じゃばら...ジャバラ...蛇腹
なれどジャバラされどジャバラのアコーディオン。ジャバラの動きが音色を導き、ジャバラの動きで色音が変わる・・・なんちゃって(笑)
とまあ「ジャバラ」の話です。
ジャバラ操作は、アコーディオン演奏の基本です。
アコーディオンの奏法は「ジャバラに始まりジャバラで終わる」と考えてください。望月先生はアコーディオンのジャバラ操作について「バイオリンの弓操作の様なモノだ」と言っていました。ジャバラ操作を身に付けた今、本当にソウだなと思います。
望月先生にお会いし初めてアコーディオンを弾いて見せた時「鍵盤やボタンを押しても音は出ないよ」と言われました。はい、その通りです。アコーディオンは、ジャバラで楽器内部に空気を送らないと音が出ないんですね〜(苦笑) でも、ジャバラを力任せに開け閉めすると、リードの音が硬くなるんです。
笛と呼ばれる1枚のリードで音を出す仕組み楽器(木管・金管楽器と呼ばれる楽器)や、リードを重ねて息を吹き込む楽器(ハーモニカやパンフルート)では、人間が息を吹き込んで音を出します。
これらは、演奏者が息の量を調整して鳴らします。息を強く吹き込むとリードが上手く震えず良い音が鳴りません。逆に息が少な過るとリードが震えません。適度な息の量を演奏者が選んで演奏しています。
アコーディオンは、鍵盤かベース・ボタンを押さなければリードに空気が入らない様に作られています。そして、ジャバラを開閉すると楽器の中に空気が充満する構造になっています。だから、笛に比べて直接リードに入る空気量は少なくなります。直列電流と並列電流みたいな感じです。
なので、ジャバラを強く開閉してもリードの音は鳴り、笛の様に音が割れる事はありませんが、、、弾くからには良い音を出したいと願う訳です。
なぜ、私がこの様な事をツラツラと考えたかというと、目の前に望月先生が居たからです。
先生のジャバラ操作は絶品でした。何気に鍵盤とボタンを弾いているダケなのに、軽くジャバラを動かしているダケなのに、何でこの様な音色が響くのか、何で聴く人の心を揺さぶり溜息を吐かせるのか。私は望月先生の演奏を初めて聴いた時、この人の様になりたい、こんな演奏がしたい、と強く思いました。
どうすればこの様に弾けるんだろう? と思い、鍵盤の弾き方やベースの弾き方を真似しましたが同じ音が出ません。鍵盤とベースの弾き方では無いと気付き、ジャバラの動かし方に注目しました。
どこで力を入れているのか、どこで力を抜いているのか、演奏している時に筋肉はどの様に動いているのか。前から横から後ろから、ただひたすら観察しました。
ちなみに私は、望月先生からアコーディオンの演奏方法を教えてもらった事がありません。「観てて良いよ」と言われたダケです。
まぁ 私は芸人ですし、芸人は芸を盗む者ですから。「観てて良い」のなら、トコトン観察して分析して自分の物にしてやろう!と、意気込んでいましたね(笑)
やがて、アコーディオンのジャバラ操作は、力任せに開け閉めするだけでは無い事に気が付きました。また、ジャバラを大きく開けても大きな音が出ない事にも気が付きました。そして、自分の呼吸とジャバラの開閉のタイミングを合わせ、リズム・速度・メロディ・ベース音 全ての配分をコントロールする事で、バランスの良い音色が出せる事に気が付いたんです。
力の配分やタイミングの取り方が分からず、無理をして左肘の腱鞘炎を患ったりしましたが、15年位かけてどうにか望月先生のジャバラ操作を身に付けられた次第です。
このジャバラ操作で演奏すると音がウネり、自然にグルーヴが出るんです。
私の演奏を聴いている子供達が楽しそうに踊り出したり、年代問わず音色に合わせて歌い出す姿を見ると、本当に嬉しくなります。
教室では、私が成功したやり方を指導しています。
・・・無駄をはぶいたので私より上達が早い‼︎ 先生冥利に尽きますです。
わざわざ痛い思いをする必要は無いと思います。根性でグルーヴは出せませんから。
身体に合わせた弾き方を覚え、アコーディオンを楽しめるのが一番です!!