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師匠「望月慎也」

アコーディオンに思いっきりハマったのは「望月慎也」という名演奏者に出会ったからです。


プロになって3年目に入った頃。

アメリカに自費留学したり、少しは仕事が取れるようになってきた時期です。

とある方に連れて行っていただいたお店が「ニュートーキョー池袋ミュンヘン店」というビアホール・レストランでした。


今、このお店はありません。15年位前は、お店で演奏者を雇い毎日の様に生演奏を聴かせてくれるレストランが沢山あったんですが、時代の流れで消えていきました。


さて、このお店で私は、本当の意味での「音楽芸人(音曲師)」に出会いました。

この「音曲師」・・・私が子供の頃には沢山いて、TVに出演しており花形の芸人だったのですが、何時の頃からか一般の目に入らなくなった方々です。

どの様な演奏をする人かというと、、、

「音楽」が単なる「技術」では無く「芸」の域値に入っている人です。


「スパイク・ジョーンズ」を知っていますか?・・・映画「マルコビッチの穴」の監督ではありません。

「クレージー・キャッツ」や「ドリフターズ」などがマネをした『冗談音楽の元祖』です。

「スパイク・ジョーンズ&シティー・スリッカーズ」は、ディキシーランド・ジャズのビック・バンド・チームなんですが、音楽演奏技術が格段に高くメチャクチャ難しい演奏をしているにもかかわらず、アッサリスッキリ爽やかに演奏し、凄まじい演奏の中で音楽ならではのギャグやコントを混ぜ込み、笑いで包み込む世界を作り上げていたチームなんです。1950年代にアメリカのお茶の間をTVショーで沸かせていました。


私はこのチームが大好きで、こんなショーが作りたくて。

でも私の周りにはこの世界観を一緒にやってくれる方がいないので、外国に行くつもりでした。アメリカに自費留学したのは、海外で自分がやっていけるかの確認と足場作りの為でした。


でも居ました。日本に「1人スパイク・ジョーンズ」を毎日アッサリと演じている人が。


このお方。アコーディオンだけでなく、パイプオルガンを弾くわエレクトーンを弾くわピアノを弾くわ、事キーボード関連に関しては無類のアイディアで弾きこなし客席を沸かせる、凄い人でした。

機械仕立てで色々な装備を用意し、1人で操作しながら楽器を演奏しまくるというバイタリティ満点の姿にただひたすらビックリ満点でありました。

で、押しかけ弟子⁈の様に、この方にヒッツキ虫になりました(苦笑)


望月先生は既にあの世に疎開されました。あの演奏を生で観れないのは大変寂しいです。

私は、望月先生に初めてお会いした年齢に近付いています。経験や体験を積んだ今だから聞きたい事や話したい事があるんです。でも叶いません。


先生は年月を重ねる毎に、大きく深く広い世界を醸し出していきました。

私もあんな風になれるかな? 慣れたらいいな? などと思いながら暮らしています。


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