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1話 俺の第2の人生


「…は??」


俺は、久しぶりにこの父さんの目をガン見した。


こんなの見ても嬉しくないが。


信じられない。いや、信じられるわけがないだろう。


このおっさんは魔法学園というものを理解しているのだろうか。


魔法学園はその名の通り魔法の学園、つまりは魔法が使える者が通うエリートな学校である。


そんな学校に俺が入学?いや、冗談にしてもこれはちょっと笑えない


だって俺は魔法が使えない


威力が小さいんじゃない、、使えないんだ


そして才能は役に立たない「筋肉密度」


…でもこの父さんは冗談が苦手だ。


そんな父さんが泣きながらくるか?窓ガラスぶち壊すか?冗談だとしてもこのおっさんならやりそうだと思ってしまう。


「…それは本当なのか?」


俺はここまで「恐る恐る」という言葉を表したのは初めてかもしれない。


まぁ、ここで冗談だと言ったら1発殴って笑って終わりにしてやろう。それが平和というものだ。


けれど父さんは、、


「?? そんな冗談をいうわけがないだろう!!」


…撃沈だ。


いや、普通の家族だったならまだ信じることが出来ないでいるだろう。


けれどこの常識外れだ。小さい頃にライオンがみたいといったらアフリカまで捕ってきてしまうほどの…


あの時は焦った。小さい子供が急に常識を知ったみたいな感じだ。


俺は1から説明をする。


「いや、当たり前だけど俺は魔法が使えないんだ」


当たり前すぎて笑えない


でもここをわかってもらわないと始まらない。俺は何度でもいうさ。魔法が使えない。そう、魔法が使えないんだ


父さんの反応を見てみる。


父さんは「あ、確かに」とゆう感じに目を見開いて口を大きく開けていた。


いや、えぇ?いや、分かっていたさ、分かっていたけれど、やっぱり分かってなかったのか…


「…いや、でもなんとかなるだろ!!」


…ん?いや、何言ってるのかわかんない。


なんとかなる?ならないでしょ。


「…とゆーか父さん、どうやって学校に受かったの??」


そこだ。受かったとゆうなら実技試験と書類試験の二つに分かれているから、書類試験が受かったということになるが…


「あぁ、それはここに書いてある通りだ!!結構傑作だぞ!」


俺は受け取り流し読んだ。


…え?いや、なんで魔法が風になってんだよ!


そこから嘘じゃねーか!


その後にも俺の学歴にはないことを書いていた。いや、けれどライオンと小さい頃に遭遇したのは間違っていない…我ながらすごいと思う。


「何が傑作だ!!書類審査は嘘つき大会じゃねー!!」


いや、これはわかっていて欲しかったが…


「受からせてやったのになんでそんなに怒っているんだ。あ、同時にふたつの高校には受験が出来ないからもうここって決まってるんだぞ?まぁ、おまえならなんとかなるだろう!!ガハハハハ!!」


がんばれ!と言いながら肩をバシバシ叩いてくる父さんは嬉しそうだが、まぁもう受かってしまったものは仕方ないと吹っ切ることにした。


いや、吹っ切らないとこの先は生きていけないと本能的に思った。


でももう受かってしまったし。次に来るのは実技試験だ。正式名称を「実力パワーテスト」いや、そのまんまじゃないか。


「…高校がそこって決まっちゃったなら、そこに受かんなきゃだよな…でも俺は魔法が使えないし…うーん…」


あ、そうだ。


俺は閃いた。


実は数少ない平凡じゃないものの中に、お隣さんが含まれていた。






「フォフォ!!よく来たな坊!!どうしたんじゃ!!」


昔のアニメに出てきそうな白いもしゃもしゃな髪、小さい背、そして白衣。


極めつけにいかにも博士みたいな外見の家。


そう、俺の隣人は今どき珍しい博士だったのだ。


「おう、じいちゃん。頼みがあるんだが引き受けてくれないか?」


俺は事のあらましを説明した。


説明してる自分でも何言ってんだこいつと思われるようなことを言っていたがじいちゃんは…。


「なんじゃそりゃ!!あいつもやらかしたのぉ!でもそこに受かれたのはあいつの才能だろうな!良かったのぉ!フォフォフォフォ!!」


…こいつも変人だった。


よくよく思えば父さんと気が合うやつは大体変だ。


けれどまぁもう試験は通ってしまった。俺がこのじいちゃんに頼みたいことは一つだけだった。


「ほぉ、筋肉の力をあげる薬のぉ……」


そう、俺が頼みたい事、それは筋肉増量の薬だった。


魔法が風ならば風を扱うものがいいかもとも思ったんだが、俺の才能は筋肉密度。筋肉増量で何とかなると思っていた。


「あぁ、じいちゃん。そんな薬はあるか?」


この博士はひいき目無しでもかなり優秀だ。ただいろいろな薬を作っていたら少し常識からズレてしまっただけで、かなりそう言うことには頼りになる。


「あるにはあるが…一生元には戻れなくなる可能性がある。それでもいいなら…」


なんだか自信がなさそうだ。


何か心配なことでもあるのだろうか。


「何かその薬に問題があるのか??」


出来れば直ぐに使いたいのだが…


「…わしの薬はほとんどの物が時間で切れる。が、この薬は治す薬というものがないのだよ。もし坊がこの体が嫌だと言ってもそれが直せないということになる。」


なるほど。


確かに一生物の体が不自由になったらそれは嫌だが、俺の才能は筋肉密度、何とかなるのでは?と思った。


「博士、まぁ、それはそれで困るが俺の将来のために高校留年は絶対回避したいんだ。それに俺は筋肉密度の才能があるからな、なんとかなるだろう。」


「まぁ、坊が言うのなら止めはしないが…」


やっぱり博士は少し心配そうだ。


まぁ、自分の薬のせいで俺が不自由になるのを嫌がっているんだろう。


「あぁ、もう覚悟は決めてある。その薬を俺に飲ませてくれ。」


こうして覚醒した俺の威力。しかし、そのおかげで人生がめちゃくちゃになるのを、俺はまだ知らない…。

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