのに。


 だから、私は大好きなご飯を我慢しなくちゃいけない。


 でも不思議な事に我慢すればするほど、お腹がすいてきちゃう。


 ご飯どきにご飯をぬいても、後でその反動が来ちゃうんだよね。


 で、結局おやつとかをたくさん食べちゃう。


 これじゃあ、ずっと痩せられないよ!


 食べ物を連想させるものはみんな、見ないようにしてるし、聞かないようにしてきたけど、それも限界。


 何とかできないかな。






 そんな風に、頭を抱えていた時に耳に入ってきたのは、ミラクルスイーツ通販。


 聞いたことない通販会社だ。


 だけど、そこで売っている、魔法のダイエット薬がすごいらしい。


 一日一粒、甘いカプセルをのむだけで簡単に痩せられるんだって。


 簡単に痩せられるダイエット方法を検索していたら、そんな夢みたいな薬の情報が見つかったんだよ。


 これってすごいよね。


 ちょっと高いけど、お小遣いを使えば買えないわけじゃないから、試してみようかな。


 そういえば、私と同じように体重が増えちゃったって悩んでる子がいたけど、最近見ないな。


 病気にでもなっちゃったのかな。


 今度学校に投稿してきたら、薬のこと教えてあげよう。


 ホームページで操作して購入完了。


 一週間後に届くみたい。


 楽しみだな。








 ついに薬が届いた。


 学生でダイエット薬の通販なんて、反対されるに決まってるから、家族に見つからないようにするのは大変だけど、これで痩せられると思えばその苦労も報われるはず。


 さっそく使ってみなくちゃ。


 あれ、この紙なんだろう?


 説明書?


 かなりこまかく書いてあるなぁ。


 全部読むのめんどくさい。


 最初だけ読んでおけばいっか。


 重要なことがあるなら、きっと最初に書かれてるはずだし。


 わたしはさっそくその薬を使ってみることにした。


 苦いイメージがあったけど、甘くて飲みやすい。


 これなら無理なく続けられそうだな。








 あの薬を飲みだしてから三日。


 さっそく効果があらわれたみたい。


 体重が三キロも減ってた。


 今までは体重計に乗るのが憂鬱だったけど。


 これからは楽しみになりそう。


 このペースで体重を減らし続ければ、きっと理想の体を手に入れられるはず。


 忘れずに薬を飲み続けなくちゃな。


「ねぇ聞いた? あの子、さいきん登校してきてないけど、すごく痩せてるらしいよ。なんでもミラクルなんとかっていう、あやしい通販に手を出したせいだってね」

「えーほんとに」

「ほんとよ、入院してるって親から聞いたわ」


 うーん、薬の副作用かな。


 最近なんだか頭がぼーっとするんだよね。


 調子に乗って、飲みすぎた日もあるからかな。


 なんだか気になる話が聞こえてきたけど、頭が働かないや。







 痩せ始めて一か月。


 他の人が私を見る目が変わってきているのを実感した。


「なんか最近、あいつ痩せてきたんじゃないか」


 クラスの男子たちが私を見てなんか言ってる。


 ちょっと気分がいいかも。


 今でも十分だけど、もうちょと痩せればきっとモデル並みの体系になれるかもしれない。


 そしたら、モデルとかアイドルとかでスカウトされちゃったりして。


 お金はかかるけど、効果があるなら安いものよね。


 もうちょっとあの薬を飲み続けようっと。


 だけど、最近体調が良くないんだよね。


 お医者さんとか言ったほうがいいかな。


 ううん、だめだめ。


 そんなことしたら家族にばれちゃう。


 我慢しなくちゃ。


 ああ、でも。ちょっと、頭がつらいかも。


「○○さん! 大丈夫! 誰か先生を読んできて! 急に倒れちゃったの!!」








 昼の時間。


 私は、学校にいっている娘の部屋を、掃除しに入った。


 すると床に、かわいらしい通販の箱が転がっていた。


 あの子ったらまた、散らかして。


 それにしても、こんなものを買っていたなんて。


 気づかなかった。


 どうやら、私が家にいない間に受け取っていたようだ。


 だとしたら、このあいだお小遣いをせびったのもこれが理由だろうか。


 この箱には、ダイエット薬がはいっていたらしい。


 年ごろの女の子だから、そういう事に興味があるのは構わないけど、お金を使いすぎないか心配。


 時間があるときに注意しておかないと。


 あら、足元に説明書があるわ。


 この薬は強い効果があるので、かならずの用法用量を守って服用してください?


 ちゃんと読んだのかしら。

 

 こういう事ってデリケートな事だから、人からとやかく言われたくないでしょうし。


 しばらく見守っていよう。


 わざわざ親が言わなくても、大丈夫よね。



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