#詩集「Look back」①
【首輪】
この世は従順な生き物がよく可愛がられる
私はこの事をよく知っている
人懐っこく愛想よく見せてれば
私を拾う男達はいくらでもいる
その度に私は
従順な臭い犬っころに成り下がってく
本当はもう戻りたい
──いやいやカッコつけるな私
戻りたいなんてこれっぽっちもないくせに
だって尻尾振ってる方が楽だから
だってこの生き方しか知らないから......
私ってそういう奴なんよな
結局は
首輪がないと何したら良いか分かんないの
言わば自分から
つけて貰いに行ってるってこと
多分さぁ
これ一番賢い生き方よ?
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【イカれたうた】
先に云うと俺の
頭の中は相当イカれちまっている
自覚はある
親友だった人間の
心臓だか腎臓だか肝臓だかを
そいつの身体に
手突っ込んでぐちゃぐちゃにかき混ぜて
握り寿司にして食べたんだよ
意外に味は悪くなかった気がする
あ、そう言えば
先週も似たような事したっけ
色んな逝っちゃってる死骸の目ん玉
抜きちぎって
アクセサリー作ったんだ
見様見真似だけど
これ
いつか好きになる女に渡そうと思ってんの
女ってこういう可愛いやつ好きじゃんか
うぐッ...................
..へへへ
へへへへへぇえ
へへぇへへぇへはぁはぁはぁ~は!
..なさかはなまはやわまなひやをらさきたやはを
魚玉や日やなさか兄差は屋をら間かなさ愛菜尹は避け坂谷やわ、は
..13243580166980834800400380402222588680068809680009996243633256
..『【〆』)):―:(【―:☆⌒:?゜ ̄〃ヾ゜仝―/〆〇\∥|…〔《》》》》》》〕{「∞>′<=≠∴″♀♂′″℃∴▼◆▼□◆■§&@▽↑→↓⊇∋〓≫√∫∽
うふぁ
ふぅー
危ない危ない
呑まれるとこだった
たまに来る
ちょっとばかり昔の事を思い返すと
欠片が土足で
俺の頭を上がって来やがる
でもそれも一瞬
飼ってやってんのは俺
欠片は所詮ペットってこと
..ふん
そう思ってんのは
俺だけ
全部イカれちまってんのよ
自分が自分を分かっちゃいないんだわ
ほんと
とことんイカれちまっている
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【側で見てきた私だから言える】
何にでもなれる
なれる
なれるよ
貴方がいたい自分にきっと
自分には嘘はついちゃダメ
なりたいようになれるように
強く強く唱えてみて
それでも周りの大人たちが
逆光を浴びせてくるなら
貴方の持ち前の
強さを
ぶつけてヤればいい
鐘がなる
どことなく貴方の鼓動に似ている
焦らなくていい
緊張しなくていい
大丈夫
絶対
絶好調で行こう
貴方なら
何にでもなれる
なれる
なれるよ
貴方がいたい自分にきっと
なりたいようになれるように
いつか私に見せてね
貴方の素敵なシルエット
何にでもなれる
なれる
なれるよ
いたい自分へ
月が綺麗な夜に
貴方が語っていた夢の続きを
もっと聞きたいな
私はずっとこうして
隣に居たい
沢山くれた貴方の笑顔や仕草や言葉が
どれ一つ取っても
過去の私の励みになったの
だから唄わせてね
貴方の輝きを
何にでもなれる
なれる
なれるよ
なりたいようになれるように
強く強く唱えてみて
貴方の持ち前の
強さがあれば切り開ける
それでも心ぼそいなら
私の手を貸そうか
あの日握ってくれたみたいに
私が優しく包み込むよ
ほら温かい
一緒に行こうね
何にでもなれる
なれるなれる
私が自信持って言える
なれるよなれるよ
あんなこんな
数えきれない可能性を抱いて
夢を見るんだ
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【海乗り】
いつか見ていた
あの日の海が今ここに
生まれ育った街に背を向け
帆をはる
緩やかに
確かに
舟は進む
海は限りなく広い
迷子になってしまうことだって
この先いくつもあるだろう
でもきっと私は楽しいと思えている
私は海が大好き
海よ
待っていてくれてありがとう
そして宜しく
気付けば
声をあげていた
──出航!
何処まで行こうか
このつばさで
ずっと海原をの果てへ
海に押されたって引かれたって
譲ってやるものか
まだ書きかけの地図広げ
航路を導け
そしてこの目で
色づく世界の明日を見よう
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【駄作だとしても】
誰一人としても
振り向いてくれなくとも
僕には最高のものなんだよ
誰一人としても
目を向けてくれなくとも
僕には上出来なんだよ
誰一人としても
何の評価もしてくれなくとも
僕には価値のあるものなんだよ
誰一人としても
誰一人としても
誰一人としても
僕には意味のあるものなんだよ
僕が
一杯
目一杯
たくさん
何十時間
何十年も
作り育てたものだから
この世の誰もが
振り向いてくれなくとも
目を向けてくれなくとも
何の評価もしてくれなくとも
僕には
抱き締めたくなるような
駄作たち
だから
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【不確か】
ただいま
お帰り
当たり前の挨拶が今日も過ぎてく
明日が来るかも分かんないのに
明日に向けて皆
せっせと準備を始める
何がしたかったのか
何をしたのかも
曖昧なままうやむやに
幾度も同じ帰路に最後は着きたがる
答えはいつも穴だらけで
問題はいつも不正ばっかで
矛盾を私は空虚に見つめるばかり
さよなら
また明日
当たり前の挨拶が今日も過ぎてく
明日が来るかも分かんないのに
明日の為に皆
せっせと動き回る
要らなくなったものと
要るものとが
曖昧なままこんがらがり
幾度も同じ帰路に最後は着きたがる
答えはいつもバラバラで
問題はいつもいっぱいで
不揃いを私は空虚に見つめるばかり




