~魔法が使えない魔法学園ストーリー
チート主人公が好きな人が誰でも楽しめるような作品にしたいです。よろしくお願いします
俺の名は新。
突然だが俺は人生の中で最も焦るというこの瞬間、素数を数えながら人並みに焦っていた。
~遡ること3ヶ月前
俺は中学3年の受験生。進路をどうするか頭の中で考えてるように見せかけて焦げすぎた苦い食パンをかじっていた。
「なんで上は焦げるのに下は生なんだろうな〜」
なんてことを思いながら俺はスマホで歴史の単語暗記を行っていた。
この世界には必ず1人ひとつずつ与えられる才能という特殊能力が存在する。
それは自分の頭に表示され、隠すことも嘘をつくことも出来ないというなんとも言えないものだった。
けれどこの星では才能のおかげで自分に合った就職がすぐに見つかることが多く、この星は他の星と違い飛躍的に文明が発達していた。
そしてもう1つ、この星の発達につながり他の星にも存在するものがある。
それは、魔法学園というものだった。
星での発生差はあるが、どの国にもある魔法。
才能とは別に 火、水、風、土、この4つで成り立つそれは、文明の差をつくるのに十分なものだった。
この星では魔法率が約5%と他の国に比べてはかなり高い。
逆に言えば、それほど魔法というのはどこも与えられる確率が低かったのである。
そんな星で生まれた平凡な中学生、新。
特殊能力は筋肉密度。魔法はなし。
筋肉密度で進んで雇ってもらえる職場はなく、まぁよく言えば未来が自分で決めれるということで、あまり自分の才能は嫌いじゃなかった。
…負け惜しみじゃないからね?
そんなことをぼーっと考えながら食パンを食べ終えて、今日一日休みだし何しようかな〜と考えていた頃。
ガッシャーーーン!!!!!!バリバリ!!
…僕の家で数少ない平凡じゃないものが嫌な音を立てて迫ってきた。
「聞いてくれ!!!我が息子よ!!!!」
朝から耳障りな音と声を出しながら迫り来る筋肉マッチョ。
「…なんだよ…父さん…」
そう、耳障りな音で俺に迫ってくる普通じゃないものの正体。それは俺の父だった。
……号泣しながら部屋に入ってきたオッサンを落ち着かせる為に茶を出し座らせる。
「どうしたんだよ父さん、そんなに泣いてるとまた髪の毛抜けんぞ。」
「ひっく…ひっく…髪の毛はもう抜けてるもん…どうせおハゲだもん…」
「ハゲとは言ってねぇだろ?」
(心の中では思ってるけど)
「それよりどうしたんだよ。またなんか宝くじ当たったか?」
このオヤジの才能は幸運で、小さな幸運が絶え間なくやってくる。稀だけど、宝くじが当たることもあるのだ。
「そうだ!!聞いてくれ我が息子よ!お前の高校が魔法学園に決まったぞ!!!」
「……は??」